『ゼンレスゾーンゼロ』音楽プロデューサー独占インタビュー “元祖シティポップ”は「日本での仕事」がインスピレーションに

 都市ファンタジーアクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』が12月18日、Ver.1.4「星流れ、神鳴の奔るが如く」をPlayStation 5 Pro、PlayStation 5、PC、およびモバイルプラットフォームでリリースした。S級エージェント「浅羽悠真」の無料配布のほか、星見雅の実装、メインストーリーの暫定的クライマックスである第5章の配信開始に加え、各システムの改善……。2024年7月4日にローンチされて以来最大規模のアップデートが、このバージョンで行われた。リリース日からわずか3日間で全世界ダウンロード数が5000万を超え、世界中を席巻していた本作が、ここへ来てさらに加速しようとしている。

 このゲームの多くの魅力があるが、そのひとつは間違いなく、世界観やストーリー、あるいはキャラクターを彩る音楽だ。これまでに多くのキャラクターに対してEP(いわゆる“キャラソン”)が制作されており、12月19日には星見雅の「暁」、12月20日には浅羽悠真の「絵本」が発表された。また、22日に本作のOSTアルバムがリリースされており、25日には『ゼンレスゾーンゼロ』音楽制作の舞台裏を映したドキュメンタリーがYouTube上で公開予定で、ついにこの一大センセーションの立役者にも光が当てられることになりそうだ。

星見雅EP「暁」 | ゼンレスゾーンゼロ
浅羽悠真EP「絵本」 | ゼンレスゾーンゼロ

 そして本稿では、本作の音楽プロデューサーを務めるYang Wutao(杨武韬)氏に対してメールインタビューを行った。8月にイギリスで行われた『Hyper Commission - Creamfields North 2024』の経緯、日本語楽曲としてリリースされた月城柳のEP『途切れて続く』の制作背景など、気になるトピックに対しても真摯に回答してくれた。

可能な限りさまざまな音楽スタイルに挑戦することを目指す

――まず、現在スタジオに所属するプロデューサーの音楽的なルーツをお伺いしたいです。

Yang Wutao(以下、Wutao):私たちの音楽チームは、現在私自身を含む4人で構成されています。周斌(Zhou Bin)と私は音楽専攻の出身で、私はこれまでさまざまな音楽プロジェクトの演奏や制作に携わり、数年間コンサートのディレクターも務めてきました。周斌は以前、さまざまなタイプの音楽スタジオで働いており、エレクトロニック・ミュージックへの情熱を原動力に、その手の音楽ジャンルに関する知識を習得しました。一方で、残りの2名、雷声(Lei Sheng)と宋培彦(Song Peiyan)は音楽の専門教育を受けてはいませんが、それぞれ音楽に対する情熱と執着を持ち、独学で才能を開花させました。雷声は自らロックバンドを組んでおり、エレクトロニックやロックに関する専門知識や技術を独自に探求してきました。もともとプログラマーだった宋培彦は音楽が好きで努力を重ね、音楽クリエイターになりました。彼はバラエティ番組や多くの音楽プロジェクトに携わった経験もあります。

エレンEP「BITE!ガブっとね」 | ゼンレスゾーンゼロ

 私たちそれぞれの背景は異なり、個性も大きく違いますが、音楽は全員にとって最も真実味のある自己表現の手段です。どの音楽制作においても、単なる仕事としてではなく、自分たちの活力と魂を込めて取り組んでいます。実は私たち4人は、それぞれ『ゼンレスゾーンゼロ』の公式サイトの調律テスト、吸音テスト、増幅テスト、そして正式リリースという4つの異なるステージに対応した4つの異なるBGMを担当しました。私たちの愛する音を通して、異なる段階で『ゼンレスゾーンゼロ』と一緒に成長できたこと、それこそが音楽のロマンと魅力なのだと思います。

「増幅テスト」ティザー「ウォーミングアップの必要性!」 | ゼンレスゾーンゼロ

――Screen Rantのインタビューで、Yang Wutaoさんは「『ゼンレスゾーンゼロ』を代表する主な音楽ジャンルはエレクトロニック・ミュージックとヒップホップである」と明言されています。スタジオ発足の時点で、エレクトロニック・ミュージックを主軸にすることは決まっていたのでしょうか?

