憎しみから一流の女性棋士へ……のんの洗練された演技力に注目『ミス・キング』3話
のんが主演を務めるABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』第3話は、飛鳥(のん)がアマチュア戦へと乗り込んでいく新章の“開幕戦”だ。
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元棋士・藤堂(藤木直人)と“共犯者”として手を組んだ飛鳥。それは憎き父親・彰一(中村獅童)を将棋で殺すため。しかし、飛鳥にはまだ彰一と対局する資格すらなかった。彰一と公式に対局するためには、飛鳥自身が史上初の女性棋士とならなければならないという高いハードルが立ちはだかっている。将棋連盟100年の歴史の中で女性の棋士は一人もおらず、26歳という制限も飛鳥は過ぎている。ただ、裏の道もあり、アマチュアから直接棋士に上がる棋士編入試験で、飛鳥は女性棋士を目指していくこととなる。
飛鳥の結果はアマチュア玉将戦、東京都予選で初戦敗退。プロ棋士の娘とは言っても、20年以上のブランクがある飛鳥がそう易々と勝てる甘い世界ではない。“子ライオン”こと飛鳥の将棋倶楽部での修行の日々が始まる。
まさに、獅子は我が子を千尋の谷に落とす。対局が終わった後に、善悪を検討する感想戦すら拒否していた飛鳥が、厳しい試練を乗り越え、徐々に成長していく。「もうあそこでは学ぶことはない」と自信に満ち溢れた表情で藤堂に告げた飛鳥。その宣言通り、アマチュア名王戦で飛鳥は一回戦、二回戦、三回戦、準決勝と勝ち上がり、ついには決勝戦へと辿り着く。
驚くのは、飛鳥=のんの表情の変化だ。相手を睨みつけるような猛々しさが第1話から第2話、そして今回の第3話でゆっくりと洗練された美しさへと変わっていっている。「あんな顔するんだね」という礼子(倉科カナ)の言葉にある通りに、決勝戦で見せるのはまるで将棋を楽しんでいるかのような無邪気な笑みだ。勝負は拮抗状態。そこに「やめて」「将棋をしないで」「将棋をするな」という幻聴、幻覚が現れ始め、飛鳥は倒れてしまうのだった――。
第3話では飛鳥の味方と言えるような存在が多く登場する。藤堂をはじめ、まるで姉のように優しく寄り添ってくれる礼子に、同じ棋士を目指す女性として共鳴する由奈(鳴海唯)。「今度対局しようよ」という飛鳥との約束は果たせるのだろうか。それに、藤堂と“C級坊ちゃん”こと龍也(森愁斗)の因縁も気になるところ。誓約書を藤堂が飲み込んだことで「結城家に近づかない」というルールもなしになるのだろうが、藤堂が将棋を指せなくなった理由と彰一への恨みも今後明らかになっていくはずだ。
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