YouTube140万人超え・4児の母ーーマリリンが“育児の葛藤”を赤裸々に発信する理由
芸術的なメイクで視聴者を魅了し、YouTubeチャンネルの登録者数は140万人を超えるトップクリエイター・マリリン。彼女は多忙な日々を送りながら、4人の子どもを育てる母でもある。
現在はメイク動画だけではなく、出産や育児の様子も発信しているが、活動当初は「カッコつけた自分」しか映していなかったという。そこからなぜ、ありのままの“母親姿”を見せるようになったのか。
4人の子どもを育てながらYouTubeと歩んできた11年間で見えてきた、仕事と育児の両立のリアルや葛藤、発信を通じて見つけた“居場所”について話を聞いた。【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
“母の自分”を曝け出して生まれた視聴者との絆
ーーマリリンさんは「YouTube活動」と「育児」を、長年両立されていたと伺いました。
マリリン:本格的にYouTubeを始めたのは2015年ごろなんですけど、そのころにはもう長女のひまわりがお腹にいて、つわりと戦いながら撮影をしていました。ひまわりが1歳のときには、もう海外の仕事もしていました。
ーー活動当初は、育児やプライベートの姿はあまり発信していなかったですよね。
マリリン:最初は、メイク動画を中心に投稿していました。プライベートの動画を出したとしても、家族旅行のVlogとか、カッコつけた姿しか見せていなかったんです(笑)。
ーーそこからなぜ、育児や日常の動画を投稿することにしたのですか?
マリリン:2人目を産んだときが、ちょうどコロナ禍だったんです。どこにも行けないし、私生活を発信するしかなくなったのもあって、ちょっとプライベートの動画も出してみようかなと思ったんです。あとコロナになる少し前から「インスタ映え」という言葉が流行っていたんですけど、「じゃあ私はその逆をいってやろう」と思って(笑)。
ーーありのままの姿を見せることに、抵抗はありましたか?
マリリン:その恥ずかしさは、2人目の出産動画を出したときに吹っ切れましたね。陣痛ですごく苦しんで、髪の毛もボサボサになりながら出産する姿を、動画にしたんです。それからは、すっぴんだったり、パジャマ姿で家事をしているところもどんどん見せていって。そしたら視聴者の方から、「ホッとした」「安心した」という共感のコメントが来たんです。
マリリン:そういった反応をもらって、私も「頑張らない自分を発信していこう」と思えるようになりました。当時の私は少し頑張りすぎていた部分もあったので、素の自分を見せることによって、その苦しみから抜け出せたんです。同時に、母の自分を見せることで、視聴者の方にとっても息が抜ける場所を作ることができたかなと思ったんです。
ーーメイクや美容系の動画とは、まったく違った“視聴者との交流”が生まれたんですね。
マリリン:そうなんですよね。普段はどちらかというと自分の経験を活かして、メイクのテクニックや魅力を言葉にして発信しています。私から視聴者の方に一方的に発信して、ポジティブな気持ちになってもらう。だけど、育児動画は“私”も視聴者に支えられているんです。そこが大きく違いますね。“私”という人間をみんなが見てくれて、支えてくれているように感じます。
ーーマリリンさんも支えられているんですね。
マリリン:はい。私が育児で悩んでいる姿を見て、視聴者の方が「私もそうだったよ」と言ってくれるんです。そのコメントで、私も「自分だけじゃないんや」と励まされます。お互いに居場所を作っている感覚ですね。コメントを通して、ママ友同士で話しているような感じなんです。
ーーリアルのママ友と語り合う感覚とは、また違うのでしょうか?
マリリン:リアルのママ友は、お互いの状況を知っているから、すごく寄り添ってくれるんです。ただそのぶん距離が近いから、逆に打ち明け辛いこともある。逆にYouTubeは、SNS上のつながりだから、届く言葉がすごくリアルなんです。だから視聴者の方も、現実ではなかなか人に言えないような悩みや気持ちを打ち明けてくれます。そのままの感情で言葉を届けてくれるので、「こんなふうに感じている人もいるんだ」と、自分にとっても発見になります。
ーーインターネットならではの、感情のつながり方ですね。
マリリン:そうですね。あと発信する側で言うと、動画は第三者が編集してくれるので、完成したものを見ると、自分のことを客観的に整理できるんです。そういう意味でも、YouTubeは私ならではの育児との向き合い方になっているのかもしれません。
コメントに気付かされた、子どもと過ごせる時間の大切さ
ーー最近では、小学生になった次女・めいちゃんが友達づくりに悩んでいることについて語った動画も、大きな反響を呼んでいました。
マリリン:いまはもう楽しく通っているんですけど、そのころは、友達がまだできていなかったから、学校に行きたがらなかったんです。学校では長女のひまわりのところに遊びに行ってたみたいなのですが、ひまわりはひまわりで友達と遊びたい気持ちもあって。けど、妹のことも見なくてはいけないし……という葛藤があったみたいです。
だからめいには、「友達を作りたいなら自分で踏み出すのも大事だよ」と伝えて。ひまわりには「妹を思う気持ちも大事だけど、自分の時間も優先してね」と伝えました。
ーーそのことを動画にしようと思ったのはなぜでしょうか?
