“新規歓迎”の優しさ+死にゲーの緊張感 次世代ハクスラRPG『Path of Exile 2』プレイレポート

 12月7日よりアーリーアクセスを開始した『Path of Exile 2』をプレイした。

 本作は長期運営が続いているゲーム『Path of Exile』の続編。“ディアブロライク”と称されるタイプのハック・アンド・スラッシュRPG(大量の敵を倒し、ドロップアイテムを厳選してさらに強力な敵を倒すのが目的のゲーム)である。

 前作とは大きく要素を変更した点について、意見が真っ二つに分かれているが、筆者は比較的楽しく遊んでいる。では、それらについてひとつずつチェックしていこう。

ハクスラの爽快感か、死にゲーの緊張感か

 本作の舞台は、前作と同じレイクラストという世界。とある地では、狂気に陥った伯爵が毎晩のように市民を処刑していた。主人公たちも伯爵に捕まって殺されようとしているが、すんでのところで脱出。裸一貫で浜に放り出されたのち、復讐のために旅立つのだった。

 中世ダークファンタジーを地で行く鉄板の世界観であり、画面はずっと陰鬱で重苦しいが、グラフィックの質は非常に高い。アンデッドの湧く墓地や、地下茎の蔓延る洞窟など、王道のダンジョンがいくつも用意されている。

 アーリーアクセスの時点で、50以上のボスや400体以上のモンスターが登場し、そのどれもこれもがユニークな動きをする。どうしてもハクスラRPGというのはファーム(レベル上げやアイテム集めのこと)が退屈になりがちだが、気を抜くとザコ敵に殺されてしまうので、なかなか気を抜けないのは良い点だった。

 ゲーム進行自体は『ディアブロ2』と同じく、用意された一本道のシナリオを遊ぶことになる。途中で村人のリュートを探してあげたり、村にある儀式のトーテムを破壊したりするクエストはあるが、プレイは任意である(といっても、ストーリー上のボスが強いので、ほとんど必須のようなものだが)。

 序盤から敵が落とすアイテムや武器には特定のパッシブ能力がついていることがほとんどであり、トレジャーハントがすぐに楽しめる。それらを吟味しつつ、壁紙かと思うほど広大なパッシブスキルのツリーをちまちまと進めていくところは、ハクスラRPGらしい楽しみに満ちていた(もう少しレアドロップが多くてもいいような感じもするが……)。

 特に、自由度が高いゆえにビルドの構築が難しかった前作に比べて、今作のスキル・ジェム・装備周りはおおむね改修されており、オススメのとおりに遊んでいけばなんとなく強くなっていくので、新規も入りやすくなっている。

 初めてハクスラに触れる人にも楽しんでもらうために施策が設けられている良いゲームだとは思うが、やや評価が分かれるポイントもあった。

 まず、ボスが強すぎるという点である。

 本作は明確に『ダークソウル』などを始めとするソウルライクに影響を受けており、一般的なハクスラRPGに比べるとボスが強力である。そして全キャラクターが初期からローリングができるので、基本的にはボスの攻撃の予備動作を見てころころと転がって避けるのが推奨されている。

 しかしながら、ローリングしてボスをペチペチ殴る遊びは、無限にキャラクターを強くして敵のHPをドロドロと溶かすハクスラRPGの気持ち良さとはややぶつかっている印象もあり、素直に評価できるかというと難しいところがあった。

 とはいえ、ビルドにこだわらずともプレイヤースキルでボスを倒せるとも言えるし、マルチプレイで遊んだ際は、ボスの予備動作を皆で声かけして避けるなど、ハクスラRPGではあまり見ないような面白さがあったのも事実である。

 これまでのファンと開発のやりたいこととのあいだにできた溝であり、今後の運営によってどう舵を切るかが求められているポイントでもあるように思う。エンドコンテンツまで遊びつつ、運営がどう答えていくかを期待していきたい。

 また、この点もアーリーアクセスゆえの問題点だが、とにかくクラッシュによる強制終了が目立つ(筆者はPlayStation 5を使用している)。

 特にマルチプレイで遊んでいる際は一時間に一度はクラッシュするので、マシンに負荷をかけたくないという人は現時点でのプレイはちょっと考え直してもいいかもしれない。

 未翻訳の部分も多く、まだまだ開発途中ではあるが、これからコンテンツの拡充をしていくと公式はアナウンスしている。これから伝説になるかもしれないハクスラの黎明をこの目で見たいという人は、買ってみてはいかがだろうか。現段階では、ゲーム内のオープンチャットでプレイヤーたちが手探りでアイテムの効果を相談しあっており、そういう空気感を味わうのも楽しいだろう。

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