モトローラ初の横開きスマホや米軍規格ミルスペック対応も 夏の新スマホ、色と手触りにこだわった2機種で発売

モトローラ・モビリティ・ジャパンが、2026年夏モデルとして2つの新機種を国内投入する。同社初の横開き折りたたみスマートフォン『motorola razr fold』(8月4日発売、29万9800円)と、4色展開のエントリーモデル『moto g37』(7月31日発売、3万8800円)だ。価格帯は大きく離れているが、どちらもPANTONE監修の色をまとう。
本のように開く、モトローラ初の横開き
razrの名は、2004年に薄さで世界的なブームを起こした折りたたみケータイ「RAZR」から受け継いだものだ。現行シリーズは縦にぱたんと畳むコンパクトな形で展開してきたが、本のように横へ開く横折型(フォルダブル型)を手がけるのは今回が初で、1月の発表以来、海外で販売されてきたモデルがいよいよ日本に上陸する。閉じている間は6.6インチの普通のスマートフォンとして使え、開くと8.1インチの大画面が現れる。開いた状態の厚さは約4.55mm、重さは約243gで、文庫本サイズからタブレットに変わる感覚だ。


外装はPANTONE監修の2色で、背面はどちらもヴィーガンレザーで仕上げた。会場で実機を手にすると、ブラッケンドブルーは背面一面に細かな格子状のシボが走り、マットな織物のような見た目に仕上がっている。リリーホワイトは光を吸い込むようにマットなレザー調で、金属のカメラ台座だけがヘアラインの光をまとう。ガラスと金属を光らせて存在を主張する近ごろのフラッグシップとは、狙いが逆だ。30万円の端末なのに、革小物の棚に並んでいてもなじむ顔をしている。


開いた大画面は、別売のスタイラスペン『moto pen ultra』を組み合わせると手書きのキャンバスに変わる。ウェブ画面に直接注釈を書き込んだり、走り書きのメモを文字データに起こしたりと、見るだけの端末から書く端末へ役割が広がる。

カメラは約5000万画素センサーを3基備え、カメラ評価機関DXOMARKのテストで折りたたみ端末の首位に立った(2026年3月時点)。望遠とAI処理を組み合わせた最大100倍のズームでは、川辺の風景から東京スカイツリーの先端だけを引き寄せるような撮影ができる。

AI翻訳も搭載した。言語パックをあらかじめ端末に入れておく方式のため、ネット接続のない海外や地下でもそのまま動く。相手の言葉を一方向に訳す通訳モードと、双方向にやり取りする対面モードを使い分けられる。
折りたたみ端末につきまとう、壊れやすさへの不安にも答えを用意した。閉じたときに外側になる画面には、スマートフォンで世界初というCorning Gorilla Glass Ceramic 3を採用した。ガラスにセラミックの粒子を織り込むことで、傷が入っても亀裂が広がりにくく、性能試験ではコンクリートを模した面への2m超の高さからの落下に耐えたという。バッテリーは折りたたみ端末で最大とうたう6000mAhを積み、1日連れ回す道具としての心配を減らしている。

価格は29万9800円と、スマートフォンとしては覚悟のいる金額だ。ただし販路にからくりがある。大手キャリアでは売らず、通信事業者ではIIJmioだけが取り扱う。回線を乗り換えてギガプランを同時に契約すると、期間限定で19万9800円まで下がり、1万2000円のmoto pen ultraも付いてくる。
3万円台で4色のPANTONE
一方の『moto g37』は、カプリシアン、インペネトラブルグレイ、ノーティカルブルー、フューシャレッドの4色をそろえ、こちらもすべてPANTONE監修の色だ。見た目だけでなく、手に取った瞬間の感触まで含めて選んでほしいと同社は説明する。エントリー機は無難な黒や白の2色展開になりがちな中で、鮮やかなターコイズやピンクを正面に立てる構えが目を引く。本体色に合わせたシリコンケースも付属するため、ケースを着けたままでも選んだ色を楽しめる。


中身も価格の割に手堅い。ディスプレイは約6.7インチで、リフレッシュレートは最大120Hz。SNSやウェブのスクロールがなめらかに流れる。スピーカーはステレオでDolby Atmosに対応し、動画を横画面で観るときに音の広がりが出る。バッテリーは5200mAhで、20Wの急速充電に対応した。USBケーブルで別のスマートフォンに給電するリバースチャージも備え、重さは約194gからと200gを切る。

カメラは約5000万画素のメインと約800万画素の超広角の2眼構成で、インカメラは約3200万画素を備える。画面内の全員が笑顔になった瞬間を判別して自動でシャッターを切る自動スマイルキャプチャや、本体を素早く2回ひねるとカメラが起動するモトジェスチャーなど、撮り逃しを防ぐ仕掛けを盛り込んだ。暗い場所ではセンサーの4画素をまとめて使い、明るく色鮮やかに撮る。

日常使いの安心材料も多い。米国防総省の調達基準MIL-STD-810Hに準拠した堅牢性とIP64の防滴防塵を備え、画面には傷に強いCorning Gorilla Glass 7iを採用した。おサイフケータイに対応し、3.5mmイヤホンジャックを装備する。手持ちの有線イヤホンでハイレゾ音源を楽しめるほか、FMラジオも聴ける。5Gの電波が弱い場所で端末側の送信を強めてつながりやすくするHPUEにも対応した。メモリー価格の高騰でスマートフォン全体が値上がりに向かう中、この状況を他社より競争力のある価格を出す機会と捉えたと同社は説明した。
moto g37はSIMフリー版に加えてソフトバンクと楽天モバイルが7月31日に発売し、NTTドコモ版は10月に控える。ドコモ版は、ドコモが5Gで使う周波数帯のn79に対応した専用仕様のモデルだ。























