今後登場予定の「満月」&「半月」に関する情報や開発中の裏話も 『神魔狩りのツクヨミ』プレスイベントレポート

『神魔狩りのツクヨミ』プレスイベントレポ

 コロプラは、「真・女神転生」シリーズや「ペルソナ」シリーズで知られるゲームクリエイター・金子一馬氏がコンセプトプランナーを務める、デッキ構築型ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』(iOS/Android/PC)を、5月7日にリリースした。

 本稿では、リリースに先駆けて4月30日に開催されたプレス向けイベントの模様をお届けする。今後のアップデートにて追加予定のプレイアブルキャラクターに関する情報発表や、コンセプトプランナー・金子氏と開発プロデューサーを務める齋藤 ケビン 雄輔氏による質疑応答も行われたので、現在プレイ中のユーザーや興味を持っている方はぜひチェックしてほしい。

「十六夜月」の面をつけて登壇したケビン氏(写真左)と、本作キービジュアルを完全再現した装いとなっていた金子氏(写真右)

 本作は、金子氏がコロプラ移籍後に手掛けた第1作目のタイトルであり、AI技術とクリエイターの創造性をかけ合わせ、新たなゲーム体験を創出することを目的とした挑戦作。イベントではまず先行体験会の振り返りが行われ、実に3500名の参加者たちから得られたプレイデータやアンケート結果が公開された。

 先行体験したユーザーたちが本作について最も印象的だった要素として挙げたのは、金子氏が描くキャラクターや「神魔札」のデザイン。次いで、AIカネコによって唯一無二のイラスト&効果を持つ「創成神魔札」(以下、創成札)を生成する「創成機能」。さらに世界観・ストーリーと続いた。

 難易度については「簡単」~「ちょうど良い」との回答が約36%だったのに対し、「やや難しい」~「難しい」が約64%を占める結果に。ケビン氏からは、中層でつまづくプレイヤーが多い傾向にあったことも明かされた。

 作中を彩る「ツクヨミ」ことプレイアブルキャラクターたちの紹介では、先行体験会で唯一使えた「十六夜月」をはじめ、正式サービス開始と同時にリリースされた「新月」、そして今後のアップデートにて追加予定の「満月」、「半月」と、それぞれに紐づく「神魔札」に関する開発秘話が語られる場面も。

 「神魔札」の各イラストを手掛けた金子氏は、AIカネコによって創成されるカードが奇抜なデザインになる可能性を考慮し、そのぶん史実に忠実なデザインで神魔たちを描くことを意識していたとのこと。たとえば「十六夜月」の初期カードである「フィン・マックール」は、“フィン”が“白い”を意味する単語であるため白を基調とした衣装とし、イラストでの指を舐めているポージングについては“指を舐めると頭が良くなる”という伝承に基づいたものだと語った。

 追加実装が待望される「満月」は、“破壊があるからこそ再生がある”というワイルドな考えかたの持ち主であり、バディを組む「金鵄」(※1)の「武内いつ」も、そうした彼の精神性に心酔している部分があるようだ。

※1 金鵄:ツクヨミのサポート役・お目付け役的な立ち位置を務める人物たち。

 対して「半月」は中道的でバランス感覚に優れる女性だが、相方の「諏訪迅雷」は強大な神である“ミシャグジ”を身に宿しており、むしろ「半月」が「諏訪迅雷」のお目付け役をしている関係性なのだという。

 中盤では、本イベントに出席したメディア陣が先行体験会にて生成した「創成札」のなかから、金子氏とケビン氏のおふたりが最優秀デザインを選定する「盈月奉納の儀 特別編」が実施された。

 「盈月奉納の儀」とは、ユーザーたちが生成した「創成札」のなかからユーザーの人気投票によって上位に選ばれたイラストたちを金子氏が審査し、最優秀カードに選ばれたカードを金子氏本人の手でリファインしたうえで公式カードとしてゲーム内に実装するシステムのこと(ゲーム内での第1回「盈月奉納の儀」の選考対象期間は5月31日23時59分まで)。

 ちなみに、本編集部からは「タナトス」「ルシファー」の2枚が代表カードとして選定の場にあげられることとなった。その場で初めて知ったのだが、「タナトス」のような金色の枠のカードは低確率で生成されるものだそうだ。

 AIカネコに対して、見たこともないようなデザインを生成してくれるのではないかと期待を寄せる金子氏。開発を通じて大量の「創成札」をチェックしてきたことでもはや感覚が麻痺してきているというケビン氏。

 そんな両名が最優秀カードに選んだのは、「ディオニュソス」となった。金子氏は「ディオニュソス」に関してお酒の神様であると解説し、本カードが雲の上にいるデザインとなったのは酒を飲んで気分が良いからなのかもしれないと想像を膨らませていた。紫色の雲が渦巻く様子が画的に鮮やかであり、「ディオニュソス」を描いたイラストとしては独自性が高いことなども選出理由となったそうだ。

 イベントの最後に実施された質疑応答コーナーでは、まず“本作のリリース以降の両名の運営への関わりかた”についての質問に対し、ケビン氏は「アップデートに向けて開発を進めていきます。ローグライクはバランス調整が大事なので、調整やクオリティアップに注力していきたいです」と回答。金子氏も「『盈月奉納の儀』が定期的に開催されるので、ガンガンやっていきます。ユーザーのみなさんに、どんどん『創成札』を生成してほしいです」と意気込みをのぞかせた。

 また“本IPをどのように育てていきたいか”については、「まだまだゲーム内に出せていないネタがたくさんあります。ゆくゆくはグッズ化や、アニメ化、2.5次元化などの展開も妄想しております」と金子氏。それを受けてケビン氏も、(今回は日本を舞台としているが)「たとえば日本以外の別の支部のツクヨミたちを描くといった展開も考えられるのでは」とコメントした。

 そして“本作のゲーム体験を通してユーザーにどのような価値観や視点を提供したいか”に関して、金子氏は「ローグライクというジャンルに対してあまりみられないストーリーや、神話の要素などを、テンポを崩さない形で盛り込むことができました。本作をきっかけに、神話にもぜひ興味を持ってもらえたら」。ケビン氏は、「AIを盛り込んだ新たな体験をプレイを通して感じていただけたら。そして十人十色のパーソナライズされた体験を、ほかのユーザーたちと共有することでコミュニケーションをとってもらう楽しみまで体験してもらえたらうれしいです」と、それぞれの視点からユーザーへとメッセージを送った。

 『神魔狩りのツクヨミ』はスマホ・PC(Steam)向けに好評配信中。詳しいゲーム内容に関しては下記の関連記事でも触れているので、興味を持った方はぜひ一度ダウンロードしてプレイしてみてはいかがだろうか。

金子一馬から学習した“AIカネコ”……唯一無二のカードでタワマンを駆け上がれ デッキ構築ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』プレイレポート

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