『キングオブコント2021』のファイナリストにして、マヂカルラブリーらも所属するお笑いユニット・大宮セブンのメンバーであるジェラードン。

　メインチャンネルのジェラードンチャンネルはチャンネル登録者数150万人を誇る超人気チャンネルだが、そのサブチャンネル「ジェラードンといっしょ」をご存知だろうか。

　コントが中心のジェラードンチャンネルに対し、このサブチャンネルは更新頻度こそ多くないが、ラジオやコントのメイキングなどここでしか見られない映像たっぷりのファン必見のチャンネルだ。見ればもっとジェラードンのことが好きになることは間違いない。

　なかでも圧倒的な再生回数を誇っているのは「笑いすぎてNGになったコント集」だ。アタック西本の顔の面白さに笑ってしまうかみちぃ、ほふく前進をしている姿が画面に見切れてしまったかみちぃに笑ってしまうアタック西本、自分のキャラの一人喋りに恥ずかしくなり笑ってしまうアタック西本など、キャラを憑依させることが多く、ネタ中ではなかなか素が見えないジェラードンの自然体の姿を堪能することができる。

　2021年11月に放送された『ロンドンハーツ』（テレビ朝日）の企画「ポストかまいたちを探せグランプリ」に出演した際には「不仲」だと話題に上がっていたが、現在のジェラードンの関係性や雰囲気は「最高」のように見える。

　そして「ジェラードンといっしょ」史上一番の衝撃回はなんといっても2024年11月に公開された、ユースケ・サンタマリアのゲスト回だろう。芸能界きってのジェラードンチャンネルヘビーウォッチャーであるというユースケ。3人でフリートークするというラジオスタイルの動画なのだが、その「ガチっぷり」をいかんなく発揮していた。「これ考えたんだなっていうのと、これノリ1発でやってんなっていうのが綯い交ぜになってて、でもその回（ノリ1発）に当たるのがすごい好き」と熱弁するユースケ。

「実家暮らしのメンズコーチ」
「絶対に無理してる自称ショートスリーパー」
「スペックが逆の相棒」

　など具体的なコントを挙げながら好きなポイントを語っており、その熱量は凄まじい。それだけではなく、二人が海野の復帰のために頑張っていることを称えたり、かみちぃの一重なのに目玉が大きいことや額の傷など、細かいポイントまで網羅しており「なんで俺たちのことこんなに知ってるんだろう……」と二人は驚嘆の声を挙げていた。最後には「時間が合えばぜひ一緒にコントをしたい」という二人の熱望に快くOKをしていたユースケ。夢の競演が実現する日も近い。

　最近ジェラードンのファンになった視聴者のなかにはトリオということを知らない人もいるだろう。海野裕二はジェラードンのツッコミの担当。捻ったワードセンスやキャラクターでツッコむタイプではなく、その場の状況を冷静に判断しながらストレートで鋭いツッコミを浴びせていく王道タイプだ。

　アクの強すぎる二人のキャラクターを立てつつ笑いを増幅させていく、近い例を挙げるとすればネプチューンの名倉潤だろうか。突如として現れた変人奇人に海野が振り回されながらストーリーが展開していく構図こそジェラードンの真骨頂。

　それが再び見られるのはお笑い界にとってとても大きな出来事だった。久しぶりの舞台とあって声量が追いついていないという海野だが、そのことを大宮セブンのバンド・アイボリーズのライブのためガサガサの声で話すアタック西本に「ちなみにだけどお前の声も今日気になるけど！」と鋭くツッコむ海野。3人の醸し出す空気感は復帰前となにも変わらないように見えたのだが……。

　残念ながら先日、正式に海野のジェラードン脱退が発表され、これからジェラードンはコンビとして活動していくことになった。

　あまりにも突然の出来事だが、それぞれの決断をファンとして応援したい。