世界一の携帯電話評論家・山根康宏のスマホ進化論(第30回)
マニア必見、スマホの裏からカメラが飛び出す! AI時代の未来のスマホ『Robot Phone』を使ってみた
スマートフォンのメインカメラは本体の裏側に搭載されている。これは誰もが知っている常識だ。ところがHONOR(オナー)が海外で発売した『Robot Phone』は、裏側に収納されたカメラが前面に飛び出してくるという、唯一無二の機構を持ったスマートフォンなのだ。実際にどんなギミックなのか、実機を触ってみた。
実は2億画素カメラ2つを搭載する「凄いカメラスマホ」
『Robot Phone』は一見すると普通のスマートフォンにしか見えない外観だ。画面サイズは6.31インチなので『iPhone 17』とほぼ変わらない。Androidスマートフォンだが、Android 16をベースにしたMagicOS 16を搭載していることから、グーグルのPixelシリーズなどとはホーム画面の印象は異なっている。なおAirDropに対応しているので、撮影した写真をiPhoneとやり取りすることもできる。
『Robot Phone』を手に持ってみると、ずしりとした重量を感じる。このサイズで重さは248gと、『iPhone 17』どころか『iPhone 17 Pro Max』よりも重いのだ。それもそのはずで、カメラ部分を見るとかなりの厚みがあることがわかる。この部分に飛び出すカメラが内蔵されているのである。
カメラ部分を上から見てみよう。飛び出すカメラは回転式のためヒンジが見え、またカメラ部分を覆うスライド式のカバーもあるため、厚みがかなりあることがわかる。只者ではない雰囲気がここからも見えてくるだろう。
背面を見るとカメラ部分にはアームのようなものが収納されていることがわかる。最近、Vlogなどを撮影する小型カメラとして『Insta 360 Luna Ultra』や『DJI Osmo Pocket 4P』といった、手のひらサイズの本体小型のカメラがアームで取り付けられたジンバルカメラと呼ばれる製品が流行っているが、『Robot Phone』はそのジンバルカメラをスマートフォンの背面に収納しているのである。
Vlogも自撮りも可能、そしてAIロボットにもなる
さっそく『Robot Phone』のジンバルカメラを使ってみた。カメラアプリを起動してからジンバルカメラをONにすると、背面に収納されたカメラが勢いよく前側に起き上がってくる。スマートフォンでこんな動きをする製品は他にはなく、ジンバルカメラを起動するだけでも注目を集めることは間違いないだろう。
ジンバルカメラが起動された状態は、まるでスマートフォンの上に着脱式のカメラを取り付けたような姿になる。そしてどことなく、カメラ部分が小さなロボットの顔のようにも見えないだろうか?『Robot Phone』という名前は、実際にロボットのように使うことができることから付けられているのである。
後はカメラを使って自在な撮影ができる。顔認識するので、『Robot Phone』本体の向きを多少変えたとしても、ジンバルカメラが自分や被写体の顔をしっかりと追従してくれるのだ。写真撮影はもとより、歩きながら自分の顔を写してVlogを撮影するときにも、『Robot Phone』なら手振れもなく自分中心の動画を撮ることができるわけだ。
カメラ部分は手動で動かすこともできるので、人物や建物を下から上に向けて撮るといった、動きある動画も撮影できるのである。
『Robot Phone』の本体を傾けてもジンバルカメラが被写体を追いかけてくれるので、撮影者が歩いたり走ったりしていても、相手をきちんと動画に収めることができる。今回は中国で行われた『Robot Phone』の発表会に参加して本体を試したが、ロデオマシンにのって自分の顔を動画で撮る、といった激しい動きに対応する撮影デモも行われた。
AIエージェントとしても優秀なカメラ
『Robot Phone』の名前の由来である、ロボットとしての動作は、カメラ部分が動きのあるロボットの「頭」として動作し、さらに画面内には顔の表情が表示されることで、24時間生活を助けてくれるAIエージェントとして動作する。音楽のテンポに合わせてカメラが首を振ったり、ユーザーが手を振る動作に対応してカメラと画面の表情で対応するなど、視覚的な表情と物理的な身振りで対応してくれるのだ。
飛び出す可動カメラを撮影機能として使うだけでなく、身近なAIエージェントの身体としても活用する『Robot Phone』は、AI時代が進むなか、画面に文字やチャットを表示するだけの無機質なAIアシスタントに対し、表情や動きで反応するより親しみやすい存在を目指している。スマートフォンが将来、パーソナルロボットへと進化していく可能性を示す製品であると感じられた。