『CONERU -DIMENSION GIRL-』が掲げる次元少女「亜空間こねる」との2Dアクション“デート”体験とはなにか
『CONERU -DIMENSION GIRL-』は、HYPERSPACE氏によるコンテンツ「次元少女 亜空間こねる」のゲーム化作品(HIKE GAMESとイアリンジャパンによる共同開発)だ。ローグライト横スクロールアクションでありながら、「2Dアクションデート」というユニークなジャンルを掲げている。
初めてこの言葉を目にした時、正直なところ「どういうことだ?」と首を傾げた。しかし、実際にプレイしてみると、この「デート」という言葉が単なる比喩ではなく、本作の核を成すコンセプトであることが理解できた。そこで本記事を通して本作が謳うデートとはどういうことかについて触れていきたい。
亜空間こねるという「パートナー」との出会い
本作は次元少女「亜空間こねる」と、プレイヤーの分身かつ彼女の意識が乗り移った戦闘用アンドロイド「ソクラテス」で1つの身体を共有。シンジュクシティに突如現れた「ヘイトフルーツカンパニー」と戦うという設定だ。「亜空間こねる」を演じるのが、声優の小原好美さん。ゲームがはじまると同時に彼女のボイスが響き渡り、ありとあらゆる場面で可愛らしい反応を見せてくれる。この「亜空間こねる」という少女が本作の最大の特徴であり、魅力と言っていいだろう。
ステージ攻略中はアイテムを収集したりゲームが進行したりするごとに、彼女はソクラテスに話しかけ続け、まるで横で一緒にゲームをプレイしているかのような、賑やかで温かい雰囲気を生み出している。一人用アクションゲームでは、プレイヤーは黙々とステージを攻略していくことが多いが、本作では常に誰かが隣にいてくれる安心感があるのだ。この感覚こそが、本作が「デート」と称される理由の1つではないか。
こねるは「観光」と称しているが、本作の「デート」は美味しい食事をしたり、映画を観たりするような一般的なものではない。ステージを進めて「ヘイトフルーツカンパニー」を壊滅させるという、いわば非日常的な体験を「ふたり」で成し遂げることだ。
プレイヤーは単なるキャラクターを操作しているのではなく、彼女と文字通り“二”心同体となって困難に立ち向かう「パートナー」として時間を共有することになる。彼女のキュートな反応や感情がプレイヤーの行動と密接に結びついており、この相互作用こそが本作を単なるアクションゲームではない、「2Dアクションデート」として唯一無二の体験へと昇華させている。
「デート感」を深めるシステムと演出
スタイル自体は王道の2D横スクロールアクションだが、「亜空間こねる」とのデート感を高めてくれるゲームシステムの仕掛けも紹介したい。こねるは“こねるんビーム”で遠距離攻撃を行えるが、巨大な手裏剣で攻撃する「風魔手裏剣」、自らの分身を出現させる「パラレルガール」など、どのような効果が現れるかはこねるの気分次第。ただ激しく当たり外れがあればストレス要素になっただろうが、どれも強力なので“アドリブ感”を楽しめる仕上がりだ。
またステージに落ちているドーナツを5個食べると、一定時間無敵になる「るんるんモード」に突入。スピードやジャンプ力が上昇し、触れただけで敵を倒せるなど爽快感抜群の体験も可能だ。このように、システムごと「こねるに振り回されるデート感」が本作の醍醐味だと感じた。こねるは好奇心旺盛で天真爛漫な性格で、プレイヤーとソクラテスは彼女の気まぐれに付き合いながら、デートを進めることになる。まるで隣にいる彼女に振り回されているかのような感覚を味わえ、目当ての効果が出なくても「しょうがないな〜」と思えるような仕掛けだ。
アクションゲームでありながら間違いなく「デート体験」
『CONERU -DIMENSION GIRL-』は、量産された横スクロールアクションではない。それは、次元少女「亜空間こねる」との特別な時間を共有するための体験だ。アクションゲームは好きだが、一人で黙々とプレイすることに少し飽きを感じているのなら、本作を手に取ってみても良いかもしれない。
ビビッドな色彩と可愛らしいドット絵で描かれたこねると小原好美さんのボイスが、新たなジャンル「2Dアクションデート」としての魅力を感じさせてくれるだろう。また9月以降には、ボスや分岐シナリオ・デートスポットの追加など、無料大型アップデートが予定されており、また新しい気分でデートができそうだ。