STARTO ENTERTAINMENT本格始動から丸2年――合同コン『WE ARE!』ビハインド映像から振り返る“変化”

 2024年4月10日にSTARTO ENTERTAINMENTが本格始動してから丸2年を迎えた。同じ日に東京で、そしてその1カ月後に大阪で開催されたのが、総勢14組75名のタレントが一堂に会したコンサート『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』(以下、WE ARE!)である。

 あれから2年――。昨年末にはこの『WE ARE!』以来となる合同コンサートかつ、STARTO社となってからは初のカウントダウンコンサートである『STARTO to MOVE』も行われた。

 タレントたちを取り巻く環境は近年、大きく変わったが、STARTO本格始動後もさまざまな変化が起きている。それを振り返る意味でも、今あらためてNetflixで配信されている『WE ARE!』のメイキングともいえるドキュメンタリー『Behind the WE ARE!』(以下、ビハインド)を見ていきたい。

SUPER EIGHT 安田章大「ギフトをもらった」ファンへの感謝を口に

WE ARE! Let’s get the party STARTO!! - 予告編 - Netflix

 STARTO始動のタイミングとあって、タレントたちが皆、「うちの会社」「この事務所」「ファミリー」といった呼び方をするのが、どこかぎこちない。2年が経った現在もこういった表現をするタレントは多いが、この時期はまだ呼び方に慣れておらず、今に比べてもより言葉を選んでいる感が強い。

 言葉を選びながら踏み込んだ語りをしたのは、SUPER EIGHTの安田章大だ。「包み隠さずはっきりと言うけれど……」と切り出した安田は、「いろんなことが解決ももちろんまだしてないし、だけどそれでも傍にいてくれたみんな(ファン)っていうのが、とてつもない僕たちの……支えですね」として「ギフトをもらった」と表現。好きでい続けてくれているということに愛情を感じると、丁寧に言葉を連ねた。

 タレントたちはどんな想いを抱えているのだろう――多くのファンが心配していただろうが、そんな思いを吹き飛ばすかのように、Snow Man 向井康二が「STARTO」と書かれたTシャツを着て明るくカメラにアピール。嵐 松本潤が「なんだそのTシャツ」とイジる流れは微笑ましい。まだ社名も馴染んでいなかった頃の最初の“STARTOイジり”と言ってもいい瞬間であり、明るい光が差し込んだようでもあった。

嵐のライブは「200%完ぺき」――演出・松本潤に後輩たちから熱い信頼

 当時、グループ活動を休止していた松本がその場にいるのは、出演ではなく演出のためだ。嵐のコンサートはもちろん、『Johnny's Festival ~Thank you 2021 Hello 2022~』(以下、ジャニフェス)など、事務所の合同コンサートの演出も担当していた松本。『WE ARE!』でもSUPER EIGHTの大倉忠義とともに演出を手がけた。そして、このコンサートを最後に独立している。

 このビハインドの中では、直接のインタビューはないものの、松本が演出している様子が、声や背中越しといった形で度々登場。「踊りをどこ一番見せたい?」とKing & Prince 髙橋海人に確認するなど、タレントたちと対話しつつ、本人たちの意向を組みながらアドバイスをしていく。そして、多くの後輩たちがその姿に感銘を受けている様子だ。

 75名にも及ぶ出演者たちのそれぞれの見せ方を考えるわけだが、Travis Japan 川島如恵留は自分たちのグループもオンラインでミーティングを組んでもらったことに感謝しながら、他のグループとも話をしていたであろうことを踏まえ、“全部のグループのいいところを引き出しながら、他と被らないようにする難しさ”を語っていた。

 また、WEST. 藤井流星は、嵐のライブは、桜の花びらの落ち方の絶妙なスピードなど細かいところまで決めるイメージがある「200%完ぺき」なものと表現しつつ、今回は「ある意味決めすぎずに、グループの個性を大事にしてくれている」と、演出の仕方の違いを説明。自分に経験があるからといって後輩の意見を聞かずに従わせるようなトップダウンの演出ではないということだろう。

 Snow Man 渡辺翔太も、嵐そして松本個人に「ドームとかいろんな会場でのライブの作り方を多分一番知っている」「いろんな会場でいろんな公演の演出とかライブづくりをしてきた人」と厚い信頼を寄せ、「アドバイスに説得力を感じます」とコメント。ステージングのみならず、客席を煽るときの言葉の声色による伝わり方の違いなどもアドバイスをもらったといい、「長年やってきてる人の培ってるものは違う」と感嘆の声を漏らした。

