Spotifyが“嗜好”特化のAIモデル「Large Taste Model」開発へ 20周年のInvestor Day開催

Spotifyは、ニューヨークにて3度目となるInvestor Dayを開催し、ビジネス、プロダクト戦略、長期ビジョンの詳細を投資家に向けて発表した。
今年はSpotify創業20周年にあたり、2026年初頭に共同CEOへ就任して以来初めてのInvestor Dayに臨んだAlex NorströmとGustav Söderström、およびグローバルリーダーシップチームのメンバーが登壇した。
主な発表内容として、共同CEOの両名がイベント冒頭に登壇し、2022年の前回Investor Day以降のSpotifyの成長を振り返るとともに、今後の目標達成に向けて注力する4つの重要テーマについて説明した。
あわせて発表された「Reserved」は、アーティストの最も熱心なSpotifyプレミアムユーザーに対し、一般発売前にツアーチケットを2枚確保する初の取り組みだ。今夏より米国にてLive Nationをローンチパートナーに迎えてスタートする。SpotifyはLive Nationチケットへの先行アクセスを提供する唯一のオーディオストリーミングサービスとなる。

「Memberships」は今夏後半より展開予定の新ツールで、対象クリエイターがSpotify上で最も熱心なファンに直接サブスクリプションを提供できるもの。クリエイターはファンとの関係性を自ら管理し、サブスクライバーへの直接アクセスやプラットフォーム間でのデータのインポート・エクスポートも可能になる。あわせて、Spotify内で直接Personal Podcastsを作成できる機能も提供される。プロンプトを入力するだけで、世界の情報・リスニング傾向・追加コンテキストをもとに、短くパーソナライズされた完全プライベートな音声を生成する。
オーディオブック領域のアップデートとして、Audiobooks+は今年7月に年間経常収益1億ドルを達成する見込みであることが明らかにされた。ヘビーリーダー向けの追加課金や、ファミリー・学生プランも近日ローンチ予定。さらに「Spotify for Authors」は10の新たな言語に拡大し、6月初旬にベータ版として提供開始されるオーディオブック制作ツールにより、自費出版の作家が独占契約なしでプラットフォーム内のデジタル音声生成を利用できるようになる。今夏にはオーディオブックへの「Prompted Playlists機能」も追加予定で、書籍における自然言語での発見が初めて可能になる。

「Studio by Spotify Labs」は、Personal Podcastsをさらに進化させる単独のデスクトップアプリ。毎日のニュースまとめなどのプライベートなパーソナライズ音声を生成し、Spotifyのライブラリに直接保存できる。20以上の国と地域のプレミアムユーザー向けに先行体験版として近日公開予定。Studioは音楽・ポッドキャスト・オーディオブックにわたるユーザーの好みを理解し、幅広い情報をもとに聴きたい音声コンテンツをより素早く見つける手助けをする。トピックのリサーチ、ウェブ検索、情報整理、日常ツールを使ったタスク実行など、ユーザーに代わってアクションを起こすことも選択できる。

Spotifyは事業成長についても共有し、2022年の前回Investor Day以降の進展として、為替中立ベースの売上高年平均成長率(CAGR)18%、売上総利益率32%、営業利益率の18%ポイント超の改善、2025年のフリーキャッシュフロー約30億ユーロを達成したことを伝えた。
■コメント
Gustav Söderström(Spotify Co-CEO)
優位性は、独自性・ダイナミクス・深いパーソナリティを持つものに汎用インテリジェンスを適用することから生まれます。結局のところ、Spotifyだけが持つユーザーの独自データ、いわゆる嗜好(taste)に行き着きます。そのため、私たちは汎用的な大規模言語モデルをトレーニングするのではなく、“Large Taste Model”と呼ぶモデルをトレーニングしています。
私たちは生成の時代に突入しています。体験はカタログから選ばれるだけでなく、ユーザー一人ひとりの嗜好・状況・ニーズに合わせて、リアルタイムで形成されるものになります。今日、パブリックとプライベートのコンテンツの両方に対応したメディアプレイヤーは存在しません。私たちは、Spotifyがその存在になると確信しています。
Alex Norström(Spotify Co-CEO)
約20年の経験から、成長はエンゲージメントとリテンションによってもたらされることを理解しています。私たちが目指しているのは、一時的な熱狂を生み出すことではありません。人々の生活のあらゆる場面に寄り添う存在になることです。音楽・ポッドキャスト・オーディオブックの3つすべてを利用しているユーザーは、ほぼ毎日Spotifyを利用しています。
私たちは、世界最大規模のサブスクリプションプラットフォームで、約3億人の有料会員を抱えています。解約率を最小限に抑えながら、有料会員数を拡大してきました。しかし、熱心に使ってくれている有料会員の中には、より充実した体験にさらに投資したいと考えている方も多くいます。以前から追加課金について話してきましたが、最初に実現したのは最大の事業領域である音楽ではなく、最も新しい事業領域であるオーディオブックでした。
■関連リンク
詳細レポート:https://spotifynewsroom.jp/2026-05-22/investor-day-recap2026/
