マリリン:あのときは、自分も感情を吐き出したかったんです。それに、みんなは新生活の悩みにどうやって向き合っているのか知りたくて。私も新生活で悩む子どもと向き合うのは初めてだったので、自分の気持ちや考えを整理するためにも、動画にしました。
ーーすでに経験した先輩ママさんとつながることができるのも、SNSならではのメリットですよね。
マリリン:そうですね、私も4人子どもを育てているとはいえ、初めてのことはたくさんありますし、どうしていいのかわからないことも多いです。YouTubeは私の葛藤を吐き出せる場所でもありますし、救われる場所なんですよね。
ーーこれまで寄せられたコメントで、印象に残っているものはありますか?
マリリン:「子どもを最後に抱っこした日のこと」を書いてくださったコメントがあって、それはいまでもすごく心に残っています。
たとえば子どもに「ママ、これ見て!」「ここにお花があるよ!」と話しかけられても、忙しいとつい「あとでね」と返してしまうことって、あるじゃないですか。その方は、「子どもが自立して手を離れたあとに、『もっと話を聞いてあげればよかった』と思うことがある。だから、子どもが『ママ』と呼んでくれるいまを大切にしてあげてね」ということを教えてくださったんです。
きっと、その方も子育てをやり切ったからこそ、そういう思いになったんだろうなと感じました。私の子どもはまだ小さいけれど、成長するにつれて抱っこをしたり、一緒に過ごしたりできる時間は少しずつ減ってくるんだよなということを、そのコメントを読んで、ハッと気づかされました。
ーー日々忙殺されていると、つい忘れてしまうこともありますよね。
マリリン:そんなふうに、視聴者の方の言葉に気付かされることは本当にたくさんあります。子どもが小さいころは「ママ聞いて!」って、よく話してくれていたんです。でも最近は、私から聞かないと話さなくなってきました。だからいまは、できるだけ2人で過ごす時間を作るようにしています。みんなが寝たあとに長女の部屋へ行って、ハグをしながら「最近どう?」って話を聞いたりしていますね。
ーー育児を発信するなかで、動画にするかどうかの線引きはありますか?
マリリン:本気で子どもを叱るときは、カメラを回しません。本当に「それはアカン」と伝えなければいけない場面では、カメラを切って、子どもと向き合うようにしています。
たまに「マリリンさんは本当に怒らないんですね」と言われることもあるんですけど、本気で怒っている姿は動画にしていないだけなんです(笑)。カメラが回っていると、私も子どもも本音で話せないと思うので。子ども自身も、そんな姿を撮られるのは嫌だと思いますし、そこは絶対に守っている線引きですね。
ーーお子さんが成長するにつれて、動画の撮影に変化はありますか?
マリリン:長女が思春期に入ったり、下の子たちも少しずつ自分の意思を持つようになってきたので、カメラに映るかどうかは本人に任せています。
自分がもし反抗期だったら、カメラを向けられるのって、すごく嫌だと思うんです(笑)。だから、本人が「出たい」と言わない限りは、無理に撮影することはないかなと思っています。動画に残しておくと思い出にもなりますが、子どもたちにもそれぞれの感情や意思があるので、そこはこれからも尊重していきたいです。
ただ、買い物の仕分けや料理動画など、私自身の暮らしを発信することを楽しみにしてくださっている方もいるので、プライベートの発信は続けていきたいと思っています。クリエイターとして活動することは、私自身の生きる活力にもなっているので、プライベート動画は、かたちを変えながら続けていくつもりです。
ーー仕事と育児の両立で悩んでいる方に、伝えたいことはありますか?
マリリン:私が発信する側だからこそ伝えたいのですが、SNSで発信されている育児動画を、自分の基準にしすぎないでほしいなと思います。手を抜けるところは抜いていいと思うし、育児は本当に自分なりのペースでいいんです。
私だって、どこに何があるかわからないくらい部屋が散らかっていることもあります(笑)。料理も、レンジで温めるだけで済ませたり、お湯を沸かすだけで終わる日も全然あります。
いろんな育児動画を見ていると、「自分もこうしなきゃ」と思ってしまうかもしれません。でも、家庭によって状況も違うし、使える時間や体力も人それぞれなので。まずは自分のキャパシティを理解して、休めるときはしっかり休んでほしいなと思います。
ーーたしかに、SNSでいろんな育児姿を見て、プレッシャーに感じる方もいるかもしれないですね。
マリリン:家事だけじゃなくて、子どもの成長もそうですよね。「うちの子はまだオムツをしている」「まだひとりでトイレができない」と、焦って余裕がなくなってしまう気持ちはすごくわかるんです。とくに仕事をしながら育児をしていると、自分自身と向き合う時間もなかなか取れないですし。
でも、子どもって自分が思っている以上に“自分の力”で成長していくものなんだなと、私は途中で気づきました。だから、SNSで見る誰かの育児を基準にしすぎないでほしい。まずは自分自身を大切にして、自分が無理なく続けられるキャパシティのなかで、子どもと向き合ってほしいなと思います。
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