フリーアナウンサー・檜山沙耶が語る独立からの2年間と、デスクワークを支える“相棒”チェア『Gesture』の魅力

「私の青春はポケモンそのもの」 パンの袋のアレを使った“ガチ育成”に熱中

――ここからは檜山さんの「ゲーム遍歴」についてもお話を伺っていきたいと思います。先ほど、配信環境のお話の中で「ゲーム配信を観るのが好き」とおっしゃっていましたが、「自分でも発信してみたい」と思ったきっかけは何だったのでしょうか?

檜山:元々ゲームが大好きで、実況者の方の動画を観ることも多かったんです。大学生の頃、ニコニコ動画で「レオモン」さんという方の配信を観たのが大きなきっかけかもしれません。ポケモンの「コイキング1匹だけでゲームをクリアする」という、いわゆる“縛りプレイ”の動画だったのですが、「同じゲームなのに、プレイする人が違うだけでこんなに世界が変わるんだ!」と衝撃を受けて。そこからゲーム実況というカテゴリーに強く興味を持ち始めました。

――ご自身でもプレイを深めていかれたと思いますが、昔はポケモンの厳選(※)をかなり本格的にやられていたそうですね。

檜山:そうなんです(笑)。大学生の頃、とにかく夏休みなどに時間があったので、ものすごくのめり込んでいましたね。友人がよくやっていて、「ポケモンって、こんなに奥深い大人向けの遊び方があったんだ」と気付かされたのが始まりでした。

――入り口はカジュアルでも、厳選や対戦環境となると一気にディープな世界になりますよね。当時はどのようなポケモンを愛用して、どのような戦術を組んでいたのですか?

檜山:どのポケモンだったかな……そうだ、ナットレイです! 「ゴツゴツメット」を持たせて相手の物理アタッカーを削る戦い方とか、あとはヤドランの「さいせいりょく(特性)」を活かして、一度手持ちに引っ込めてHPを回復させてから相手を追い詰めたり……。当時の環境で前線にいた強いポケモンたちは、一通り自分の手で育てていましたね。

――何気なくお尋ねしたつもりだったのですが、専門的なガチ用語がスラスラと出てきて圧倒されました。思い出深いエピソードなどはありますか?

檜山:思い出したらつい熱くなってしまいました(笑)。

 そうですね……当時は本当にポケモンの育成に熱中していて、ニンテンドー3DSの『ポケットモンスター X・Y』と、ニンテンドーDSの『ブラック2・ホワイト2』のカセットを交互に行き来させながら育成していました。あの頃は今ほど育成機能が充実していなかったので、「ミアレシティ」の周辺を、自転車に乗って自分の手でぐるぐる回る必要があったんです。

 そこで、食パンの袋を留めるバッククロージャーをスライドパッドに挟み込むと、手を離しても勝手にキャラクターが走り続けてくれるという小技がありまして。それをずっと永遠にやっていました(笑)。ただ、ずっと放置していると3DSの充電が切れてしまうので、充電コードを本体に挿しっぱなしにして、バッククロージャーをはめた状態のままよく外出していましたね。

――完全に自動化していたのですね(笑)。そもそも、檜山さんの「人生で最初のゲーム体験」はどのようなものだったのでしょうか?

檜山:本当に小さい頃、おばあちゃんの家にあったファミコンで、おばあちゃんと一緒にドット絵の初代『スーパーマリオブラザーズ』で遊んでいたのをよく覚えています。あとは、ヨッシーの卵を投げて進むアクションゲーム(『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』)もありました。

 でも一番記憶に残っているのは、やっぱり初代『ポケットモンスター 赤・緑』ですね。夜な夜な親の目を盗んで、夢中になって遊んでいました。画面もモノクロで、初代「ゲームボーイ」か「ゲームボーイポケット」の時代です。

――その頃からずっとポケモンと一緒に歩んできたと。

檜山:小さい頃はシステムの細かいことなんて全然わからなかったけれど、とにかく一生懸命やっていましたね。当時は手持ち画面のポケモンのアイコンも、今みたいにそれぞれの姿にデフォルメされていなくて、共通の小さなドット絵アイコンだったじゃないですか。だからパッと見では見分けがつかなくて……「どれがピカチュウで、どれがヒトカゲなんだろう?」って、頑張って名前を読みながらプレイしていました。今思うと、すべてが手探りで……懐かしいですね。

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――大好きなシリーズとして「MOTHER」シリーズや「ドラゴンクエスト」も挙げられていましたが、幼少期はRPGの世界に深く浸ることが多かったのですか?