Wutao:実際のところ、『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽スタイルは非常に多様です。さまざまな音楽ジャンルに挑戦していますが、ユニークな音楽スタイルを選ぶとすれば、それはたしかにエレクトロニックやヒップホップかもしれません。私たちはゲームのBGMやキャラクターEPといった異なる音楽タイプに対して、それぞれ異なる制作戦略を採用しています。ゲームのBGMでは、エレクトロニックやヒップホップなど、より個性が際立った音楽ジャンルを多く使用しています。一方で、月城柳やライトなどのキャラクターEPでは、より親しみやすく、一般の方々にも馴染み深い曲調を試みています。異なるタイプのユーザー層では、美的センスや好みがそれぞれ異なるため、ひとつの音楽スタイルだけで全員を満足させるのは困難です。そのため、『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽制作においては、自分たちのコアな部分の音楽の特徴を維持しつつ、可能な限りさまざまな音楽スタイルに挑戦することを目指しています。これにより、みなさんにもっと多様な音楽の選択肢を提供したいと考えています。

 『ゼンレスゾーンゼロ』はそれ自体が独特なスタイルを持つゲームです。そして、現在のプレイヤーからのフィードバックを見る限り、音楽がその魅力をさらに引き立てる重要な役割を果たしているのはたしかです。今後もみなさんの意見を取り入れながら、新しい音楽の可能性に挑戦し続け、『ゼンレスゾーンゼロ』ならではの音楽を制作していきたいと思います。そして、ゲームの中でも外でも、みなさんに極上の音楽体験を楽しんでいただけるよう努力していきます。

――日本語の記事として詳細な情報がほとんど出回っていないので、TiëstoとLucas & Steveが関わった楽曲「ZENLESS」について、あらためてお聞きしたいです。ダンスミュージック界のレジェンドとコラボレーションに至った経緯を教えてください。

Wutao:まず、コラボする音楽ジャンルの選定において、私たちは最初からエレクトロニック・ミュージックを選ぶことを明確にしました。そして自然に思い浮かんだのが、楽曲の制作だけでなくパフォーマンスもできるアーティストでした。最終的にTiëstoとのコラボが決まったのには主に2つの理由があります。一つ目は、私自身が2000年代初頭から彼の音楽が大好きで、彼の功績に大きな敬意を抱いていたことです。二つ目は、Tiëstoおよび彼のチームと交流するなかで、双方の創作や美学の理念が非常に合致していると感じたことです。こうして、今回のコラボが実現しました。

ZENLESS - Tiësto × ゼンレスゾーンゼロ

Wutao:今回のコラボの過程では、多くの困難にも直面しましたが、だからこそ非常に多くのインスピレーションを得ることができました。たとえば、楽曲とゲーム要素をより完璧に融合させるために、ゲーム内の人工知能アシスタント「Fairy」の音声データをTiëstoに提供しました。この音声は最終的に「ZENLESS」という楽曲のストーリーテリングや歌詞の重要な要素となりました。

 Tiëstoとのコラボの成功は、今後の音楽制作にとって非常に貴重な経験をもたらしてくれました。また、TiëstoのファンでHoYoverseのゲームをプレイしたことがないエレクトロニック・ミュージックの愛好者が、『ゼンレスゾーンゼロ』に興味を持ち、ゲーム内の音楽が彼らの好みにも合うことを発見しました。一方で、『ゼンレスゾーンゼロ』を楽しんでいるプレイヤーたちがこの手の音楽やTiëstoに関心を持ち始めるという現象も見られました。このように相互に促進し合う、協力による成長効果こそが、今回のコラボで得られた最大の成果の一つです。

―― EDM以降、Tiëstoはエレクトロニック・ミュージックにおいてあらゆるサブジャンルの楽曲をリリースしてきました。「ZENLESS」を作るにあたって、何かスタジオ側からオーダーしたのでしょうか? あるいはTiëstoに一任した形でしょうか?

