おちまさと、賛否の半分は「意図している」 『LAST CALL』プロデュースで見えた、令和の時代も変わらない“ヒットの法則”

令和の時代も変わらない番組作りの“勝ちパターン”

――今回、18年のブランクを経て久しぶりに番組のプロデュースにあたったわけですが、18年の間で、ヒット番組を作る上での“勝ちパターン”に何か変化はありましたか?

おち:今回の『LAST CALL』で普遍性があるとわかりました。まず大切なのは、誰も見たことのない企画であること。また、「振り幅」を持たせることも重要です。たとえば、不良がボクサーになるとか、普通の少年が屋上で叫ぶとか。『LAST CALL』であれば、不幸を背負った女の子がスーパーキャバ嬢を目指すというマイナスからプラスへの振り幅がありますよね。

 さらに、視聴者を離脱させないことも大事です。テレビではクイズ番組がいつの時代も放送されていますが、その理由は、視聴者はクイズが出題されると答えが知りたくなり、正解が明かされるまでCMを跨いでも観てくれるからにあります。オーディション番組もなくならないでしょうね。なぜならオーディションとは、“大きなクイズ”だから。志望者たちが合格するか、落選するかを見守る大掛かりなクイズが出題されていることと同義であるため、観ている人たちは「結果が出るまで見なきゃ」となるわけです。

――なるほど。

おち:それと、編集で「前ひっかけ」のナレーションをどんどん入れることにもこだわっています。「この後とんでもない出来事が!」「この後、異常事態が発生!」など、とにかく、前に前に引っかかりをつくることで、視聴者の方は興味を持って観続けてくれるわけです。

――『LAST CALL』では、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)でお馴染みの服部潤さんがナレーションを務めていらっしゃいますよね。

おち:日本のトップナレーターと言っても過言ではない服部さんが快諾してくださったことで、その声を耳にした瞬間、視聴者は「今」を感じる。番組作りにおいて、そういった一つひとつのディテールを積み上げていくことの大切さは、18年前も今も変わらないと思いました。

――今おっしゃっていただいたような、さまざまなディテールを積み重ねた結果、『LAST CALL』は毎回数百万再生を叩き出すヒットコンテンツになりました。

おち:僕は今60歳なのですが、還暦になってもF1層(20歳〜34歳の女性)に刺さる番組を当てられたのが、ちょっと面白いと感じています。こうなったら70歳、80歳でも当たるコンテンツ作りに挑戦するのもアリかなって(笑)。

『LAST CALL』への賛否は「半分は意図している」

――その一方で、『LAST CALL』はネット上を中心に賛否両論を巻き起こし、動画のコメント欄には厳しい意見も散見されます。プロデューサーとして、こうした「アンチの発生」は意図した通りなのでしょうか?

おち:半分は意図しています。やはり、無風状態が一番恐ろしいですから、「そんな番組あったっけ?」という状態は避けたいところです。それは番組でも事業でもCMでも、何を作るにしても一緒。たとえば、飲食店をオープンして「料理がおいしくなかった」と言われたとしても、その人はお店に来て、しっかりと売り上げに貢献してくれているわけですから。とにかく無風が怖い。無風のコンテンツって、認識できてないだけで世の中にたくさんありますからね。

――『LAST CALL』のように、YouTubeが台頭する一方、テレビ離れが加速している現代をどう思いますか?

おち:YouTubeの普及により、限られたテレビ局の中から好きな番組を選ぶという視聴形態が一変し、星の数ほどあるチャンネルの中から好きなものを選べるようになりました。だから僕は20年ほど前に「これは状況が変わるな」と予期し、テレビ以外のフィールドに自分の企画力を持ち込んだわけです。うちの子どもたちもほとんどテレビを観ていませんし、息子は7歳になりますが、生まれてから一度も観ていません(笑)。

――テレビの第一線で活躍されてきたおちさんとしては、お子さんがテレビを観ない現状について寂しいと感じますか?

おち:いや、そりゃそうだろうなという感覚です。だって、子どもたちにとってYouTubeのほうが面白いんだから、それを見るに決まってるじゃないですか。僕らの頃はテレビしかなかったからテレビばかり見ていただけのことですからね。

――それでは最後に、視聴者の方に向けてメッセージをお願いします。

おち:水面下で進行中のプロジェクトが多数あり、言えないこともありますが、溝口さんが実現したいことをプロデューサーとしてフォローしていくつもりです。溝口さんは一人で何でもできる人ですが、彼のアイデアに僕のフレーバーを加えてさらに大きいものに仕立てていければと考えています。


■番組情報
『LAST CALL(ラストコール)』
配信開始:2026年1月4日
配信プラットフォーム:YouTube
配信日時:毎週日曜21時
公式チャンネルURL:https://www.youtube.com/@LASTCALL_OFFICIAL
公式X:https://x.com/LASTCALL_ofcl
オーディション応募フォーム:https://lastcall.jp

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