 なお、松本は、2025年に行われたSnow Man初のスタジアムツアー『Snow Man 1st Stadium Live〜Snow World〜』で、「アドバイスをいただきたい」というメンバーの直談判により演出の監修を担当している。『ジャニフェス』『WE ARE!』での熱心な指導が、後輩たちの向上心を引き上げたことは間違いない。このように、退所したタレントと現役のタレントが私的なものではなく、仕事として関わりを維持する動きは、STARTO社になってから顕著に見られる。双方のファンにとっては、うれしい変化のひとつでもあるだろう。

『WE ARE!』で確立された、King & Princeの“強さ”

Voices of STARTO #2 - 2024.04.10 LIVE@Tokyo Dome

 変化の後という意味では、King & Princeとtimeleszの2組にも注目したい。King & Princeはこの時点で、2名体制になって約1年というタイミングだった。さらに、大阪公演では永瀬廉が耳の怪我により急きょ出演を見合わせるアクシデントも。

 結果、髙橋はひとりで4枚目シングル「koi-wazurai」(2019年8月発売)を披露することになったが、彼へのエールで自然発生的に客席のペンライトの色が彼のメンバーカラーである黄色で埋め尽くされた。髙橋が「素敵な景色をありがとうございます!」と応じる場面は感動的だ。

 当時、5人で歌っていた曲をひとりで披露したことに一抹の寂しさを感じた観客もいたことだろう。2人体制になってからリリースした曲もまだ少ない状況だったがゆえの選曲でもあったかもしれない。だが、その後も精力的な活動を続け、今や2人のKing & Princeの形を確立。シングルのみならずアルバム曲までも、多くの人が知る曲が増えている。『カウコン』など他グループのファンがいる場でも、歌う曲に困らない、むしろありすぎてどれを選ぶべきか困るような状況になっていると言っていいだろう。

timelesz、3人体制から8人体制へ――ブレイク前夜の貴重映像

WE ARE! Let’s get the party STARTO!! - ダイジェスト映像 - Netflix

 また、『WE ARE!』の開催は、同年3月末をもってSexy Zoneから中島健人が脱退し、timeleszへと改名した直後でもあった。中島はコンサートに不参加だったため、親友のWEST. 重岡大毅が「健人も会いたかったね」と、もう1人の親友・Snow Man 岩本照に語りかけ、中島の場所を空けて2人で記念撮影。「timeleszも頑張ってるし、健人も頑張ってるし」と、明るく語る気遣いをみせる。

 ちなみにtimeleszは菊池風磨と松島聡のみ参加。佐藤勝利は舞台『Endless SHOCK』の公演期間中だったため、映像のみの出演となった。当時、『timelesz project』と銘打った新メンバー募集オーディションの開催こそ発表されていたものの、その後8人体制となり、佐藤と共に『SHOCK』に参加していた寺西拓人がメンバーに加わろうとは、多くの人が予想できなかったはず。移行期であり、ブレイク前夜のtimeleszの記録としても、今や貴重な映像に感じられる。

 オーディションの最終審査の課題曲となった18枚目シングル「RUN」(2020年8月発売)は、『WE ARE!』ではtimelesz の2人に加え、NEWS、Hey! Say! JUMP、A.B.C-Zが共に披露。4グループ全てが、デビュー後にメンバーが減るという経験を経たグループだ。Hey! Say! JUMP 山田涼介は「歌詞をちゃんと見て歌うとメッセージ性の強い曲でいい曲」と曲の良さについてもコメントしていた。

 2018年11月から約1年9カ月間芸能活動を休止していた松島が復帰後初出演した音楽特番『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)でパフォーマンスしたこの楽曲。当時はメンバー5人の再出発を後押しする曲としてファンに愛されていたが、『WE ARE!』で披露されたのは、自分たちのファンだけでなく、他グループのファン、そして事務所のタレントたちにもtimeleszとして新たなスタートを切る“決意”や“覚悟”を伝える意図があったのかもしれない。

 もちろん、timelesz以外のグループにもこの2年で変化が見られた。KAT-TUNは解散し、亀梨和也は独立。Hey! Say! JUMPからは中島裕翔が、Aぇ! groupからは草間リチャード敬太が脱退した。

 亀梨が「なかなかホントにこういう機会ないですから。極端に、一秒一秒じゃないけど噛み締めながら過ごしたいと思いますね。当たり前でもないと思いますし」と語っているのを今見ると、なんだか切なくも聞こえる。

 また、この『WE ARE!』には参加していても、SUPER EIGHTやWEST.のように、昨年の『カウコン』には参加していない(※WEST.は単独でカウンドダウンコンサートを開催)グループもいる。

 当たり前ではない――。その言葉を噛み締めながら、もしまた次回、事務所のタレントたちが一同に会する機会があるのなら、その機会に感謝しつつ、良い変化がもたらされていることを願いたい。

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