Wutao:「ZENLESS」はコラボ楽曲であり、私たちのチームはTiëstoと創作の各重要な段階で密接に交流し、コミュニケーションを重ねてきました。相手に十分な創作の自由と空間を提供する一方で、互いにアイデアを「ぶつけ合い」ながら、最終的に『ゼンレスゾーンゼロ』とTiëstoだけのベストな音楽を作り上げることができました。

 『ゼンレスゾーンゼロ』チームにとっては、音楽を専門的な視点だけでなく、ゲームの視点からもアプローチすることが重要でした。そのため、Tiëstoに対して『ゼンレスゾーンゼロ』のこれまでの音楽や映像など、さまざまな関連コンテンツを共有し、新エリー都の世界が持つ独自のエネルギーや雰囲気をより深く理解してもらうよう努めました。これにより、ゲームが彼のインスピレーションの源となり、「ZENLESS」はゲームとプレイヤーの間にある感情的なつながりをしっかりと捉えることができました。そして、この楽曲を聴いたプレイヤーたちが、動感と没入感に満ちたサウンドを通じて共鳴できるように仕上げました。

――ゲーム内のダンスミュージックにおけるアイデアの豊富さに驚かさせるのですが、Ver.1.3で追加された「擬似的激戦試練」のBGMを聞く限りでは、今後もこのゲーム内ではテクノやハウスといったサブジャンルが重要な役割を果たすように感じます。現時点で、何かBGMに関するアイデアはありますか?

Wutao:『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽制作では、比較的自由なアプローチを取っています。『ゼンレスゾーンゼロ』の特徴に合っていれば、どのような音楽でも挑戦することを厭いません。ジャンルを限定することはありませんが、プレイヤーの音楽に対するフィードバックを継続的に取り入れ、既存の音楽コンテンツを振り返り、改善を図っています。現時点では、ゲーム内ではダブステップやトラップのスタイルを取り入れたBGMが比較的多くなっています。一方で、たとえば零号ホロウなど、プレイヤーが長時間プレイするエンドゲームコンテンツについては、将来的に何度聴いても飽きないような楽曲を目指していきたいと考えています。全体的な方向性としては、開発チームと密接に連携し、それぞれのコンテンツの目的やプレイヤーのタイプ、好みに応じたスタイルで、多様なプレイ体験にマッチしたBGMを制作していきます。

ニコ実戦紹介「ビジネスのちから」| ゼンレスゾーンゼロ

――今年8月に実施された音楽フェス『Creamfields』とのコラボはゲーム業界における快挙だと感じます。なぜこのフェスだったのでしょうか。『Ultra』や『Tomorrowland』など、ほかにもエレクトロニック・ミュージックを主体とするフェスはありますが、Creamfieldsとのコラボはどのようにして決まったのですか?

Wutao:まず、『ゼンレスゾーンゼロ』自体の音楽に目を向けると、オフラインの公演を行う場合、エレクトロニック・ミュージックやDJが最も適したパフォーマンスの方向性だと考えました。そこで、まず世界的に有名なエレクトロニック音楽フェスティバルに注目しました。次に、『ゼンレスゾーンゼロ』のリリースプロモーションや音楽の制作スケジュールなどの客観的な要因を考慮し、さらに選択肢を絞りました。そしてCreamfieldsのチームと話し合い、双方の理念が非常に合致し、パフォーマンスの形式などについてもすぐに意見が一致しました。こうしてついにCreamfieldsの舞台に立つことができたのです。まさにご縁によるものと言えるでしょう。将来的には、さらに多くの機会を通じて、さまざまな音楽フェスティバルで驚きに満ちた音楽パフォーマンスをみなさんにお届けできればと願っています。

極限依頼 | 2024 ゼンレスゾーンゼロ パフォーマンス 完全版

――2010年代、多くのダンスミュージックのプロデューサーやDJがヨーロッパやアメリカを拠点とするレーベルやフェスを目指していたように思うのですが、近年はゲームやメタバースがひとつの選択肢になっているように感じます。その意味でも、乙(San-Z Studio)としてCreamfieldsに出演したのはひとつのメルクマールになるような気がしています。メタバース関連で何か考えていることはありますか?

