マスクとザッカーバーグ、X上で“奇妙な共演” Metaの新AI発表を自社PRに変えた一幕

  イーロン・マスク氏とマーク・ザッカーバーグ氏が、X上で久々の“共演”を見せた。マスク氏は日本時間7月10日、ザッカーバーグ氏によるMetaの新AIモデル「Muse Spark 1.1」の発表ポストを引用。「Xは製品発表に素晴らしいプラットフォームだ。とりわけCEOが直接行う場合、ありきたりなプレスリリースより一般の人々にとってずっと興味深い」と投稿した。

 さらにマスク氏は、ザッカーバーグ氏のポストがすでに1200万回以上表示されたと指摘し、「無料で!」と強調。競合企業の新製品発表を、Xの拡散力を示す実例として利用した格好だ。

 ザッカーバーグ氏は前日の7月9日、「強力なエージェント型・コーディングモデルを非常に低価格で提供する」としてMuse Spark 1.1を発表。新設された「Meta Model API」とMeta AIで利用できると説明している。

 今回の一件には、もうひとつ興味深い背景がある。ザッカーバーグ氏がXに投稿するのは約3年ぶり。前回は2023年7月、MetaがTwitterの競合サービスとして「Threads」を立ち上げたタイミングだった。ザッカーバーグ氏は、そっくりな2人のスパイダーマンが互いを指さす有名なミームを無言で投稿。TwitterとThreadsの類似性、そしてマスク氏とのライバル関係を茶化す一手として受け止められた。

 Threadsはサービス開始から5日で登録者数1億人を突破。両者は2023年、「ケージマッチ」をめぐるやり取りでも注目を集めた。マスク氏がX(当時Twitter)でザッカーバーグ氏との対戦に応じると投稿すると、ザッカーバーグ氏もInstagramで「場所を送って」と返答。その後も開催案が語られたものの正式な日程は決まらず、ザッカーバーグ氏が「マスク氏は本気ではない」として打ち切りを表明した。

 それから3年。Threadsを運営するザッカーバーグ氏が、Metaにとって大きなAI製品の告知で再びXに現れ、その投稿の伸びをマスク氏がすかさずXの宣伝に変える。相手を正面から褒めたというより、“宿敵”の成功を自社プラットフォームの営業材料にしてしまったような一幕だ。

 3年前はスパイダーマンのミーム、今回は1200万回を超える表示数。実際のケージではなくとも、2人の対決は今もタイムライン上で続いている。

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