『Weekly Virtual News』(2025年8月8日号)
「2BRO.」弟者のワンオフアバターに、Gugenkaのサンリオ子会社化――『VRChat』方面に多彩な動き
105匹の蝉、大規模ロールプレイ、弟者ワンオフアバター――ユニークな『VRChat』トピックが続々
先週は目に留まる『VRChat』活用事例がいくつか見られた。真面目なものからぶっ飛んだものまで、いろいろなものが現れた一週間だった。
まずは“ぶっ飛んだもの”を。「105人のVTuberが蝉の鳴きマネをするワールド」だ。
個人勢のサブ太郎と最古之マヌルが手掛けた「おいでよ!Vセミの森」は、105人のVTuberによる「蝉の鳴きマネ」を発するセミのオブジェクトが配置されている、夏の原風景的ワールドだ。
ワールドに足を踏み入れると、とにかくその物量に圧倒される。105人分の「蝉の鳴きマネ」が響く空間はとても気圧されるが、動員力と制作力にはただただ舌を巻く。創作の原初の熱量がただよっている、迫力にあふれたワールドだ。
ただし、滞在し続けていると大声を上げたくもなる代物ではある。ご訪問の際は注意を。
昨今流行りのロールプレイを交えたストリーマー/VTuber同士の交流を、『VRChat』でも行う企画も見られた。個人勢のレオン・ゼロミヤと匠による「ぽこピーランドのとある一日」だ。
「ストグラ」や「MADTOWN」のような企画を『VRChat』でもできないか、が発端として生まれたこの企画は、『VRChat』の人気ワールド「ぽこピーランド」を舞台に、いたずらをする愉快犯とそれを阻止する人などになり、自由にロールプレイをする企画だ。
直立+モーション再生のアバターでも「ストグラ」や「MADTOWN」には多くのドラマが生まれた。そこに生身のモーションが加わるとどうなるかを示す、興味深い取り組みと言えよう。運営のレオン・ゼロミヤ視点でも、不意に横切る参加者の珍妙なムーブが目に留まる。街頭インタビューのハプニングを覗き見ているような面白さが感じられた。
昨年『VRChat』に大いにハマった一人である「2BRO.」の弟者は、ワンオフアバターと配信部屋の再現空間を獲得した。
著名な市販アバター・3D衣装クリエイターのsono氏が手掛けた、キービジュアルを丁寧に再現した弟者の3Dアバターと、普段の配信アイキャッチに現れる配信部屋を再現した空間は、いずれもハイクオリティだ。
直近ではホロライブも配信部屋とともに『VRChat』へ乗り込んでいるが、「一個人が気軽に配信できる3D環境」としての『VRChat』には、やはり大きな注目が集まっているような感触がある。
XRクリエイティブのGugenkaがサンリオ子会社に
バーチャル業界の目に留まる動きとして、XRクリエイティブで実績豊富なGugenkaが、サンリオの子会社化した話題がある。昨年は「すとぷり」運営のSTPRの子会社になっていたが、1年経って新たな所属転換がなされた形だ。
サンリオといえば、ほぼ年に一回のペースで『VRChat』イベント『Sanrio Virtual Festival』を開催している。このイベントの企画制作を担当していたのがGugenkaだ。これをサンリオが子会社化したということで、なにかしらの新たな動きが予感される。
そしてさっそく9月19日から9月28日にかけて『Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition』も発表された。2月に開催された『Sanrio Virtual Festival 2025』の再開催イベントだが、一部イベントには追加要素が確認できる。新たな体制となった『Sanrio Virtual Festival』の第一歩を、まずは楽しみにいきたい。