石田ひかりが語る“YouTubeをやる理由” 飛び込んで気づいた「私がやる意味」と「奥深さ」

石田ひかりが語る“YouTubeをやる理由”

  日々の“楽しいこと”を心のままに発信している、石田ひかりのYouTubeチャンネル「まぁるい生活」。35年間、俳優として数えきれないほどの作品で活躍をしてきた彼女がYouTubeを始めたことに、驚いたファンも多いのではないだろうか。

 今回は、そんな彼女にYouTube活動の背景をインタビュー。そして、6月20日に公開を控えた映画『ルノワール』では、11歳の少女・フキの母親である沖田詩子を熱演。撮影の裏側や、作品に抱いた印象についても語ってもらった。

始まりは勘違いから

ーーYouTubeチャンネルを始めようと思ったきっかけについて、教えてください。

石田ひかり

石田ひかり(以下、石田):娘たちが中学生くらいからよくYouTubeを見ていたんです。それで私も一緒に見ていたのですが、「芸能人はみんなYouTubeをやっているんだ! 私も1日も早く始めなければ大変なことになる!!」と思い込んでしまったんです……。芸能人の方はもうみんなYouTubeチャンネルを持っていると思ってしまって。実は、そんなこともなかったんですけどね……(笑)。

 そう気づいたときにはチャンネル開設準備がかなり進んでいたので、あとに引けなくなって始めてしまって……(笑)。でも始めてみたら意外と面白くて、すぐに楽しさを感じました。暗中模索状態ではありますが、「私が発信することの意味」を見失わないよう心がけて撮影に励んでいます。

ーーそうだったんですね。ちなみに、ご家族とはどのようなYouTubeチャンネルを見ているのですか?

石田:娘たちは、仲里依紗さんの動画をよく見ています。私は杏さんや木村拓哉さん、千原ジュニアさんたちの「ざっくりユーチューブ」や、SPRiNGさんのチャンネルで配信されている「YOU のこれからこれから」などを、いつも楽しく拝見させていただいていますね。

ーーいろんな動画を拝見されているんですね……! ご自身のYouTubeチャンネルは、どんなチャンネルにしようと考えていたのでしょうか?

石田:最初は、“お散歩チャンネル”にしたいなと思っていたんです。私、歩くのが好きなので。たとえば美味しいパン屋さんを目指したり、新緑を愛でたり、目的のあるお散歩をお届けできたらと思って。

 でも実際やってみると、お散歩だけに絞って撮影をするのがかなり大変だったんです。まずお天気に左右されるし、お店に行くなら許可取りもしなければいけないし、日焼けもするし、撮影も長時間かかるので……。それで、じゃあもうせっかく私ひとりのチャンネルなんだから、私が興味のあることを、私の責任でお伝えしようと思いまして。だから私のチャンネルは、かなりバラエティに富んだものになっていると思いますよ(笑)。

ーー撮影をする側にもなることで、新たな気づきがあったんですね。

石田:そうなんです! その気づきがYouTubeを始めて1番の収穫だと思います。動画を撮影するようになって、カメラの性能の高さに驚きました。“美肌モード”があって、「こんなに綺麗に撮れるんだ!」って感動しました。本当ありがとう! って感じです(笑)。

ーーご自身で撮影することもあるんですね。

石田:でも、カメラ目線で喋るのは恥ずかしくて出来ません(笑)。なので基本ナレーションを入れています。あと、動画を編集してくれている女の子には、「素材はあればあるほどいいです!! とにかく撮ってください!!」と言われています。完成した動画を見て「なるほどその通りだな〜」と実感する日々です。

 あとは物撮りとか、カメラワークの必要性もわかってくるようになりました。YouTubeを始めてからは、現場でもつい「ああやって撮るんだ」とか「その画、必要ですよね……」って観察してしまったり、興味の対象は明らかに広がりました。

ーーカメラマンの視点ですね。

石田:そういったいろんなことに気づくようになって、「私は本当に何も分かっていなかったんだ」と自覚できたことが、YouTubeを始めて一番の収穫だと思っています。

YouTubeの良さは“距離の近さ”

ーー2024年4月に投稿された「石田ひかり まぁるい生活 寺の嫁 年末年始お見せします」という動画は、2025年5月現在で335万回再生と、かなりの反響がありましたね。

石田ひかり まぁるい生活 寺の嫁 年末年始お見せします

石田:動画が投稿されたとき、私はバンクーバーにいたのですが、「大変なことになっています!」って連絡が来て、驚きましたね。YouTubeを始めてまだ間もなく、私の知らないところで、数字だけがどんどん増えていくことに恐怖さえ感じていました。

ーーなぜこの動画は、ここまで反響があったのでしょうか。

石田:うーん……。やっぱり、“意外性”があったからじゃないですかね。YouTubeの面白さって、視聴者の方が抱いているイメージとのギャップが大きな魅力だと思うんですよね。ちなみに私、YouTubeに関しては本郷奏多くんにもすごく助けてもらったんです。奏多くんの動画も、ギャップ萌えじゃないですか?(笑) すごく大好きでよく見ているんですけど、発想が面白いし、彼の人柄がより素敵に見えますよね。私の年末年始の動画も、そういったギャップを感じていただけたのかなと思います。

 あとは、“寺の年末年始”の様子に興味を持っていただけたのかなと思います。うちは豚汁も作るし、除夜の鐘が鳴っているところとか、そういうところを新鮮に感じていただけたのかな。

ーー私も動画を拝見させていただいたのですが、たしかにお寺の年末年始の裏側は動画を見るまで知らなかったです。

石田:あの動画は、夫と娘2人に「とにかく適当に撮って」って頼んで、家族総出で撮影しました。編集も大変だったんですよ。除夜の鐘が「ゴーン」って長く入るので、音だけを移植したり逆にオフにしたり……。本当に大変でした。

ーーご家族の方は動画に対して、どういったリアクションをしていましたか?

石田:娘たちは「ヤバ、これ寺じゃん」って言ってました(笑)。

ーーリアルな感想ですね(笑)。今後はYouTubeでどんな動画を撮ってみたいですか?

石田:そうですね、山登りは続けていきたいですね。好きなお店もたくさん巡りたいです。あとは、世のなかのいろんなことについて専門家の方にお話を聞いてみたいですね。たとえば、海水を真水にするためにはどうしたらいいのかとか、電気自動車のしくみとか……あまり硬くなりすぎないように、お話を聞きたいなと思っています。

 YouTubeチャンネルでは、「私がやる意味ってどこにあるんだろう」、ということをいつも考えています。ナレーションを入れているのもそうですが、自分の言葉で伝えられることは大事にしていきたいですね。

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