初めてのフィルムカメラにおすすめしたいオリンパス『OM-1』 個体選びのポイントと作例付きレビュー

オールドカメラの“個体選びのコツ”とは?

友人からもらった「速写ケース」も活用して街撮りスナップを楽しむ

 『OM-1』はシャッタースピードを本体前面のマウント部にある環で操作する。また、Zuikoレンズは絞り環がレンズ前面にあるのが特徴で、これらの作用により、カメラを構えて露出計を見ながら左手だけでシャッタースピード・絞りを変更できる。

レンズ環付近で操作が完結するところがうれしい

 『PEN D』とも並べてみた。レンズ付近でSS・絞りを変更する機構が似ている。『PEN D』のシャッタースピード変更機構がレンズ環にあるのはレンズシャッターとの兼ね合いによるものだと思われるが、どことなくインターフェイスが似通っているのは面白い。

レンズ環付近でSS・絞りをコントロールするという点で操作感が似通っている

 試写に持ち出した数日後、件の友人から速写ケースをもらった。なんでも「ジャンクのケース売り場にさ、比較的ヤレてない速写ケースがあったからさ、“救出”しておいた」とのこと。“救出”なんて言い出したらおしまいだ、完全にジャンク沼に足を踏み入れている。私も同人CDやジャンクのMacなんかを秋葉原で散々「救出」してきたから気持ちはよくわかるけれど……。とはいえ、ありがたい頂きものであった。

 『OM-1』はとても小さく軽いため速射ケースを付けても重さが気にならず、使い心地が非常に良い。出先にスッと持ち出してみよう、という気持ちにさせてくれる。そんな『OM-1』の試写は以下のとおり。フィルムには今年国内導入された『FUJIFILM 400』を使用した。

 感光もなくしっかり写っていたので一安心!『OLYMPUS F.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8』もよく写るレンズだ。開放無限遠では流石に描写が甘いものの、少し絞ると素晴らしい。特に下に掲載した、標識の写真の立体感には驚いた。

 小型軽量で露出計も付いているし、『OM-1』はフィルムの一眼レフを始める最初の一台として強くおすすめしたいカメラだ。ぜひ手に取って、その軽快さを武器にさまざまなところへ持ち出してほしいと思う。ただし、購入の際にはプリズムの腐食という“持病”に気をつけて。

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