フィジカルAIの学習データ収集を「スポットワーク」に ジールス&タイミーが共創パートナーシップを締結

 準国産コンパクトヒューマノイド「D1」を開発・提供するZEALS(ジールス)と、スキマバイトサービス「タイミー」を提供するタイミーが、フィジカルAI時代に必要となる新たな仕事カテゴリ「データ収集スポットワーク」の創出に向けた共創パートナーシップを締結したことを発表した。

 「データ収集スポットワーク」とは、フィジカルAIの学習・改善に資する現実世界データの収集・整理に関する業務について、取得する情報の範囲や利用目的を明確にし、安全管理・品質管理・プライバシーへの配慮を前提に、スポットワークとして設計する新たな仕事カテゴリを指す。本パートナーシップでは、D1をはじめとするヒューマノイドの開発・社会実装を進めるジールスと、多様な現場と働き手をつないできたタイミーの知見を組み合わせ、フィジカルAIの進化を支える新たな仕事のあり方を共同で検討していく。

 ロボットやヒューマノイドのように現実空間で人や物、環境と相互作用するフィジカルAIには、デジタルデータだけではなく、現実世界から得られる身体性を伴ったデータが必要となる。人がどのように物を持つのか、どの順番で作業するのか、状況に応じてどのような判断をするのか、例外が発生した際にどのように対応するのかといった現場の文脈を含むデータは、実際の現場で収集・整理し、AIの学習・改善につなげる必要がある。

 すでに米国や中国では、フィジカルAIやロボティクス基盤モデルの開発に向けて、現実世界データの収集、遠隔操作、ヒューマンデモンストレーション、アノテーション、品質管理などを担う新たなデータ収集ビジネスが立ち上がり始めている。日本においても、フィジカルAIの社会実装が本格化するにつれ、現実世界データを継続的に収集・活用する仕組みの重要性が高まると考えられる。

 ジールスは2026年8月5日、日本の屋内環境で働くことを前提に開発した準国産コンパクトヒューマノイド「D1」を正式発表した。2026年度内に100台を量産し、累計10,000時間の「現場稼働時間」を目標に、医療・介護を皮切りとして、製造・物流、ホテルなどへの社会実装を進めている。

 両社の役割分担としては、ジールスがD1をはじめとするヒューマノイドの開発・導入・運用に関する知見をもとに、フィジカルAIが何を学ぶ必要があるのか、そのためにどのようなデータが必要なのかを現場起点で定義し、収集業務の要件設計や、ロボット導入現場で発生する周辺業務の整理を行う。タイミーは、多様な現場の業務を働き手が担える形へ設計し、就業機会につなげてきた知見を活かし、現場ごとの業務ニーズに応じたワーカー募集、マッチング、就業機会の創出、業務運用のあり方について検討する。

 本パートナーシップで検討する主な取り組みは3点。1つ目は、フィジカルAI向け「データ収集スポットワーク」の設計。施設内での案内や受付対応、物品の受け渡し、現場スタッフによる作業動作など、ロボットが現実空間で活動するために必要となるデータを、スポットワークの形で収集できる仕組みを検討する。2つ目は、安全性とデータ品質を両立する運用体制の検討。作業手順、教育・研修、安全管理、品質確認、業務結果の共有方法など、スポットワーカーが安心して参加できる運用体制を共同で検討する。取得する情報の範囲や利用目的を明確にし、必要に応じた匿名化・マスキング等の措置を含め、プライバシーに配慮した運用を徹底する。3つ目は、ロボット導入・運用支援領域でのスポットワーカー活用。D1をはじめとするヒューマノイドロボットを企業や施設へ導入する際の搬入・設営補助、初期運用サポート、利用者への案内補助、稼働状況の確認、現場レポーティングなど、ロボットの導入・運用を支える業務におけるスポットワーカー活用の可能性も検討する。

 ジールスは、AIやロボットを単に「人の仕事を代替する存在」ではなく、その進化によって新たな仕事や働き方を生み出す存在にもなり得ると考えているという。今後、データ収集に限らず、ロボットの導入・設営・運用支援など、フィジカルAIの現場で生まれる多様な業務へと取り組みを広げていく方針だ。

 なお、D1は日本の屋内空間で人と共存し、具体的な業務を担うことを目的に、ジールスが開発・提供する準国産コンパクトヒューマノイド。世界の優れた技術・部品を取り入れながら、AI、ソフトウェア、制御、組立、日本の現場に合わせた導入・運用を国内主導で進める「準国産」の開発方針を採用している。日本の屋内空間に適したコンパクトな設計と、自然な対話、案内、移動、多言語対応、双腕による作業支援を特長としており、2026年8月5日に正式発表し、1体500万円から導入相談・販売受付を開始した。

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