Shokzがオープンイヤー型イヤホン『OpenFit 2+』を発表 人気モデルが、Dolby Audioやワイヤレス充電に対応してさらに進化した

 フォーカルポイントは、Shokz(ショックス)のオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン『OpenFit 2+』を8月28日に発売する。型番に「2+」と冠されたように2025年1月に発売された『OpenFit 2』をベースに、操作性や音質に改良が加えられたバージョンアップモデルだ。なお『OpenFit 2+』と『OpenFit 2』は併売される。

 Shokzは、骨伝導イヤホンのリーディングブランドとして広く知られており、この機能を活かしたスポーツ用モデル「OpenRun」「OpenSwim」といったシリーズを展開している。それに加えて、オープン型イヤホンも多くラインナップしている。オープン型は耳を塞がないというメリットがあり、日常生活や屋外でのアクティビティなど、様々な場面で活用できる。『OpenFit 2+』はそのプレミアムモデルという位置づけだ。

『OpenFit 2+』はブラックとグレーの2色を準備する。デザインはベースモデル『OpenFit 2』とほとんど同じだが、充電ケースはワイヤレス充電対応に伴いサイズが変更されている

デュアル・ドライバー&DualBoostテクノロジーに、Dolby Audioという楽しみが加わった

 ドライバーは、長辺17.3mmのトラック型ウーファーと小型ツイーターを同軸状に配置したDualBoostテクノロジーを『OpenFit 2』から継承する。同じくOpenBass 2.0アルゴリズムも搭載し、耳の穴に正確に伝わるパワフルな低音を再現できるそうだ。

 さらにイヤーカフ型の『OpenDots ONE』に続いてDolby Audio機能が搭載され、ステレオ音源も臨場感溢れるサウンドで楽しめるようになった(初期値はオフ。Shokzアプリでオンにする)。なおDolby Audioのアルゴリズムは基本的には『OpenDots ONE』と同じとのことだが、上記のデュアル・ドライバー用に最適なチューニングが施され、低音の迫力が向上している模様だ。

 イヤホン部分には多機能物理ボタンが搭載され、タッチ・コントロールと組み合わせることで、正確で直感的な操作を実現した。これにより的確なブラインドタッチが可能で、スポーツやフィットネスの際にも誤操作を防げるわけだ。

イヤホンとしては大型の17.3mm低域用ウーファーと、高域用ツイーターのふたつのドライバーを搭載した。さらに独自のDualBoostテクノロジーでより迫力のある低音を再現する

ケースはワイヤレス充電に対応。イヤホンは最大11時間使えるので、1日つけていても心配ない

 もうひとつの進化点として、ケースがUSB-Cに加えて、ワイヤレス充電にも対応した。再生時間はイヤホン単体で最大11時間、充電ケース使用時で最大48時間を実現している。ちなみにワイヤレス対応に併せてケースが『OpenFit 2』用からわずかに大きくなっている。

 急速充電については、イヤホン本体のバッテリーがゼロの状態でイヤホンを充電ケースに入れた場合、約10分の充電で最長約2時間の再生が可能(ケースからイヤホンへの充電)。ただし急速充電を有効にするには、ケースの残量が15%以上ある必要があるそうだ。

 イヤホンの重さは9.4gと軽量。さらにイヤーフック部にはニッケルチタン形状記憶合金を使ったゴールデンスパイラル設計が用いられており、独自開発されたUltra-Soft Silicone 2.0との組み合わせで、長時間付けていても気にならない快適なフィット感を実現している。

 リモート会議などで活躍するAI通話機能も継続されている。4台のビームフォーミングマイク(左右各2台搭載)で会話を的確に捉え、さらにAIが装着者の声を検出して取り出すことで、ほとんどの環境ノイズを除去してくれるだろう。

