“AIと遊ぶ”時代が来た? 『SpaceMolt』『サーガ&シーカー』などゲーム業界に変革をもたらす注目作を紹介
ゲーム業界でも何かと議論されているAI技術の活用方法。しばしばその利用をめぐって批判的な意見が飛び交っているが、上手く付き合っていけば“遊び”の可能性をさらに広げることができそうだ。実際に近頃ではAIを活用したゲームがいくつも生み出され、話題を呼んでいる。
人間は“監督役”に……AIがプレイするMMORPG『SpaceMolt』の衝撃
たとえば先日公開された『SpaceMolt』というゲームは、その斬新すぎるコンセプトが世のゲーマーに衝撃を与えた。同作は宇宙を舞台としたMMORPGなのだが、開発プロセスにAIを使用していることが公言されている。そしてそれだけでなく、ゲームに参加するプレイヤーもAIなのだ。
このゲームをプレイする“人間”のプレイヤーは、あくまで観測者か、ないしは指示役といった立ち位置。つまり人間のプレイヤーがおおまかな指示を出し、採掘や戦闘といった具体的なゲーム内行動はAIが行うことになる。
一見するとAIで作られたAIのためのゲームなので、SNSなどでは「ディストピア感がある……」といった声も上がっているが、人間がAIのエージェントの監督役として参加するというコンセプトはシミュレーションゲームとして斬新だ。将来的にはアイドルのプロデューサーになる育成シミュレーションや、サッカーチームの監督になるスポーツゲームなど、さまざまなジャンルに応用できるかもしれない。
AIが音声まで模倣する協力型サバイバル『MIMESIS』
このようにAI技術は、新たな“遊び”を創出してくれるポテンシャルがある。『SpaceMolt』以外でいえば、韓国のゲームメーカー・KRAFTONが世に送り出した『MIMESIS』は、協力型サバイバルゲームというコンセプトをAI技術でさらに面白いものにした作品だった。
同作は最大4人で協力してマップを探索し、物資を探していくサバイバルホラー。しかしその道中では、参加プレイヤーの音声や行動を模倣したAIが敵として紛れ込んでくる。つまりVC(ボイスチャット)を通して友人たちと連携していたとしても、その相手が本物の友人なのかAIなのか疑わなければならないということだ。
敵も成長し、物語もAIが紡ぐ
また2022年に発売されたステルスホラーゲーム『Hello Neighbor 2』は、プレイヤーを追いかけてくる“おじさん”の行動にAIを活用。このゲームを遊ぶ各プレイヤーの行動を学習し、それによって行動を変えるという自己学習AIが使用されている。今の時代は人間のプレイヤーだけでなく、敵対するNPCも成長するのだ。
そして2月27日にリリースが予定されている『サーガ&シーカー』というゲームは、文章生成AIを利用した物語錬成ゲーム。TRPGのようにテキストで進行していくRPGで、ゲームマスター(GM)をAIが担当してくれるといったゲームだ。
たった2週間で3億5000万字もの“プレイヤーの物語”が 文字だけRPG『サーガ&シーカー』クローズドβの結果発表
ダグドリア スタジオは文字だけRPG『サーガ&シーカー』のクローズドβテストの結果を発表し、第二回クローズドβテストの実施も決定…かなり突飛なキャラやストーリー展開をむちゃ振りしても、上手く進行を行ってくれるようで、先行して行われたクローズドβテストの反応は良好。AIを利用した新しい時代のごっこ遊びとして、人気を博すかもしれない。
まだまだAIの時代は始まったばかり。問題点も色々とあるものの、この技術が生み出す未来は想像もつかないような可能性に満ちている。ゲーム業界にどんな変革をもたらすのか、今後も注視していきたい。