『今日好き』成立カップルの共通点は? 2025年度の6組に見られた”大きな変化”の理由を考える

カップル成立の“決め手”は、女子側からのリード? 価値観に変化か

 そして、“大きな転換”を構成するもうひとつの要因として、カップルたちの“決め手”となったハイライトをいくつか思い出していきたい。“かなりの”の成立を決定づけたのは、“どすこいゲーム”。それぞれが立てた親指の数と同じ文字数かつ、指定された文字から始まる単語を早く言った方が勝ちというルールで、りのん(“相塲”の方)は「す、好き!」「ら、ラブ!」と、かなとへの愛の言葉を連呼。あまりのストレートさに、かなとの心は完全に引き寄せられた。

 “きんりの”の場合は、りのん(“多田”の方)が旅の最終日に用意してきた“きんごくん専用花くじ”。この花くじは最終日前日にも登場したわけだが、その時点ではいわゆる“質問箱”的なものだったものの、そこからバージョンアップしたくじに書かれていたのは、「りのんを選んでくれたら絶対幸せにします♡」。あの瞬間、きんごは「りのんちゃんしかいない」と決意を固めるに至った。この質問箱アプローチは『卒業編2026』にてねねも編み出し、目に見える成果を残していただけに、かなり有効な手段と伺える。

 そのほか“ゆたひな”は、シャイなゆうたに対する、ひなたの「本当に目、合わせてくれないから、もっと合わせてください!」といった、冗談混じりながら相手の行動を“待って”引き出すコミュニケーション。“しゅんゆま”の場合は、もはやカップル成立がほぼ確定な状態ながら、自身の告白に対して「はい! しゅんくん、言って! 叫ぶ!」と返事を煽るなど……なんだか、女子側からの明確なリードが多くはないだろうか?

 そう、大切なのはここである。恋愛において、なんだかんだで女子は“される側”ーー手繋ぎも男子にリードされたいし、告白だって楽しみに待っていたい。そんな価値観が、いまの高校生たちが生まれる前からずっと根付いてきたと思う(ちなみに2025年度、男子からの告白は8回中3回に留まった)。

(C)AbemaTV,Inc.

 だが、昨今の『今日好き』では、なにを考えているのかわからない男子を引っ張るサバサバ女子だったり、あるいは普段は気弱ながら、ここぞの場面で先輩らしく振る舞う年上女子だったり。むしろ、女子も頑張り、男子の気持ちを引き上げる恋愛が当たり前になってきたように映る。りのん(“多田”の方)が告白の場面で伝えた「絶対に、きんちゃん(きんご)を幸せにします」という言葉。あれこそ『今日好き』が迎えた“大きな転換期”を、なによりも象徴しているのではないだろうか。

 こうした価値観の変化は『今日好き』を通して、リアルな高校生たちの恋愛にも影響を及ぼしている可能性すらあるのではないか。ともあれ筆者はすでに彼らとひと回り以上も年齢が離れているため、残念ながら確認する術を持ち合わせていないのだが、我々が持っている“恋愛は男子が主導すべき”という考え方は、今や古い感覚なのかもしれない。

 以上が、2025年度の『今日好き』成立カップルから考える傾向分析、そこから進んで番組全体が迎えた“大きな転換期”への考察だ。台本はないけれど、ドラマはある。記念すべき10周年イヤーなだけあって、今年度も間違いなく大きな変化は起こるに違いない。だが、『今日好き』は視聴者を裏切らない。なにが変わろうと、この一点だけは絶対に揺らがない。だからこそ、我々は今年も画面の前で、勝手に“見届け人”の役目を全うしようとするのだ。

(※)2025年9月8日~9月14日の1週間のうち、『今日、好きになりました。夏休み編2025』を視聴した人数(被り含まず)。これまでに放送した特番を除く、シリーズ放送を行っている番組において最高視聴者数を記録。

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