渡辺翔太「メンバーと仲良くやることが一番」 “Snow Manのため”の共通認識で掴んだトップアイドルの地位

 5月3日、Snow Manが結成14周年を迎えた。2012年、6人(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介)でスタートした同グループは、2019年1月の新メンバー加入(向井康二、目黒蓮、ラウール)を経て、2020年1月に『D.D. / Imitation Rain』でCDデビュー。同作は発売から3日でミリオンセールスを達成し、以降の作品でもミリオン超えを連発。2025年の「オリコン年間ランキング」で、アーティスト別セールス部門(トータル)において2年連続・3度目の1位を獲得するなど、日本を代表するトップアイドルグループとしての地位を確立した。しかし、そこに至るまでの過程には、長い下積みとさまざまな葛藤があった。

「入ってきた3人を守らないと」(渡辺翔太)「自分を選んでくれたことを正解に」(目黒蓮)

 オリジナルメンバーには、15年の下積み経験がある者もいる。そんななか、2019年に加入したラウールは当時まだ15歳。キャリアも年齢も大きく異なるメンバーが同じグループになるという構図に、戸惑いを覚えた人も少なくはなかった。きっと、メンバーたち自身も手探りのなかで、グループの在り方を模索していったのだろう。

 6人は「既存のグループが好きだった」と思うファンのケアをしつつ、新しく加入した3人のことも守らなければならない。そして、加入メンバーにはアクロバティックな動きと際立って高いダンススキルを武器とするSnow Manのパフォーマンスに追いつかなければならないという“使命”がある。

 2024年に配信された、timeleszの新メンバーを探すオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)の「special episode -覚悟-」の中で、そんな当時のことを渡辺翔太が振り返っていたとき、わたしはなぜかウルっときてしまった。きっと、“あの頃”は簡単には言葉にできるような状況ではなかったはずだ。それでも時を経て、ようやく過去の葛藤として語れるようになったという事実に、彼らが乗り越えてきたものの大きさを感じずにはいられなかった。

 この動画内で、オリジナルメンバーの渡辺は「自分が叩かれてもいいから、入ってきた3人を守らないといけない」「入ってきてくれた恩もある」と話していた。一方で、加入組の目黒蓮は「加入メンバーがいなくても、元あるグループは完璧」「メンバーのために、グループのために戦うと決めた人たちが自分を選んでくれたことを、ぜひ正解にしてほしい」と、オーディション参加者にメッセージを送った。 

[012]仲間探しオーディション【timelesz project -AUDITION-】special episode -覚悟-《目黒蓮からの手紙 NO CUT ver.》

 お互いに相手の立場や覚悟を理解し、その上で“グループのために”と同じ方向を向いてきたからこそ、Snow Manは“9人”での形をたしかなものとして築き上げることができたのだろう。「メンバーと仲良くやることが一番。それが多分一番ファンの人が求めているもの」と渡辺は言っていた。この言葉のとおり、Snow Manは数あるアイドルグループのなかでも、随一の仲の良さを感じさせる存在となった。

 冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)を見ていても、「ああ、仲が良いな」とほっこりする。最年長の深澤と最年少のラウールの年の差は、11歳。それにもかかわらず、仲良し兄弟のようなじゃれ合いが自然に成立しているのがすごい。それもこれも、年長のメンバーが場の空気をやわらかく整え、年下メンバーが勇気を出して一歩踏み出したからこそだと思う。

ラウール「『運だけで……』っていう感じではない」の言葉に表れた強い“自負”

 このコラムを書くにあたって、2020年12月から2021年1月にかけて放送された『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』Season3のエピソード9-12(フジテレビ系)をあらためて見返してみた。彼らはデビュー年にコロナ禍が重なり、海外公演も含むデビューツアーが中止になるなど、本来ならば“スタートダッシュ”となるはずだった機会を失っている。それでも、「そこをぶち壊せないようじゃ、デビューしても負けてしまう」(宮舘涼太)と自粛中でもできる努力を重ねた。

 Snow Manは、9人それぞれが過酷な状況を乗り越えてきたメンバーだ。オリジナルメンバーは、後輩にデビューを先越されるなかで、夢を見続けても良いのか? という葛藤と向き合い続けてきた。それでも、「このメンバーに会ったから、(事務所を)辞めなかった」と深澤は語る。

 関西から上京した向井は、環境の変化に戸惑うこともあっただろう。それでも、グループを活気づけるためにいつでも明るく振る舞ってきた。もともと所属していたグループを脱退して、Snow Manに賭けることを決めた目黒には、並々ならぬ覚悟がある。ひとつの居場所を離れ、新たな環境に身を置くというのは簡単なものではない。

Snow Man「RIDE ON TIME」Episode3 1月8日(金)25:05〜

 そして、ラウール。『RIDE ON TIME』で、「死ぬ直前にも、『めっちゃ運良かったな』って思うと思うんですけど、『自分なんか運だけで……』っていう感じではないですね」と言っていた姿が印象的だった。その言葉からは、若くして得た大きなチャンスを、自力でものにしてきたという強い自負が感じられる。

 Snow Manがコロナ禍にリリースした楽曲「ナミダの海を越えて行け」には、〈あぁ しょっぱいぜ! ナミダの海越えて 無理難題な夢をまた見ような〉という歌詞がある。数々の夢を勝ち取ってきたSnow Manが、次に見る夢はいったいどんなものだろう。その先にどんな景色が待っているのかを見届けたいと思わせる力が、今の彼らにはある。

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