『Weekly Virtual News』(2026年7月1日号)

バンナムがVTuber外ロケの“新技術”を公開 「にじさんじ甲子園」はフレッシュな顔ぶれに期待が高まる

 VTuber、XR技術、メタバース――様々な“バーチャル”に関するトピックは、日々多く生まれている。企業による巨大な施策から、個人によるマイクロだが熱気あふれる取り組みまで、その規模は様々だ。

 連載「Weekly Virtual News」では、一週間のうちに起きた“バーチャル業界”に関連する様々な話題をピックアップ。ニュースとして紹介するだけでなく、筆者の独断と興味関心からフックアップしたいトピックも取り上げる。

バンダイナムコ系列2社がVTuber事業で業務提携 “釣りロケ”に先端技術を投入

 バンダイナムコミュージックライブとバンダイナムコ研究所は6月23日、VTuber事業における業務提携契約の締結を発表した。今夏から、バンダイナムコミュージックライブ運営のVTuberプロジェクト「MEWLIVE PROJECT」で、バンダイナムコ研究所が配信映像やライブステージなどのデジタル表現領域を中心とした技術提供を開始するという。

 どのような技術になるか、その一例として示されたのが、同日に投稿されたVTuber・熊乃ベアトリーチェの釣りロケ動画だ。バンダイナムコ研究所の技術「ELMIRAIVE™ CX」を活用し、現実の釣り場でロケを行い、そこでVTuberの3Dモデルと実写背景をリアルタイムに融合させた収録を実現しているという。

【釣りロケ】謎技術でリアルに3Dを降臨させ釣りをするVTuberはこちら【熊乃ベアトリーチェ】

 実際に動画を見てみると、釣りをするVTuberの動きがかなり自然に現実へ融合しているのがわかる。これを外ロケの現場で作り出せるならば、制作工数はある程度減らせそうだ。近年はVTuberによる外ロケコンテンツが増えつつあり、バンダイナムコ研究所の技術はこの需要に応えるものになるかもしれない。

『にじさんじ甲子園2026』開催発表 フレッシュな顔ぶれの監督による熱闘のゆくえ

 にじさんじの毎年恒例企画「にじさんじ甲子園」が、今年も開催される。6月25日、『にじさんじ甲子園2026』の開催が発表された。

 本企画は野球ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズを使ったゲーム大会であり、参加者はにじさんじ所属VTuberの名前と容姿を引用した選手たちを準備期間で育て上げ、本戦で戦わせる人気企画の一つだ。本年度は、各参加者の選手指名を行うドラフト会議が7月4日に、本戦が8月8日・9日・11日の3日間にわたって開催される。

【 #にじ甲2026 】にじさんじ甲子園2026 企画説明会

 今年の特徴は、やはり参加者の顔ぶれだろう。宇佐美リト、狂蘭メロコ、小柳ロウ、榊ネス、七瀬すず菜といった、初参加かつ比較的新しい世代のライバーが多く名を連ねている。活動年数の長い星川サラ、本間ひまわり、ローレン・イロアスも初参加であり、経験者はフレン・E・ルスタリオと不破湊の2名のみ。

 主催の舞元啓介と天開司も「冒険の監督陣」「全く想像がつかない」と語るほど、かつてないほどフレッシュな顔ぶれから、どのようなドラマが生まれるかが大きな見どころとなりそうだ。参加者以外のにじさんじVTuberたちによる応援企画も含め、今年も大きな盛り上がりを見せてくれるだろう。

今年はひと味違う? 『バーチャルマーケット2026 Summer』企業出展情報を読み解く

 『VRChat』における夏の恒例イベント「バーチャルマーケット」も開催が近い。7月11日に開催される最新回「バーチャルマーケット2026 Summer」にて、出展を予定している企業情報の第一弾が、6月24日に発表された。

 毎回、様々な出展企業が名を連ねる「バーチャルマーケット」だが、今年は少しだけ切り込み方を変えてきた印象だ。

 例えば初出展の富士急行。同社の遊園地「富士急ハイランド」が出展され、ジェットコースター「FUJIYAMA」などが展示される予定だが、実は富士急行は直前にXR年間プロジェクト始動を発表している。「バーチャルマーケット」運営企業・HIKKYとの連動企画第1弾が、今回の出展となる形だ。

 同じく初出展となる青山商事は、『仮面ライダー ディケイド』で主演をつとめた俳優・井上正大がモーションアクターを担当する、ヒーローショー観覧コーナーを出展ブースに設ける。直近で『VRChat』で様々な活動を展開する同氏の起用は、文脈をよく理解した一手のように思う。

 また、音声POP「呼び込み君」の公式3Dモデルも見逃せない。開発企業の群馬電機もまた出展企業に名を連ねており、出展ブースで販売導線が設置される。価格は980円(税込)。

 ただ外観を模しただけでなく、代名詞であるポップなBGM「No.4」と、ボサノバ調の「No.2」の2曲が搭載された本格的なアイテムであり、アバターとしての利用やワールドオブジェクトとしての利用ができるようだ。近年は音声POPとしてのみならず、愛らしいインテリアや音源としても人気を得ている「呼び込み君」の公式アイテムの登場に、Xでは大きな反響が見られた。

 長年「バーチャルマーケット」を眺めている身として見ても、今回の企業出展内容はなかなか筋が良いように感じる。第2弾情報もおそらく控えていると思うが、関連施策も含めて今年は例年以上に開催が楽しみだ。

サミー初のVRChat常設ワールドが7月1日にオープン

 パチンコ・パチスロメーカー大手のサミーは、『VRChat』上に公式ワールド「サミーワールド」を一般公開する。7月1日にオープンするこのワールドは常設コンテンツであり、サミーとしても初の試みとなる。

 実はサミーも、前節で触れた「バーチャルマーケット」には出展経験がある。本ワールドもHIKKYが制作を手がけ、過去の出展に登場したコンテンツが登場するという。具体的にはシューティングゲームや、『快盗天使ツインエンジェル』の巨大パチンコなど。これらのゲームを遊ぶとポイントがたまり、3Dモデルなどと交換ができるようだ。

 リリース直後の目玉となるのは、『東京リベンジャーズ』コラボエリアだろう。7月6日から導入予定のパチンコ新台「e 東京リベンジャーズ 聖夜決戦編」がモチーフとなったエリアでは、本編シーンを再現したフォトスポットや、実機のような演出体験を楽しめるコンテンツが設置されるという。

 なお、サミーは「バーチャルマーケット2026 Summer」にも出展し、会場内からこのワールドへのアクセス経路が設置されるようだ。富士急行の件も含め、HIKKYの戦略は「バーチャルマーケット」出展という瞬発的なものから、より継続的なものへとシフトしつつあるのかもしれない。

 余談だが、サミーも含めて「バーチャルマーケット」には過去にもパチンコ・パチスロメーカーが出展している。そして過去開催では、導線上に置いてあるバーチャルな遊技台に吸い込まれ、そのまま数十分遊ぶ来場者が一定数いた。その点も含めて、長期滞在に向く独立ワールド化は理にかなった選択と言えるだろう。

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