サングラスのように掛けると、目の前に大画面が浮かぶ 4万円台のARグラス『xbx a01+』を体験した
サングラスのような見た目のグラスを掛けると、目の前に大画面が浮かぶ。ARグラス大手のXREALは7月6日、そんな「ディスプレイ型ARグラス」のエントリーラインとなる新ブランド「xbx(エックスビー エックス)」を立ち上げ、第1弾製品『xbx a01+』を発売した。価格は4万3980円(税込み)で、公式サイトやAmazon、家電量販店で購入できる。
そもそもディスプレイ型ARグラスとは何か
ARグラスと聞くと、視界に情報が重なって表示されるSFめいた機器を想像するかもしれない。ただ、『xbx a01+』のようなディスプレイ型グラスの使い方はもっと単純だ。スマホやPC、ゲーム機とUSBケーブルで繋ぐと、レンズの内側に映像が映り、装着した本人の目の前に大画面が浮かんで見える。XREALはその大きさを、4m先に置いた147インチのテレビを眺めたときと同じサイズに見えると説明する。レンズは景色が透けて見えるつくりなので、映画を流したまま手元の飲み物に手を伸ばせる。視界をすっぽり覆うVRゴーグルとは、そこが違う。
映像は周囲から見えず、装着した本人だけに映る。だから掛ければ、どこにいてもそこが自分専用のリビングになり、映画館になる。新幹線や飛行機の座席から動けない長旅でも、退屈せずに過ごせる。まわりの目が気になる場所でも、観ているものを知られずに済む。寝る前のベッドで照明を落としたままでも、気楽に大画面を眺められる。xbxはそのXREALが「はじめての一台」を掲げて立ち上げたサブブランドで、動画視聴やゲームを主な用途に据えている。難しい設定なしに使える手軽さを重視した。
62gの軽さと、サングラスと変わらない見た目
発売と同日に開かれた発表会で、実機を試した。手に取ってまず驚いたのは軽さだ。重さは62gで、テニスボール1個分、ケースに入れたAirPods Proとほぼ同じだと発表会では説明していた。レンズ越しに景色が見えるタイプのARグラスでは業界最軽量をうたう。掛けてみると、すっと鼻に載って、数分もするとふっと存在を忘れる。鼻に当たるパッドは設計を見直したといい、S・M・Lの3サイズが付属する。頭を振ってもずり落ちる気配はなかった。
見た目も、ガジェットというよりファッション小物に寄せている。ブルーのレンズに蛍光イエローのケーブルという配色で、掛けた姿は普通のサングラスとほとんど変わらない。前面のフレームは取り外せる構造で、会場には色を変えたりペンで模様を描いたりした参考展示も並んでいた。ただし交換用フレームの販売は現時点で発表されておらず、着せ替えはこれからの提案にとどまる。
まぶしいと感じるほどの明るさ
映像を映すと、画面の明るさが際立つ。デモ機で明るさを最大まで上げると、まぶしいと感じるほどだった。明るさは最大1600ニトで、数年前の高価格帯スマホの画面と同じ水準だ。
この明るさには意味がある。晴天の日中の屋外は、人間の目で感じているよりはるかに明るく、明るさの足りない画面では映像がほとんど見えなくなる。1600ニトあれば、十分とまでは言えないものの、夏の日差しの下でも映像の全体を追える。ツルの右側にある長いボタンから14段階に調整でき、寝る前の暗い部屋では抑えめにして使える。
発表会場ではMac miniと接続したデスクトップ操作のデモも試した。目の前の大画面にPCの画面を映し、ワイヤレスキーボードとマウスを組み合わせれば、出先にも作業環境を持ち出せる。動画やゲームが入り口の製品だが、こうした使い方まで受け止める素地はある。
手ブレ補正の効きはスマホ次第
グラスの画面は頭と一緒に動く。だから電車の揺れはもちろん、何かを食べて噛む振動でも映像がぶれる。発表会ではそんな例を挙げて、揺れを抑えて安定した映像を映す手ブレ補正を紹介していた。ただし滑らかさは繋ぐ機器で変わる。担当者によると、GalaxyやPixelのProシリーズなど一部の高価格帯スマホやPCと組み合わせたときに最もよく働き、iPhoneでは滑らかさが一段落ちるという。手持ちのスマホでどこまで効くかは、購入前に確かめておきたい。
ディスプレイ型ARグラスの入門機として、『xbx a01+』は軽さと明るさを両立させた。62gという数字だけでは、この掛け心地は伝わらない。全国の家電量販店でも取り扱いがあるので、気になったらまず店頭で掛けてみてほしい。