ぶいすぽっ!メンバーらによる“真剣勝負”が生んだドラマを振り返る 『VSPO! SHOWDOWN 2026』Day2観戦レポート

五輪メダリストをも本気にさせた「熱量」が会場にも伝わる

 2戦目から3戦目の合間に取られた束の間のトイレ休憩タイム、会場内およびごった返した通路では、「ついにぶいすぽっ!メンバーがやったんだ!」という興奮が広まっていた。

 サッカーでいえば、前半をリードしていたり点差を詰めた状態でハーフタイムを迎えた時の、「これはイケる!」という追い上げムードに近い。またこれは重要な点だが、ぶいすぽっ!というVTuberプロダクションのイベントでありながら、eスポーツイベントとして楽しもうというファンがこの2日目には比較的多いように感じられた。

 ぶいすぽっ!チームがナイスプレイをしたときと同じように、相手チームが良いプレーや局面を打開したときには惜しみない拍手が送られていたのがその証左である。好きなチームやファンとしてのめり込みつつ、スポーツの展開としてあるべきプレイやスーパープレイに拍手や歓声が湧く。まさしくスポーツ観戦らしさを感じられるムードが、この2日目には出来上がっていた。

 そんな中で迎えた第3種目『STREET FIGHTER 6』では神成きゅぴ、甘結もかの2人が登場。対戦相手には3つの五輪メダルを保持するプロフィギュアスケーターの宇野昌磨、ストリーマーからプロ格闘ゲーマーへと成長した高木が2人を迎え撃つことに。神成きゅぴが宇野と、甘結もかが高木とそれぞれ対戦する形式で、3本先取を2巡するという形で行われた。

 神成は一年前に開催された『VSPO! SHOWDOWN powered by RAGE』にはFPSゲームに出場し、本人もこれまでFPSゲームを中心にプレイしていたのだが、その後に行われた『STREET FIGHTER 6』を観戦した際に大いに感化され、同作品をプレイするようになった。

 すっかりのめり込んだ神成は配信内外でもプレイするようになり、2025年末ごろにはマスターランクに到達。今回の大会では『STREET FIGHTER 6』のメンバーとして出場することとなった。わずか1年と経たずにマスターランクまで到達してしまうあたりに彼女のゲームセンスの高さを感じられる。

 対する宇野は、ステージに現れた際のコメントとしてこのような言葉を発していた。

「この大会に向けてお話をいただいたときは、正直、結構勝てるのではないかなと思っていました」
「ただ、この大会に向けて、スト6部門だけではなく全員が一生懸命努力する姿に、これはゲーム、そしてイベントの垣根を越えてスポーツだなと、すごく痛感しました」
「まずはこの大会に出させてもらえることにとても嬉しく思いますし、すごい対戦相手が一生懸命頑張っている姿を見て、僕もガチで詰めて仕上げてきました」

 この発言は何もこの場におけるリップサービスではなく、数日前にコーチの立川とともに練習している際にも同じ趣旨の言葉を発している。ぶいすぽっ!側の本気で練習に取り組む姿が、超一流アスリートの認識を変えたわけだ。

【スト6】立川コーチによる追い込み修行 / 明日はついにVSPO! SHOWDOWN本番【宇野昌磨】
VSPO! SHOWDOWNの最終調整!!神成きゅぴさんと戦う宇野さんに、長期戦のコツを伝授する立川【宇野昌磨/ヴァイパー/スト6】【立川/CR/切り抜き】

 ちなみに、「宇野昌磨がゲームイベントへ出演する」という字面や状況に違和感を覚える方がまだまだ多いかと思うが、「3歳ぐらいから、父親がゲームをしている姿をずっと見ていた」と答えている。

 ほかにもフィギュアスケートで研鑽を積んでいるあいだにさまざまなゲームをプレイし、「才能はないですけど、スケートより努力しているかもしれない」と答えていたほど。

【スマブラSP】宇野昌磨はどれくらいスマブラ強いのか?
宇野昌磨さんの事を何も知らないままコーチング企画を受けたら、オリンピックのメダリストだと知り驚愕する立川【宇野昌磨/フィギュアスケート】【立川/CR/スト6】

 そんな宇野は、2025年から『STREET FIGHTER 6』をプレイするようになり、自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿。それに合わせてストリーマーやプロ選手たちと交流を深めていくようになり、徐々にその存在感を増していった。今後はVTuberやストリーマーらがコラボする対戦会にひょっこりと顔を出す可能性もありそうだ。

 神成と宇野の対戦は、一巡目が2-3、二巡目が0-3で宇野が2勝した。1万人規模の大歓声に、両者とも緊張感が高まっていたが、最後は大舞台慣れしている宇野が冷静なプレイングを見せた格好だ。

 一方、甘結対高木の一戦は、一巡目3-2で甘結が、二巡目0-3で高木がセットを奪い合い、1-1の引き分けとなった。

 実際の対戦では、神成と宇野の試合が超近距離での打撃とガードで攻防する様相になっていたのに対し、この対戦では中距離の射程ギリギリで打撃技を引っ掛け合うような構図でスタート。二巡目にはガラッと戦い方を変えた高木が押し切るという内容で、緊張感に満ちた一戦かつ大会最後の対戦を締めた。

 甘結が使用する豪鬼、高木が使用するブランカはともに、直前の新キャラ導入に伴って施されたキャラクター調整によって大幅なアップデートが加えられたキャラクターで、下馬評ではそれによって生まれた変化がプレイングに影響するのではと言われていた。

 実際には、アップデートで差が生まれたというよりも、巡目を変えて変化した戦い方にアジャストできるかというシンプルな駆け引きで差が生まれたように見え、これには“さすがプロプレイヤー”といった賞賛のコメントが配信およびSNSで多く見られた。

 昨年にはプロプレイヤーである立川を打倒した甘結だったが、2年連続の大物食いとはならず。とはいえ1勝1敗のタイで終えたことに、こちらにも大きな称賛が集まっていた。

関連記事