『18TRIP』はなぜ“人の心を動かす”のか 現実世界とリンクする「近未来おもてなしアドベンチャー」の魅力

 スマートフォンアプリゲーム『18TRIP(エイティーントリップ)』(iOS/Android)は、リベル・エンタテインメントとポニーキャニオンがおくる“近未来おもてなしアドベンチャー”ゲームだ。2024年5月にリリースされ、この11月にハーフアニバーサリーを迎える。

 『18TRIP』は「旅」をテーマに掲げ、近未来の横浜『HAMA18区』を舞台にさまざまな登場人物がドラマを繰り広げていく群像劇だ。人気の観光地は「独立観光特区」として躍進している近未来のJPN。かつては有数の観光特区でありながら、いまは落ちぶれてしまったHAMA18区を立て直すために、幼なじみと共に『HAMAツアーズ』という旅行会社で主任として働き始める主人公。各区に配置される「観光区長」となる仲間たちを集め、力を合わせようとするが……というドラマチックな物語である。作りこまれた世界観や個性豊かなキャラクター、心をつかまれる繊細な描写によって、熱心なファンが着実に増え続けている印象だ。

 なぜ『18TRIP』はこんなにも人の心を動かすのだろうか? ハーフアニバーサリーに際し、『18TRIP』の魅力にあらためて迫ってみたい。

一癖も二癖もあるキャラクターたちが織りなす、ドラマチックなストーリー

 まず『18TRIP』の最大の魅力として、コアなファンが口を揃えて語るのは「ストーリーの面白さ」だ。そしてその面白いストーリーを構成するのは、一癖も二癖もある登場人物たちである。

 女性向けゲームを語るうえで「個性的なキャラクター」の存在は外せないものだが、『18TRIP』の場合、すべてのキャラクターに「個性的」という枠におさまらないほど突き抜けた設定がなされている。物語の序盤では苛烈すぎる性格が提示されていたりもするため、最初は苦手だと感じてしまうこともあるかもしれない。だが、ストーリーを進めていくほど、彼らのバックボーンや言動の根拠が示されていき、些細な変化や本音を感じるたびに愛着が生まれるのだ。実際に筆者がゲームを始めた当初、行動に違和感を持ったキャラの印象が終盤に180度変わり、もう一度最初から読み返すことでより深く理解できたこともあった。

 メインストーリーで深堀りが足りないと思ったキャラクターについては、「区長カード」を育成したり、「きずなっぷ」を進めていくことによってキャラストーリーが解放され、彼らの本質に近づいたエピソードを読むこともできる。いわゆる「推し」ができたプレイヤーにとってはキャラクターへの理解が深まり、愛情も増すことだろう。

 そんな個性的な登場人物たちが、どこか不器用なコミュニケーションを通して親交を深めていくことで物語が進んでいく。区長たちは朝、昼、夕、夜と4つの班に分かれており、チームのなかで時に反発し合い、共感し、複雑な関係性を築き上げていく。チームの枠を超えた交流もところどころ描かれているが、まだまだ本編中に示されていない関係性も秘められているようで、イベントストーリーや今後の展開からも目が離せない。

 主人公の性別が選べ、ストーリーへの接し方が選べるところも魅力のひとつだ。男女選択は、ゲームの途中で切り替えることもできる。

 どちらの性別であっても、物語の導入部分から主人公の動機や根底にある熱心さの理由が明確に示されていて、人間関係の築き方に嫌味がない。主人公に自分を投影できる人はその一生懸命さに心を寄せられるだろうし、俯瞰的に物語を見る人にとっては主人公を応援したくなるような丁寧な描写がなされている。主人公にボイスがついていることも、物語に奥行きを生み出している要素のひとつだ。とはいえ群像劇なので、主人公はキーパーソンではあるものの独壇場になることはない。そのバランスが絶妙なのである。

 個人的に気に入っているのは、メインストーリーやイベントストーリーに共通して、さまざまなフィクション要素が内包されている部分だ。

 基本的には、登場人物たちが課題を乗り越え成長していくドラマがベースとなっているが、近未来が舞台なだけあってSFの要素も色濃い。さらに、ファンタジーやミステリー、スリルアクション、アイドルもの、ジュヴナイル的な要素など、各ジャンルの美味しい部分が巧みに組み込まれているのだ。

 新たな世界観のゲームは入り込みにくい・手を出しにくいと感じている人たちも、ストーリーの序盤さえ読めば設定などは把握できるように描かれている。メインストーリーはゲームの進捗状況や条件など関係なく読み進められるので、ゲームに親しんだことがない人でも、ストーリーそのものを楽しむことができるのではないだろうか。

多忙な人でも楽しめるバトル、平成レトロなUIデザイン、そして上質な音楽

 この魅力的なストーリーを彩り、アプリゲームとしての強みを底支えしているのが、ゲームシステムである。

 「おもてなしバトル」は、初心者でも楽しめるタワーディフェンス風のミニゲームで、ミニキャラとなった区長をつまんで舞台となる観光地に配置する。背景にはスタイリッシュに描かれた実際の観光地が置かれているのも楽しい部分だ。

