松本潤「この5人最高」嵐のNetflixドキュメンタリーを見て感じた、“多くを語らない”からこそ響くファンファーストの姿勢

  全国5都市をめぐる嵐のラストツアー『ARASHI LIVE TOUR 2026 「We are ARASHI」』が、3月13日の北海道・大和ハウス プレミストドーム公演から開幕した。

 今回の再始動にあたり、メンバーは基本的にグループの公式SNSやファンクラブ内コンテンツのみで発信を行っており、5人揃った状態でのテレビ出演の機会は現状ない。グループ活動を終える5月31日に向かって、全15公演のドームツアーが幕を開けた今、彼らはいったいどんな心境なのか――。

 それを推察するべく、この記事では2020年から22年2月にかけて公開されたNetflixのドキュメンタリーシリーズ『ARASHI's Diary -Voyage-』の内容を今一度振り返りたい。

櫻井翔、グループ活動休止時に語っていた「寂しい」の本音

 彼らが「グループ活動終了」という大きな決断に至った背景や、気持ちが揺れ動くリアルな姿を全24回にわたって映し出している同ドキュメンタリーだが、シリーズ終盤の3回は、活動休止前最後のライブとなった2020年大みそか開催の『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』に向かう彼らに密着。

『ARASHI’s Diary -Voyage-』 第22話 予告編 - Netflix

 メンバー5人全員がライブへの想いをそれぞれ吐露しているが、共通しているのは、何かを「言い切る」ことをしないという点だ。言葉を選びに選んで、「活動休止」といったわかりやすい言葉を使わない。ライブ前の発言を具体的に見てみよう。

「自分の感情がどう動くのかもまったくわかんないね。まぁ、わかるわけないよね。20年の最後だもんね。そりゃわかんないよね。もうわかんないままでいいと思うしね」(大野智)

「俺らは一番嵐ファンなわけじゃん? メンバーが一番嵐のファンなわけじゃん? そのメンバーの1人の僕の気持ちからするとさ……『楽しみだね』『ライブ頑張ろうね』っていうだけじゃないっていうかさ(中略)いろんな感情が入り混じってるから……なんかひとつ『こう思います』っていうのがなかなか出てこない」(相葉雅紀)

「何度も何度も話し合って、自分たちで決めたことだから……『寂しい』とか『悲しい』とか言う権利はないと思っていたんだけど(中略)あえて伝えると、まぁ寂しいよ」(櫻井翔)

 といったように、大野と相葉は自分の感情をひとつの言葉に集約させない。あえてわかりやすく「寂しい」という本音を漏らした櫻井も、その言葉を発するためにファンのことを慮りながら、丁寧に丁寧に注釈をつけていく。

 1999年9月にハワイ・ホノルル沖の豪華客船にて記者会見を行い、「A・RA・SHI」でCDデビューしてから約20年。さまざまな活動を経て休止前最後のライブに向かう心情は、当然ながら一言で表せるものではないだろう。

『ARASHI’s Diary -Voyage-』 第23話 予告編 - Netflix

メンバーが活動休止前に見せていた、嵐への自信とファンへの想い

 ただ、根底に言葉にできない複雑な想いを抱えていたであろう彼らの言葉から共通して感じ取れるものがある。

「複雑な感情として、こう波のように押し寄せてくるんだよね……。でもその瞬間に思うのって、『この5人最高だな』ってことで」(松本潤)

「まあね、俺たちの気持ちも大事だけど、やっぱりこう見てる人たちの気持ちっていうのがどうなっているのかなっていう……。まぁ“心配”じゃないけど、なんかそういうのを考える時間はあるけども。俺らは……あんまり自分のことはそんなに考えてなかったかな」(二宮和也)

 松本潤の発言から垣間見えるのは、ライブの完成度に対する自信だけではなく「嵐」というグループへの揺るぎない自信や誇り、そして前述の相葉の発言を思い出すようなメンバー愛。自分たちよりもファンの気持ちを気にかけていたという二宮和也も、櫻井と同じく“ファンファースト”な姿勢を見せつつ、自らの思いを「心配」という言葉に集約しないで濁している。

 嵐への自信とファンへの想い……大事なことをはっきりさせながら、慎重に言葉を紡いだ彼ら。視聴者は、いかに5人が嵐というグループとファンを大切に思ってきたかを、それぞれの表情や言葉の溜め、逡巡する様子などから感じ取ることができるだろう。

 なお、ドキュメンタリーは、「The Music Never Ends」(2020年11月発売のアルバム『This is 嵐』収録)をバックミュージックに、これまでの活動を振り返るダイジェスト映像を差し込みつつ、松本の「We are 嵐!」の掛け声でライブが始まるところで終了。ライブを終えた本人たちのコメントなどはなかった。

『ARASHI’s Diary -Voyage-』 第24話 予告編 - Netflix

 特に、その後芸能活動を休止していた大野については、ライブの感想などを表で語る機会がなかっただけに、「わからない」と言っていた感情がどう動いたのか、当時の心情が気になる人も多いかもしれない。

 2020年の活動休止のときと比べても、“本当の最後”となる5月31日の東京ドーム公演に向かう彼らの想いは、表に出ている量としては少ない。だが、もちろんそれは想いが弱いということではなく、むしろ、さまざまな葛藤を抱えながら臨んだ『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』以上の覚悟を持って、ファンのために5年以上ぶりに5人揃ってステージに帰ってくるはず。

 ツアー初日となる北海道・大和ハウスプレミストドーム公演で、果たしてどんなパフォーマンスを見せてくれるのか――きっと多くは語らずとも、その姿から背景にある膨大な想いを感じ取れるだろう。

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