「自分だけは捕まらないと思っている」 経営学者が読み解く、闇バイトに応募する若者の心理とは 

闇バイトに応募する若者の心理とは 

リテラシー欠如だけではない問題

 したがって遠藤氏は「倫理どうこうは一旦置いといて、いま経済的に困窮している人や将来に強い不安を抱えている人が、危険な行為に手を出してでも一獲千金を狙うことは、誰しもが理解できるところでしょう」とさえ語る。

 闇バイトが横行しているのは、リスクを取らざるを得ないほど追い込まれている人たちを生み出す経済状況を作った側にも、責任があるのかもしれない。闇バイトを“若者の凶暴化”と安易に結びつけることは、不適切であると示す。

 さらには、闇バイトという言葉が一人歩きしている現状も問題視する。

 「闇バイトという言葉の普及に伴い、若者のネットリテラシー欠如や倫理意識の低さばかりが指摘されています。しかし、これまでの話をふまえれば、闇バイトに関わる可能性があるのは、若い世代に限らないことがわかるでしょう。詐欺集団は、何らかの事情で借金を抱えている人や、いまを生きるのに精いっぱいの人すべてをターゲットにしています。つまりリテラシーや倫理ではなく、やはりお金の問題、経済の問題なのです。このまま“闇バイト=若者固有のトラブル”というイメージが定着すると、中高年の警戒心を緩めることになり、彼らにも被害が及ぶかもしれません」

 メディアが闇バイトという言葉を安易に使うことで、様々な年代の人たちが新たな犯罪に巻き込まれる可能性があることも、知っておかなければならない。

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