「3COINS」のミニトイカメラで渋谷を撮る 可愛さの裏にある“値段以上の機能性”とは

ミニトイカメラを手に渋谷へ!

 さっそく会社の周りを練り歩いて、撮影をしてみることに。まず最初に感じたのは、起動が早いということだ。電源をつけて2、3秒ですぐ撮影することができる。

 サイズ感も相まって、起動から撮影まで片手だけで完結する。歩くときはポケットにも入れられるので、本当に手軽に遊ぶことができる。

 そして、細かな設定がない分、気がつくと何も考えずにどんどんシャッターを切っていた。「あ、この景色いいな」と思ったらすぐに撮る。わずわらしい設定をすっ飛ばして、“写真を撮る”楽しさをダイレクトに感じることができた。画質は5段階あるのだが、筆者は1番上の画質である「8M」のモードで撮ってみた。ちなみに、画質はmicroSDカードを入れないと変更できないので注意が必要だ。

 しかも、画質の絶妙な粗さが、レトロな雰囲気を出してくれる。ガラス越しの被写体などは、よりふんわりと写るので幻想的な雰囲気も感じた。

 最近ではリップクリームや指紋をレンズにつけて、ふんわりと儚い雰囲気を出す方法もSNSで流行っているが、スマホのレンズを直接汚すのはちょっと……という人も、ミニトイカメラなら試しやすいかもしれない。

 試しに、指紋をつけたセロハンテープをレンズを覆うように貼り付け撮影してみると、よりふんわりと幻想的な雰囲気を出すことができた。値段がそこまで高くないぶん、もともとある設定以外にも、色々と挑戦しやすいのもいいところだ。

 ストリートスナップならちょうどいい古さを出してくれるし、人物を撮ると思い出味が強くなる。『画質の良さはいらないから、雰囲気のある写真が撮りたい!』というのであればうってつけだ。実際に撮ってみて感じたのだが、この画質ならネオンやグラフィティアートのようなものと相性がいいように感じる。

 とくにちゃんと構えることもなく、片手でパシャパシャと撮っていたのだが、そこまでブレないことにも驚いた。普通シャッタースピードが速いと画面が暗くなるのだが、明るさを保ったまま、そこまでブレずに被写体を捉えてくれる。

 夜に撮るとこんな感じ。電飾の光が強い部分は白く飛んでしまいがちだが、これはこれで味があっていい気がする。

 モノクロモードだとこんな感じ。上記の画像を撮影したのは日中なのだが、しっかりと雰囲気の違いを楽しむことができた。正直、2000円台でここまで幅広く遊べる機能があるなら、筆者としては大満足だ。

 フィルターには画面を分割するものもあり、とくに4分割フィルターはSNSとの相性もいいように感じる。先ほど紹介したふんわりとさせる撮影方法や、モノクロフィルターもそうだが、Instagramのトレンドもしっかりと抑えた撮り方ができるという点も、「3COINS」商品ならではの強みだろう。

 トレンドを抑えつつ、低価格、見た目の可愛さ、充実した機能性というバランス感が、ここまでのヒットにつながったように感じる。ターゲット層をしっかりと捉えながらも、オリジナリティのあるデザインを開発した「3COINS」の『ミニトイカメラ』。再販売後もしばらくしてすぐに入手困難な状況となってしまったようだが、値段以上の楽しさを感じることができたので、カメラ初心者も玄人も、出会った際にはぜひ手にとってみてほしい。

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