スマホのカメラはまだまだ進化する Xiaomi最新機『Xiaomi 15 Ultra』と新たなコンセプト機に見た可能性
シャオミと言えばかつて「格安スマホ」のイメージがあったが、今ではiPhoneを超える性能を持つ最強のカメラスマートフォンを次々と出している。しかも今までのスマートフォンにはない、あっと驚く機能を搭載するモデルも開発中だ。
もはやデジカメ!スマホの概念を超える『Xiaomi 15 Ultra』
シャオミのスマートフォンの最上位機種、『Xiaomi 15 Ultra』はもはやカメラであることを自らアピールしているような製品だ。本体のカラバリは3色あるが、そのうちのひとつ「シルバークローム」は大型のカメラバンプデザインと相まって、見た目はもうカメそのもののだ。
撮影した写真には老舗のカメラメーカー、ライカのウォーターマークも入れられる。クラシカルなフィルムカメラで撮影したかのような雰囲気の1枚に仕上げることができるのだ。もちろんこれはシャオミがライカとカメラで協業しているからで、『Xiaomi 15 Ultra』はより自然な色合いで撮影できるライカモードも搭載している。
スマートフォンとしての性能も最高級クラスだ。チップセットは業界で最高性能を持つクアルコムのSnapdragon 8 Eliteを搭載、画面サイズは6.73インチで3200 x 1440ピクセルの高解像度タイプ。また3200nitsと明るい画面は屋外での写真撮影やげゲームプレイにも有利だ。バッテリーは5410mAhで90Wの急速充電に対応する。
そしてフォトグラファーキットと呼ぶケースとグリップを装着すると、デジカメ風のデザインになる。カメラは5000万画素が3つと2億画素という、他社のスマートフォンでも追いつけないほど高性能だ。内訳は広角、超広角、3倍望遠が5000万画素、4.7倍望遠が2億画素となる。ワイドな集合写真や近距離撮影から、遠くを撮る望遠まですべて美しい絵で撮影可能なのだ。
フォトグラファーキットのカメラ部分は装飾リングになっており、リングを外して市販のカメラ用のフィルターを装着することもできる。スマートフォンのカメラデザインは各社様々な形状を採用しているが、『Xiaomi 15 Ultra』の円形バンプはそれ全体がカメラのレンズのようなスタイルになっている。そのためカメラと共通のフィルターを装着できるのだ。
シャッターボタンも赤と黒の2色が付属し、細かい部分でのカスタマイズもできる。このようにカメラとして生まれてきたかのような『Xiaomi 15 Ultra』は、今使っているスマートフォンから買い替えて使う必要はない。「通信できるデジカメ」「写真を撮ってすぐにSNSにシェアできるデジカメ」と考え、2台目のスマートフォンとして買い増ししてもよいのである。
スマホなのにレンズ交換ができるコンセプトモデル
スマートフォンのカメラ性能を高めるために、シャオミは新たな機能も研究中だ。現在コンセプトモデルとして発表されているのがこちらの写真のモデル。一見するとスマートフォンには見えない外観だ。
このコンセプトモデルは、スマートフォンの背面に独立したレンズモジュールをマグネットで装着して利用できる。レンズは35mmのものが用意されているが、スマートフォンとは別に開発可能であり、将来は様々な倍率のレンズも登場するだろう。まるでデジカメのように好きなレンズを取り替えて使えるようになるわけだ。レンズとスマートフォンとはマグネット部分にある接点で接続され、背面にレンズを貼り付けるとカメラアプリに認識され、スマートフォン内蔵のカメラのように使うことができる。
なおベースとなるスマートフォンは日本でも販売中の『Xiaomi 15』だ。『Xiaomi 15』もライカと協業した高性能なカメラを搭載しているが、レンズモジュールはスマートフォンより大きくあかるいレンズを採用しているため、デジカメのようなより美しく鮮明な写真撮影が可能になる。
このコンセプトモデルは2025年3月にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル関連展示会「MWC」で披露されたもの。実際に操作してみたが、大型レンズの撮影結果はスマートフォンのカメラよりも仕上げが良く、デジカメと変わらない画質だった。スマートフォンのカメラ性能は年々高まっているが、レンズ交換式になることでいよいよデジカメを駆逐してしまうかもしれない。
なおレンズは単体で使えるようにセンサーを内蔵、デジカメで使われている規格の1つ、マイクロフォーサーズのセンサーを搭載している。既存のデジカメ資産をスマートフォンに応用するのはうまい設計だ。
スマートフォンの進化は止まったという声も聞かれるが、カメラ性能に限らず様々な機能が次々とバージョンアップしている。最近では衛星通信対応もトレンドだ。そしてカメラに関しても高画質化だけではなく、今回紹介したように使いやすいカバーや新しいコンセプトも登場している。スマートフォンはまだまだ進化していくのである。