イヤホン部分の前方上側に物理ボタンを配置して、誤操作を防いでいる。このボタンで音量調整、曲のスキップ、通話応答などの操作が可能

音漏れ防止機能も搭載し、電車の中でも安心して使える

 オープン型では音漏れがないかも気になるところだが、『OpenFit 2+』には『OpenFit 2』と同じくShokz独自の音漏れ防止技術であるDirectPitch 2.0が使われている。DirectPitchはイヤホン部中央の丸い開口部から高域を、その周りのU字型部分から低音を放射することで伝送速度と効率を向上させるもの。さらに上下にある開口部から逆位相の音波を放出することで、漏れた音を打ち消してくれる。

 DirectPitch 1.0では、指向性ビーム+逆位相キャンセルにより音漏れを抑制していたが、DirectPitch 2.0ではそれに加えて、デュアルユニットの周波数配分の最適化、およびビーム分離設計を導入することで、20cmの距離でさらに2~5dB の音漏れ低減を実現しているそうだ。

 なお『OpenFit 2+』には5種類のイコライザーモードがプリセットされているが、ここで「プライベート」を選ぶと、外部への音漏れをさらに抑制できるという(イコライザーモードの切り換えはアプリで行う)。

 その他、IP55の防水性能やマルチポイント接続(同時に2台)など、日常使いで活躍する機能も搭載されている。またスポーツ中にイヤホンを落とした場合でも、Bluetoothの接続可能な範囲であればイヤホンから音を鳴らしてみつけることができる(こちらもアプリから操作する)。

Shokzアプリから『OpenFit 2+』の詳細な設定も行える。Dolby Audioは初期値ではオフなので、使いたい場合はこの画面からオンにしておく

オープン型なのに、この低音! J-POPからロックまで、迫力充分で楽しめる

 今回、『OpenFit 2+』の試聴機を借用できたので、実際の音を確認してみた。iPhone16とペアリングして、Apple Musicでストリーミング音源をチェック。『OpenFit 2+』はBluetoothコーデックのAACとSBCに対応しているので、今回はAACで繋いでいることになる。

 宇多田ヒカル「One Last Kiss」や緑黄色社会「つづく」では、彼女たちの声がとても聴きやすく、耳に心地いい。歌声が自然に伸びていく印象で窮屈な感じがまったくない。“華やかな音”と言ってもいいかもしれない。

 ザ・ビーチ・ボーイズ「Don’t Worry Baby」やクイーン「Radio Ga Ga」も軽やかで、オープンな雰囲気で再生される。屋外フェスで聴いているような気分といったらいいだろうか。「Radio Ga Ga」のイントロの低音もキレが良く、ここはDualBoostテクノロジーの効果なのだろう。

『OpenFit 2+』でDolby Audioをオンにすると、音の広がり感が大きく変化するので、ぜひ一度お試しいただきたい

外出先やカフェでも、周りを気にせず好きな音楽が楽しめる

 試しにカフェで同じ曲も再生してみた。周りのお客さんの話し声がそれなりに大きいのでiPhoneのボリュームは70〜80%くらいまで上げているが、イコライザーモードを「プライベート」にセットしたこともあってか、隣の人が気にしている様子はない。これなら外出先で音楽を楽しむにももってこい。

 アプリからDolby Audioをオンにすると、音のステージがぐっと拡大されて、楽器の配置にもゆとりが出てくる。低音もさらに豊かになって、ボリューム感もあがったように感じる。「Bicycle Race」(クイーン)の左右での掛け合いも距離感を伴っていて楽しい。今回は試せていないが、これなら映像配信も楽しめそうだ。

新製品の解説をしてくれたフォーカルポイント株式会社の田中大士氏(左)とShokz Japan Marketing TeamのJerry Zhao氏(右)

 

●参考情報
商品名:ワイヤレスイヤホン
型名:『Shokz OpenFit 2+』
発売日:8月28日
価格:市場想定価格2万7880円(税込)

https://focal.co.jp/collections/earphone

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