Wutao:Creamfieldsでの公演は、『ゼンレスゾーンゼロ』にとっては初めてのオフラインでの音楽パフォーマンスの試みでした。私たちは今回の公演に対するプレイヤーのフィードバックに非常に注目しており、現時点では公演の反響は良好なようです。Creamfieldsで披露した楽曲以外にも、私たちはすでにたくさんの曲を持っており、それらをさらに演出で表現することができます。そのため、今後さらに多くのオフライン公演の機会があればと思っています。とはいえ、現時点ではチームとして、音楽コンテンツの制作そのものに引き続き重点を置いていく予定です。

キャラクターごとのEP制作はチーム内のスムーズな連携によって可能に

―― EPではダンスミュージック以外の音楽も参照しています。キャラクターごとに楽曲を制作するアイデアは面白いと思う反面、プロデューサー陣の負担が非常に大きいのではと感じます。レーベル目線で考えたときにも、約3週間に1曲のペースで、しかもMV付きでリリースするのはなかなかチャレンジングなのではないでしょうか。どういったシステムでこれを実現しているのでしょう?

Wutao:ゲーム音楽の役割は、ゲーム自体のシーンやキャラクターに寄り添うことにあります。また、音楽のリリーススケジュールも『ゼンレスゾーンゼロ』のゲーム内容のプロモーションペースに合わせています。そのため、定められた高頻度のリリース要求を満たすには、チームの専門性がとても重要になります。

 一方で、私たちの音楽プロデューサーたちは経験豊富で、『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽のトーンを深く理解しており、録音、ミキシング、監修など音楽制作のすべての工程に精通しています。そのため、制作の初期段階から「速く」「的確に」「確実に」制作の方向性を捉え、迅速に作業を進めることができます。また、各楽曲の制作過程では、音楽チームが内部のさまざまなチームと連携しています。たとえば、キャラクターEPのMVは主にマーケティングチームが担当していますが、『ゼンレスゾーンゼロ』のチーム間の連携は非常にスムーズです。ゲームのリリース以降、複数回にわたる部門を超えたコラボを経験したことにより、チーム間のコミュニケーション効率も着実に向上しています。要するに、プロフェッショナルなチームと円滑な協力体制が、私たちが高速かつ高品質で音楽制作を完成させるための重要な要素なのです。

ライトEP「Fearless」 | ゼンレスゾーンゼロ

――月城柳の「途切れて続く」は日本語楽曲ですが、元祖シティポップの趣を感じました。この曲は何をリファレンスにしていたのでしょうか?

Wutao:「途切れて続く」という楽曲を制作する際、私たちは社会人が仕事や生活について考える思いをより多く込めました。これまでの仕事のなかで、私は幸運にも日本のチームと協力した経験があり、日本で一時期働いたこともあります。私個人の体験として、日本での仕事は比較的ペースが速く、毎日家に帰るまでの道のりが一番思考にふける時間でした。この曲では、忙しい仕事の合間に感じる生活の意義を表現したいと思いました。そして、この楽曲を通じて、すべての人が仕事や生活に共感し、自分自身の物語を思い出していただけたらと願っています。

 対ホロウ六課の設定のインスピレーションの一つは実は「サラリーマン」です。月城柳は仕事が大好きなキャラクターで、この曲ではまるで退勤後のプロジェクトマネージャーのような姿を描いています(笑)。音楽は人文的な情感を含む有声のアートです。この曲を聴くことで、みなさんが現在の生活について何かを感じ取り、思わず微笑んでいただければ幸いです。

月城柳EP「途切れて続く」 | ゼンレスゾーンゼロ

――フィールドミュージックでは「60%の日常・カジュアル」で使われているギターのフレーズが印象的です。六分街のフィールドミュージックの主軸はLo-Fiヒップホップだと思うのですが、ほかのジャンルからアイデアを得るケースもありますか?