檜山:そうですね、RPGが多かったかもしれません。ただ私、子供の頃にプレイしたのはいいものの、怖くてクリアできていない作品も多くて……。

 たとえば『MOTHER2』は攻略本を買ってもらって、それを読みながら進めていたのですが、展開が子供ながらに怖すぎて、途中でやめちゃったんです。主人公のお友達(ポーキー)が不気味な姿に変わってしまうシーンが本当にトラウマで。一見するとポップで可愛らしい世界観なのに、いきなり怖いものを突きつけられて、「なんでこれを私に買い与えたんだ!」って、子供ながらに思いました(笑)。

 同じように『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』もプレイしていたのですが、ボス(オルゴ・デミーラ)がどんどん崩れていく描写が子供心に怖くて、最後の方は泣きながらプレイしていました。そこからも、一人の時間はもっぱらRPGの世界に浸って、中学生になってからは友達と「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「マリオカート」でワイワイ遊ぶ、という感じでしたね。

――名作ゆえのトラウマですね(笑)。一人でじっくりRPGの世界に浸っていた子供時代から、大人になった現在はどんなタイトルを楽しまれているのでしょうか?

檜山:最近だと、ホロライブのAZKiさんの配信を観て興味を持った、ストリートビューから世界中の地名を当てる『GeoGuessr(ジオゲッサー)』をプレイしたり、『ぽこ あ ポケモン』をやったり……あとは、ゲームボーイアドバンス版がNintendo Switchに移植されたので『ポケットモンスター ファイアレッド』をやり直したりしています。今振り返ってみても、私の青春は本当にポケモンそのものだったなと思います。

【※2「厳選」……対戦で有利に立ち回るために、より高いステータスや理想的な能力を持つポケモンの個体を追求・育成する作業】

趣味を仕事にする責任と、完璧の先にある「自分らしさ」への展望

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――最近では『龍が如く8』に出演されるなど、ゲームとの関わり方も広がっています。ご自身が慣れ親しんできたゲームの世界に入り込むというのは、どのような感覚でしたか?

檜山:最初にお話をいただいた時は、「こんなに幸せなことがあっていいのかな」と、まるで夢を見ているような感覚でした。なので、オファーをいただいた時は、迷う暇もなくコンマ1秒で「やらせてください!」とお返事しました(笑)。

 実際の収録では、自分の顔をゲーム内に取り込む3Dスキャンの作業がとても新鮮でしたね。目の前に何台ものカメラがズラリと円状に並んでいて、一斉に撮影して立体モデルを作るんです。作中に出演されている有名な俳優の皆さんも、同じようにこの中に座ってスキャニングされたのかな、なんて想像したりして面白かったです。

 あとはアフレコもすごく楽しかったですね。 攻撃する時の掛け声なども録音したのですが、キャラクターに声を吹き込むのは人生で初めての経験でした。

――ニュースを伝える時とは全く異なる声の表現になりますが、アフレコでの感情の乗せ方にギャップや発見はありましたか?

檜山:実は昔、声優の養成所に1年間だけ通っていた時期があったんです。当時はそのまま社会人になってしまったのですが、今回キャラクターに声を吹き込む経験をしてみて、「自分が思っている以上に何倍も大きく感情を乗せないと、マイクを通して聴き手に伝わらないんだな」と痛感しました。キャスター時代のフラットに伝えるアプローチとのギャップはありましたが、ずっと自分が挑戦してみたかった念願の領域だったので、終始ワクワクしながら楽しく取り組めました。

――そうした出演や、今後ゲームイベントやeスポーツの大会でMC(進行役)を務める機会が増えていく中で、これまで「純粋な趣味」だったゲームに対する向き合い方や意識に、何か変化はありましたか?

