『シャドバWB』1億円の賞金を手にした初の世界王者が決定 使い道は「あまり決まっていません」

 ついに『Shadowverse: Worlds Beyond』(シャドバWB)の初代王者が決まる。

 2025年12月28日、パシフィコ横浜にて、優勝賞金1億円をかけた『Shadowverse World Grand Prix 2025(以下、シャドバWGP 2025)』のGrand Finalsが開催された。

 世界中の予選を勝ち抜いた8名の戦いの結末、決勝レポートと優勝者へのインタビューをお届けする。

『Shadowverse World Grand Prix』とは

 『Shadowverse World Grand Prix』は、優勝賞金1億円をかけて世界一の『Shadowverse: Worlds Beyond(以下、シャドバWB)』プレイヤーを決める国際大会。

 世界中で開催された予選大会の勝者32名が集結し、初代世界王者の座を争った。

 出場選手は、前作『Shadowverse』の大会で権利を獲得済みの7名に加え、Japan Championship、International Online Championship、Pro Leagueなど、各種大会の勝者たちである。

 大会は3日間にわたって開催。12月28日のGrand Finalsでは、パシフィコ横浜にて、BO5形式のシングルエリミネーション3回戦で頂点を決める戦いが繰り広げられた。

決勝戦(DFM /yuuri選手、Mishadow51選手)

 決勝戦は「Shadowverse Extra Championship 2025 愛知大会」を制したDetonatioN FocusMeのDFM / yuuri選手と「Shadowverse NetEase Championship 2025」の優勝者、Mishadow51選手。

 「RAGE Shadowverse Pro League(シャドバプロリーグ)」に所属する選手が世界大会決勝の舞台に駒を進めるのは、「Shadowverse World Grand Prix 2018」のふぇぐ選手以来7年ぶりだ。

1試合目:秘術ウィッチ同士のミラーマッチを制したのは……?

 1試合目は、秘術ウィッチ同士のミラーマッチ。

 ちなみに、WGP2025に出場した多くの選手が「一番得意なマッチアップは秘術ウィッチミラー」だと答えるほど、誰もが自信を持っている。

 秘術ウィッチミラーでは、土の印のスタック数が勝敗を分ける重要な要素となる。この試合も、まさにそれを象徴するような戦いだった。

 開幕1〜2ターン目がたったの30秒で終了。お互いにさすがの練度である。

 本試合の勝敗を決定づけたのは、yuuri選手が後攻6ターン目で《魔法の薬剤師・ペネロピー》に超進化を切り、カード効果で《暴食のアナテマ・ララアンセム》を引き当てた瞬間。

 だが、Mishadow51選手は、勝利を信じて粘り強く食らいつく。

 《絶尽の顕現ライオ》を9ターン目に出せるように、《理光の証明》をスタックではなくリーダー回復に使用。しかし、yuuri選手が順調にスタックを積み重ねていたため、盤面の《暴食のアナテマ・ララアンセム》を処理できず。

 後攻9ターン目、yuuri選手が《暴食のアナテマ・ララアンセム》に超進化を切って勝負を決めた。

2試合目:新要素・エクストラPPが活きたウィッチvsドラゴン

 Mishadow51選手は、このマッチアップで強力な《絶尽の顕現ライオ》をキープするも、6ターン目に出したい《アダマントアルケミスト・ノーマン》が手札にないのが気がかり。

 後攻のyuuri選手は『シャドバWB』からの新要素であるエクストラPPを使い、《竜の啓示》でロケットスタート。3ターン目には《蒼い空を征く騎空士グラン&ジータ》を0.5秒でプレイし、1試合目に続いて選択に迷いが無い。

 4ターン目、Mishadow51選手は難しい選択を迫られる。ここはアグレッシブな決断に出て、yuuri選手の場のフォロワーを破壊し、自分の盤面に4体のフォロワーを並べた。

 yuuri選手は《干絶の顕現・ギルネリーゼ》進化で3体を処理するが、1体は残ってしまう。2PPが余るが、ここでは《銀氷の竜少女・フィルレイン》を出さない選択。これがこの試合の勝敗に直結する判断となった。

 まったくの余談だが、お互いのプレイ速度が速すぎて、筆者も執筆が追いつかない。1億円を賭けた戦いとは思えないほどの速さだ。ここまでのレベルになると、すべてのパターンは頭に入っていて、もはや本能で戦っているのだろう。

 フォロワーが1体残った状態で5ターン目を迎えたMishadow51選手だったが、強い動きができない。返しのyuuri選手6ターン目では《オーシャンライダー》と《オルカの呼び声》を絡めた動きで全処理。

 yuuri選手の盤面にフォロワーがいない6ターン目に《アダマントアルケミスト・ノーマン》を叩きつけたいMishadow51選手だったが、手札にその姿はない。

 9ターン目の《絶尽の顕現ライオ》で勝つプランを狙ったMishadow51選手だったが、yuuri選手はこれを呼んでいた。

 4ターン目に出さずに抱えていた《銀氷の竜少女・フィルレイン》の《銀氷の吐息》で、《絶尽の顕現ライオ》のコストを9→10に変更。

 この完璧なプレイに、Mishadow51選手は天を仰がざるを得なかった。

3試合目:財宝ロイヤルのミラーマッチは1ポイント差の接戦に

 3試合目は、財宝ロイヤルのミラーマッチ、「ロイヤルにロイヤルをぶつける」というMishadow51選手の熱いデッキ選択に会場が歓声で揺れた。

 yuuri選手は、勢いをそのままに初手に2コストが吸いついてくる。一方のMishadow51選手の初手はマリガン後にも2コストの姿はない。

 yuuri選手のワンサイドゲームになるかと思われた序盤だったが、Mishadow51選手は、2ターン目で《簒奪の肯定者》を引き当て、会場から大歓声が上がった。

 低コスト帯での盤面の取り合いが続く中、《簒奪の継承者・シンセライズ》の有無で差が生まれた。

 yuuri選手は、序盤から手札にあった《簒奪の継承者・シンセライズ》に効率よく融合させることで、手札の整理をしながら試合を進めることができた。

 一方、Mishadow51選手の手札に《簒奪の継承者・シンセライズ》はなく、ゲームプランを立てづらい状況が続く。

 Mishadow51選手は手札の《レヴィオンの迅雷・アルベール》をゴールにした、9ターン目のリーサルプランを進めたが、それはyuuri選手もわかっていた。

 相手の盤面を処理しながらリーダーの体力回復、守護フォロワーの防衛、華麗にリーサルを避け続ける。

 yuuri選手の鉄壁の防御に対して「超進化」を使い切ったMishadow51選手は《レヴィオンの迅雷・アルベール》を送り出すも、yuuri選手の体力の残り1ポイント削りきれず。

 yuuri選手がシャドバWBの初代世界チャンピオンとなった。

関連記事