 前述のとおり、「おもてなしバトル」のみならず、各キャラクターを深堀りするためにもカードを集める必要があり、「リクルート」といういわゆる「カードガチャ」が存在する。レア度に関係なくあらゆるカードを使用する場面が多くあるので、育成は奥深くさまざまな楽しみ方ができるだろう。

 他にもさまざまな機能が搭載されており、多様な形でカードを強化しキャラクターを深堀りすることができるが、「やってもいいし、やらなくてもいい。でもやった方が楽しめる」という形式なので、「どこまでのめり込むかは自分次第」というところもプレイヤー事情に配慮された設計だと感じる。特に「おもてなしバトル」には「オート周回」が搭載されており、ゲームアプリを閉じていてもバトルが自動的に進むのも特筆すべき部分だろう。APを無駄にすることなくゲームを進められるので、スマホをさまざまな用途に使用している人や多忙な人もゲームを進めやすいはずだ。

 また、ストーリーを読み返すにあたって、小説を読み慣れている筆者にはノベルモードがとてもありがたい機能だった。お気に入りのストーリーやボイスをブックマークできるのも、ストーリー重視のプレイヤーにとってはうれしいシステムである。

 そしてゲームとプレイヤーの距離を近づけてくれる大切な要素のひとつが、UIデザインだ。『18TRIP』の世界では、”レトい”をキーワードに平成ブームが起きており、懐かしいアイテムやデザインが登場する。平成チックなレトロでキッチュなテイストはゲームのUIデザインにも反映されていて、ゲーム全体を通してワクワクするようなカラフルな色遣いや、カセットテープなどアイテムが散りばめられている。それに加え、パスポートのスタンプや航空券を思わせるデザインも各所に配置されていて、近未来の旅路を体感させてくれる。

 さらにこの物語を彩る上質な音楽も、彼らの旅を身近に感じさせてくれる。主題歌である「グッドラック」はPenthouseの浪岡真太郎が作編曲、大原拓真が作詞を手掛けたことでも話題になったが、それぞれのユニットのテイストに寄り添ったさまざまな音楽が展開される。メインストーリー各章のOP曲や、各班ファーストツアーの最後、区長たちがライブパフォーマンスをするシーンで披露されるED曲は、物語の内容やキャラクターに即した歌詞が心を打ち、組み合わせの妙が心憎いデュオ曲などと、多彩な音楽が用意されているので、きっとお気に入りの一曲と出会えることだろう。

横浜中華街
函館・金森赤レンガ倉庫

 旅をテーマに掲げているコンテンツらしく、実際に存在する観光地がゲーム内に登場するのも特徴のひとつ。ストーリー内のスチルや背景に現実の観光地を思わせる描写があるのはもちろん、ゲーム機能としてゲーム内に登場した観光地を訪れた際にGPS機能で記録ができる“旅LOG機能”や、キャラクターたちと撮影ができるARカメラ機能も搭載されている。『18TRIP』における近未来と、いまを生きるプレイヤーを繋ぐ重要な要素だ。

ここではない未来を描きながら、現実世界とリンクするゲーム

 『18TRIP』は、現実と違う未来を描いた作品であるからこそ、私たちが生きる現実に深く干渉するゲームだと思う。

横浜駅

 近未来が舞台となっていても、「旅」という身近なモチーフがテーマとなっていて、実際に行くことができる日本各地の観光地が現実に存在している。実際の手触りや肌感覚をゲームの中で感じた感覚とリンクさせる体験は、単なる「聖地巡礼」にとどまらずイマジネーションを刺激することだろう。

 また現実世界と同じように、さまざまな世代、さまざまな立場のキャラクターたちが、それぞれ何かを抱えている。それはプレイする人の世代や立場を限定せず、幅広い層に刺さる要素があるということだ。

 『18TRIP』で描かれる先進的な価値観や、ワクワクするような舞台設定、技術の発展は、現実の未来にも期待したくなるものだ。一方で主人公含めキャラクター同士の密なコミュニケーションは、未来であっても泥臭く、光があれば闇も生まれる。そんな魅力的なキャラクターたちの奮闘から生まれる数々の小さなハッピーエンドは、非情な現実や複雑な人間関係に疲れ悲観しているような人にも、元気と希望を与えてくれるはずだ。

 現実を生きる私たちの「体験」としての『18TRIP』が、ハーフアニバーサリーを超え1周年、そしてその先――と、どんな風に旅をして思い出を紡いでいくのか。今後も楽しみに見守り続けたいと思う。

■ゲーム内ではハーフアニバーサリーを記念したイベントやキャンペーンを開催!

 11月22日(金)より、ハーフアニバーサリーイベント『HAMAツアーズファン感謝祭 vol.1』を開催! その他にもアプリリリース半年を記念して区長20名が登場するリクルートや、最大7日間ログインすると合計ダイヤ300個などがもらえるログインボーナスも実施中。     

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