檜山:かなり大きな変化がありました。

 よく世間では、「趣味は仕事にしない方がいい」と言われることもありますよね。最近、その言葉の持つ意味が少しずつ分かるようになってきました。ただ純粋に自分の席で楽しむだけではなく、お仕事をいただく以上は「作品に対する責任感」が強く生まれるようになったんです。

 もし自分の個人配信であれば、「まだルールを知らないので一緒に学びましょう!」というスタンスで遊んでいけるのかもしれないですが、イベントの進行や大会を回す立場であれば、ルールを知らないで挑むことは絶対にできないですよね。ゲームの基礎知識や作品の歴史、仕様の理解をどこまでも深めていかなければいけないなと。

 特にeスポーツなどの対戦ゲームはタイトルごとに全くルールや環境が異なるので、覚えることも多くて、大変な一面もあります。でも、そういった仕事としての責任感をしっかりと持ちつつも、根底にある「ゲームを心から楽しむこと」だけは絶対に忘れないようにしたいなと、その両方のバランスをとても大切に考えるようになりました。

――プロとしての徹底的なリサーチと裏方の努力、純粋な楽しさのハイブリッドですね。今後、発信者・MCとして活動していく上での心構えや、目指したい理想像などはありますか?

檜山:台本をきちんと読み込んで、取り扱う作品をプレイすることは大前提なのですが、実は最近、ずっとお世話になっているカメラマンの方から、今後の指針になる言葉をいただいたんです。

 「型通りに正しくやろうとするよりも、突発的な言葉や本来の人柄が乗った方が良いと思う。完璧を求めるだけじゃなく、その人らしさや色を出すことが“いい表現”に繋がる」と言っていただいて。その言葉がすごく心に沁みましたね。

――技術的な完璧さよりも、その人ならではの色や余白が魅力になるということですね。

檜山:そのお言葉をいただいてから、自分の中で張り詰めていた「完璧にやらなきゃ、滞りなく回さなきゃ」という肩の荷が、すっと軽くなったのを感じました。型にハマらず、自分らしく楽しんでいきたいなと。

 たとえば私、狩野英孝さんのゲーム配信が好きでよく拝見しているのですが、ゲームが完璧に上手いから惹かれるのではなく、狩野さんという唯一無二の色が乗っているからこそ、みんな笑顔になって観てしまうと思うんですね。私もそんな風に、自分らしさを愛してもらえる表現者になりたいです。

――ありのままの魅力を届けていく、とても素敵な目標ですね。その第一歩として、今後はこの新しいチェアと共にどのような活動に挑戦していきたいですか?

檜山:今後は新しい相棒である『Gesture』にしっかりと身体を支えてもらいながら、子供の頃にリタイアしてしまった『MOTHER2』を大人の力でしっかり全クリアまでやり遂げる配信だったり(笑)、『Pokémon Champions』でランクバトルをもう一度頑張ってみたりと、自分の色を大切にしながら色々なことに挑戦していきたいです。

――それでは最後に、ウェザーニューズ時代から檜山さんを知ってずっと応援してくださっているファンの皆さん、そして新しく彼女の魅力に気づいて支えてくださっている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。

檜山:いつも温かい応援をいただき、本当にありがとうございます。会社員からフリーランスへと私の環境が変わって、活動の形が変わっていく中であっても、応援し続けてくださる皆さんの存在が何よりの心の支えであり、日々の大きな原動力になっています。

 30代を迎えましたが、これからもっと色々な面白い活動に挑戦し、皆さんにたくさんの素晴らしい時間や笑顔をお届けできればと思っています。新しくお迎えした『Gesture』と一緒に配信もデスクワークも全力で楽しんでいきますので、これからも末永く、私の新しい歩みを応援していただけると嬉しく思います!

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