GoProがシネマライン「MISSION 1」シリーズを発売する“狙い”とは 担当者に気になるポイントを聞いてみた

2026年5月20日、GoPro社は東京都内で同社のアクションカメラ『GoPro』の新製品「MISSION 1」シリーズのローンチイベントを開催した。
「MISSION 1」シリーズは、50MP 1インチセンサーと新開発のGP3プロセッサーを搭載し、8Kおよび4Kオープンゲート撮影に対応したGoProの新シリーズ。『MISSION 1 PRO』『MISSION 1 PRO ILS』『MISSION 1』の3モデルで構成され、用途や制作スタイルに応じて選択できる。
イベントには、グローバルマーケティングとデジタルコマースを担当するリック・ラウリー氏が登壇し、製品の紹介をおこなった。また後半には日本におけるSNSと広告マーケティングを担当するジャスティン・コーブ氏、映像監督の普光江新(ふこうえ あらた)氏らが登壇、製品の使用感などが語られた。
冒頭、登壇したラウリー氏は、製品のスペックについて「GoProがこれまで参入していなかったカテゴリーにおいても、真の競合製品として認識されるようになるだろう」と自信をのぞかせた。
本製品に新たに搭載された50MP 1インチセンサーは、低照度環境での撮影やダイナミックレンジを重視した映像制作に配慮した仕様。あわせて、新開発のGP3プロセッサーにより、高解像度撮影、長時間撮影、熱設計、画像処理性能の向上を図っている。960FPSの32倍スローモーションなど、アクションカメラとしての性能についても相変わらずだ。
シリーズの目玉となるのは、『MISSION 1 PRO ILS』だろう。同モデルは『MISSION 1 PRO』と同じセンサーを搭載しつつ、「マイクロフォーサーズ(MFT)」レンズに対応した交換レンズ式モデル。発売は秋頃を予定している。

今回筆者は、ラウリー氏に個別取材を行うことができたので、いくつか気になるポイントを聞いてみた。
まず一つ目は、なぜいまシネマラインに参入を決めたのか、ということだ。
昨今の「ビデオ撮影」や「映像撮影」について考えてみると、プロユースでは各社のフルサイズカメラ機やシネマラインが利用されており、反対にライトユーザーではiPhoneをはじめ、スマートフォンで済ませてしまう人が圧倒的に多いだろう。こうした中で、アクションカメラとして独自のポジションを築いていたGoProが、ややニッチにも思えるシネマ市場に参入する狙いとはなんだろうか。
この点について、ラウリー氏は「たしかに、『MISSION 1』は特殊なツールではあります。ただ、コンパクトさとプロレベルのスペックの両立を実現したことに意味があります。GoProの製品ラインナップにおける“多様化”がこれで完成しました」と話してくれた。
同社の現行ラインナップでいえば、一番スタンダードな『HERO13 BLACK』、エントリー向けの『LIT HERO』、360度撮影に対応した『MAX2』、そして今回の『MISSION 1』がシネマカメラとして加わる形だ。ラウリー氏は、「ユーザーが『GoPro』で何かを撮影したいと思ったときにあらゆるニーズに答えられる選択肢が、これでようやく整った」とも口にした。
「アクションカメラ」というジャンルを飛び越えて、映像撮影をおこなうありとあらゆるシーンで『GoPro』に活躍してほしい、という思い・狙いがこのやり取りから伝わってきた。「MISSION1」に関しても、既存のシネマカメラと競合するのではなく、繊細な機材では対応できないような撮影、かつ高い映像品質を求められる場所で「ひとつの選択肢」として使ってもらうことを想定しているとのことだ。
くわえて、プロ向けに作られているものの、これからクリエイターを目指す人や、映像制作にチャレンジしたいと考えるホビー層には「魅力的な価格で手に入るシネマ品質のカメラ」として選択肢に入れてほしいとも。確かに、手ブレ補正の性能は言わずもがなで、1インチセンサーの搭載とコンパクトさ、タイムラプスやスローモーションといった特殊撮影にも対応していることを考えると、悪くない選択肢になりそうだ。
マイクロフォーサーズ(MFTレンズ)に対応した『MISSION 1 ILS』についても、気になる点があったので質問をぶつけてみた。まず、同モデルにはレンズとカメラを同期させるための「電子接点」が搭載されておらず、基本的にはマニュアルフォーカスで運用することとなる。そのため、使えるレンズの種類が限られてしまい、SNSなどでは“がっかりポイント”とも言われていた。
今後の電子接点の対応に関しては「社内でも活発に議論を進めている」とのことで、「まずは今回の仕様でILSを世に送り出し、ユーザーの皆さまからのフィードバックを受けて、次のステップをどうするか決めていきたい」と教えてくれた。これは単に「売れ行きがよければやる」という話でもないようで、現状の仕様でも「我々が想定している販売目標自体は問題無く達成できるだろう」と話す。そして、だからこそ電子接点の今後には「ユーザーの皆さまからのフィードバックが一番重要視される」と教えてくれた。
シネマティックな映像制作にチャレンジするならば、8K24FPS以上が撮影できて、ジンバルもある程度は不要(もしくは3万円程度で高性能な純正が購入できる)ということで、「MISSION 1」シリーズはよい選択肢になるだろう。気になる方はチェックしてみてほしい。
■製品情報
『MISSION 1 PRO』
発売時期:2026年5月28日より順次販売開始予定
価格:122,600円(メーカー希望小売価格)
主な仕様:50MP 1インチセンサー搭載、8K60 / 4K240 / 1080p960対応、8K30・4K120オープンゲート撮影対応
『MISSION 1 PRO ILS』
発売時期:2026年秋頃発売予定
価格:122,600円(メーカー希望小売価格)
主な仕様:MFTレンズ対応の交換レンズ式モデル、MISSION 1 PROと同系統センサー搭載
『MISSION 1』
発売時期:2026年5月28日より順次販売開始予定
価格:105,400円(メーカー希望小売価格)
主な仕様:8K30 / 4K120 / 1080p240対応、4K120オープンゲート撮影対応
※上記のほか、Grip Edition、Creator Edition、アクセサリー製品群も展開予定。




























