GALLERIA、ゲーミングPC4シリーズの新製品投入 『Apex Legends』大ファンの水谷隼も絶賛した実力

 サードウェーブはゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」の新戦略および新製品ラインナップを都内で発表した。

 20年以上の歴史を持つ同ブランドが掲げた新たなタグライン「THE OTHER REAL 踏み出せ、その場所へ」のもと、ゲーミングの枠を超えてクリエイティブ領域まで拡大する4シリーズ体制への刷新と、パートナー企業との共同開発による特別生産ライン「GSL(GALLERIA SPECIAL LINE)」の立ち上げが明らかになった。

プレイヤーとクリエイターが混在する時代に

 発表会に登壇したサードウェーブ取締役社長執行役員の永井正樹氏は「GALLERIAは20年にわたり市場に新しい価値を提案してきた。まだゲーミングPCという概念すら存在しなかった時代に、その先駆けとして市場を切り開いたのがGALLERIA」と振り返った。

 今回の戦略転換について、PC統括本部統括本部長の西村裕介氏は「市場ではゲームを楽しむ人とクリエイティブに取り組む人の境界が混在し、両者のニーズが重なってきている。もはや『ゲームだけしかしない』という区分は意味を持たない時代」と説明。これまでの単一シャーシ中心の展開から、複数のコンセプトからなるシリーズへと拡大することを発表した。

最高峰から入門まで網羅する新4シリーズ体制

 新ラインナップは用途とスタイルに応じて4つのシリーズに再編される。フラッグシップの「Sシリーズ」は、性能・冷却・造形すべてを極めた最上位モデルとして、最新のAMD Ryzen Threadripperの搭載にも対応。最大530mmまでのハイエンドGPUを搭載可能で、前面に水冷ラジエーターを配置、最大8基のケースファンを搭載できる高冷却仕様となっている。

 コアシリーズとなる「Xシリーズ」は、GALLERIAの信念を最もストレートに体現。フロント両サイドに吸気経路を設けたエアインテーク設計により、吸気量は従来比313%向上し、CPU温度を最大4%低減する冷却性能を実現した。

 注目の新シリーズ「Fシリーズ」は、GALLERIA初となるピラーレスデザインを採用。「光に乗せて自分らしさを映すステージ」というコンセプトのもと、15パターンのLEDカラーをワンタッチで切り替えられる物理スイッチを搭載。簡易水冷CPUクーラーを標準装備し、ライティングの美しさを引き立てる設計となっている。

 そして開発段階にある「Eシリーズ」は、小さな筐体に大きな可能性を秘めたコンパクトPCとして、2026年春頃の正式発売を予定している。

コラボレーションで生まれた特別な「GSL」

 今回新たに定義された「GSL(Galleria Special Line)」は、パートナー企業との協業により生まれる特別生産モデルの総称。ゲームやクリエイティブソフトの推奨・動作確認モデル、コラボモデル、公認監修モデルなどが該当し、製品価値以上にブランドコンテンツとしての価値を前面に打ち出していく。

 発表会では5つの新コラボモデルが発表され、渋谷ハル、葛葉、なちょ猫、REJECT、猫麦とろろとのコラボPCが順次販売される。

水谷隼「レインボーに光るのがめちゃくちゃ好き」

 特別ゲストとして登壇した元プロ卓球選手でオリンピック金メダリストの水谷隼氏は、約3年前にGALLERIAのゲーミングPCを購入したユーザーでもある。「最初は全然PCのことが分からなくて、Xでおすすめを聞いたらGALLERIAの票が一番集まった。口コミも良くて家電量販店で即決した」と購入の経緯を明かした。

 新製品のSシリーズを見た水谷氏は「かっこいいですね。このレインボーに光るのがめちゃくちゃ好き」と興奮気味に語り、PCに求めるものについて「やはりスペック。ストレスなくプレイしたいというのが一番」と強調。主に『Apex Legends』をプレイしているという水谷氏は「むしろApex Legendsしかしてないくらいずっとやってます」と、その熱中ぶりを語った。

 そしてGALLERIAファンに向けたメッセージとして「もっとゲーム業界が盛り上がるように、僕自身もたくさん協力していきたいと思います。みんなでもっと盛り上がっていきましょう」とゲームファンに呼びかけた。

各界のパートナーが寄せる期待の声

 発表会には、GALLERIAを支える多くのパートナー企業が登壇し、新戦略への期待を語った。

 AMDの日本代表兼米国本社副社長ライアン・シム氏は「AMDとサードウェーブ様は、長年にわたり強力なゲーミングシステムを提供するだけでなく、日本のゲーミング市場を共に育て、成長させるという共通のビジョンを共有してきた」と述べ、近日発表されるAMD Ryzen Threadripper搭載のスーパーハイエンドモデルへの期待を示した。

 インテルの大野誠氏は、自身も今年からゲームを始めたことを明かし「Core Ultra 9 285Kを採用いただいた。見た目はもちろん、実際に触っていただくと素晴らしいゲーミング体験を味わえる」と新製品の性能に太鼓判を押した。

 日本マイクロソフトの中村俊介氏は、息子がGALLERIAで『Minecraft』をプレイする中で「想像以上にオンラインコミュニケーションができ、ブラインドタッチまでできるようになった」というエピソードを紹介。「PCゲームの可能性をすごく感じた」と、ゲームを通じたPCスキル向上の実例を語った。

創造活動の可能性を最大限に

 西村氏は「GALLERIAは、ゲームを楽しむ方はもちろん、創造活動に取り組むすべてのユーザーに向けて進化を続ける。ゲーミングの枠を超えて、クリエイティブシーンを含む幅広い創造活動を支えるブランドとして、新たな段階へ進む」と今後の方向性を示した。

 GSLコラボモデルについては、渋谷ハルコラボモデルが販売開始。そのほかの各コラボモデルも順次発売予定で、ファンにとって特別な価値を持つ製品として展開される。

 そして『東京ゲームショウ2025』でも開発中のEシリーズを除く新製品を実機展示し、「探求と挑戦」を続けてきたGALLERIAの新戦略。今後、日本のPC市場にどのような変化をもたらすか注目していきたい。

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