Wutao:客観的な音楽制作のスケジュールから見ると、私たちの楽曲制作のペースとプロセスは非常に速く、かつ緊密です。そのため、ほかの音楽作品を参考にする時間はあまりありません。むしろ、ゲームの内容やチーム自身の感性や表現を基に制作を進めています。

 「60%の日常・カジュアル」という曲を例に挙げると、私たちは制作の際、まずシーンのデザインからインスピレーションを探しました。この曲では、世界の災害後に再建された都市の中での楽観的な態度を音楽で表現したいと考えました。過去を変えることはできなくても、人々はいまを楽しむことを学ばなければなりません。そのため、Lo-Fiやファンクのスタイルは、私たちが伝えたい感情にぴったりと合致しました。

 『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽を聴いたとき、みなさんが自分自身の置かれた環境や経験と結びつけて、それぞれの理解や感想を持っていただければと思います。もちろん、それには過去に聴いたほかの楽曲や、そのときに感じた似たような感情を思い出すことも含まれるかもしれません。

プレイヤーたちに提供したい“予測されない”驚き

――Creamfieldsのようなイベントが、将来的に日本を含めた他国でも行われる可能性はありますか?

Wutao:『ゼンレスゾーンゼロ』は、世界各地で長期運営を目指しているゲームであり、音楽も全世界のプレイヤーに向けて丁寧に制作されています。私たちのチームは、地域を超えたコラボに対して非常にオープンな姿勢を持っており、各地域で信頼できるパートナーと連携しています。そのため、世界のさまざまな地域で同様のイベントを開催できることをとても楽しみにしています。特に、日本のように『ゼンレスゾーンゼロ』を愛してくださる多くのプレイヤーがいる地域では、そうした機会があることを心から歓迎します。もしイベントなどのよい機会があれば、ぜひご連絡ください。

――San-Z Studioの作風とクオリティを考えると、レーベルとしての可能性も大いに感じます。今後もTiëstoのように国内外の外部プロデューサーがゲームに関わる可能性はありますか?

Wutao:『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽チームとしては、ゲーム内でより多様な音楽スタイルや体験を提供したいと考えています。そのため、Tiëstoを含め、これまで外部の音楽アーティストとさまざまなコラボを行ってきました。たとえば、各キャラクターEPでは、世界各地の歌手との協力も行っています。今後も引き続き積極的に外部の音楽アーティストとのコラボを推進し、新エリー都に活力に満ちた音楽作品をお届けしていきたいと思います。

『ゼンレスゾーンゼロ』OP | Come Alive

――Ver. 1.4以降の『ゼンレスゾーンゼロ』の音楽において、ユーザーが期待すべきこと、期待してほしいことは何ですか?

Wutao:ゲームと音楽は相互補完的な関係にあり、1+1が2以上の効果を生み出します。異なる音楽デザインが、異なるシーンやキャラクターと組み合わさることで、プレイヤーにまったく異なる感覚を与えることができます。Ver.1.4では、新しく開放されたエリア「ポート・エルピス」が登場します。この港では時間帯の変化に応じて、戦闘音楽も変わる仕掛けになっています。BGMを通じて、新しいシーンを体験するときの没入感を高めることができれば幸いです。未来の展望について言えば、プレイヤーに予測されてしまうようでは、それは驚きとは言えません(笑)。私たちは、音楽において常に新鮮で斬新な体験をお届けできるよう努めていきたいと考えています。

 最後に、この場をお借りして、私たちの音楽を好きになってくださったすべてのみなさんに心から感謝を申し上げたいと思います。みなさんは本当にエレクトロニック・ミュージックをよく理解してくださっています。また、ぜひ『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイしながら、ストーリーやマップを進めるなかで、私たちの音楽を聴いていただければと思います。そうすることで、ゲーム音楽を最も魅力的で完璧な形で楽しむことができるでしょう。

※『ゼンレスゾーンゼロ』音楽制作舞台裏のドキュメンタリーはオフィシャルYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@ZZZ_JP)で公開予定。

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