般若、ラッパーと大麻の裏側を描いた主演作は「そこにリアルがある」 撮影中の“葛藤”を明かす

「そこにリアルがあるんじゃないかなと」大麻に関する“裏の考え方”まで描く
ーー「特殊な内容」の一つには、「大麻」がテーマとなってる部分があります。
般若:そう。とんでもないテーマを扱っているんで。
ーー大麻を規制すること、罰することのイデオロギー的な是非はひとまず脇に置くとしても、大麻の所持や使用は、日本の法律上は基本的には禁止されています。同時に、その法を破って逮捕される人も少なくはありません。特にヒップホップシーン、アートシーンは密接だと思われている節がありますね。
般若:ラッパーやヒップホップ関係の人間が大麻で捕まることには、もう別に驚かないし、切っても切り離せないものだと思いますよ。綺麗事を言うつもりはないからはっきり言いますけど。俺個人としては、否定も肯定もしないっていうか、お前が選べばいいと思ってる。でもいまの話のように、単純にこの国では逮捕されてはいるし、一方で、日本以外の国ではオッケーだったり、微罪の国もある。それはなんでなの? じゃあどうすんの? というのは考えますよね、実際、その辺についてもこのドラマでは提示しているんですよね。
ただ単に大麻にフォーカスを当ててるんじゃなくて、その裏にある考え方だったり、守るべきもの、受け継いでいくものも色々あるんじゃないか、みたいな。目を逸らせない、目を背けられないドラマだと思うし、そこにリアルがあるんじゃないかなと。ドラマに(ドラッグを取り扱うショッキングな内容という)偏見を持たないで欲しいなと思いますね。
ーー般若さんはヒップホップグループに潜入する刑事の伊弉諾として登場されます。
般若:伊弉諾は真っ直ぐで不器用な、あんまり表裏がない奴なんですよ。そして、自分が大事にする人に対して、頑張れるタイプ。そういう奴が潜入捜査という、「嘘をつき続ける」行動をすることになるから、そこで生まれる葛藤だったり、そこでマインドがどう変わっていくのか、そしてなにが変わらないのかみたいな部分にも注目して欲しいですね。自分としても、それは演じる上で大事にしたことなんで。そして、その不器用な男に、みんなが気持ちを持っていかれたり、惹かれてくれたら本望です。
ーー「リアルしか歌ってはいけないという不文律」に葛藤するということもテーマにあるそうですね。これは原案としてクレジットされている漢 a.k.a. GAMIさんが、MSCとして活動されていた頃からテーマとしていたことだし、基本的にヒップホップのテーゼとして広く認識されていることでもあります。
般若:それがあるから面白いんじゃないですかね。伊弉諾は警察の顔と、ラッパーの顔という二面を使い分けなくちゃいけないけど、そこで「リアル」には当然葛藤する。その存在に注目して欲しい。
ーー警察という役柄についてはどう感じられましたか?
般若:いや、別にそこに対してはなにも。これはドラマだから。それこそフィクションなんで、別に現実の自分と重なる訳では無いし、警察に偏見もないんで。ただ、役作りは考えましたけどね。刑事はそんなに線が細くないだろうってことで、体重を増やしたりとか。リサーチももちろんありますよ。それは役柄の「気持ちの部分」として持っておきたいし、気持ちが離れないようにしなきゃなと。
ーー役者陣には成海璃子さんや吹越満さんが顔を揃えます。
般若:ベテランの人の演技を間近で見れるっていうのは、ホントに贅沢なことだと思いますね。もう予想を超えてくることは全然分かってるんだけど、本当に掴ませてくれない芝居もあったり。
ーーそれが般若さんをはじめとするアーティストたちとどのように絡むのか、楽しみでもあります。
般若:非常に刺激的な内容になっていますんで、月並みですけど楽しみにして欲しいですね。
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