“パック開封”に25年前の記憶が蘇る…初心者トレーナーが『ポケポケ』やってみた

 カードゲームにはよくあることだが、SNSとの親和性の高さも、楽しくプレイできている要因である。

 『ポケポケ』にもやはり課金要素はあり、課金して強いカードを揃えたデッキには太刀打ちできないという面もある。初手で「フリーザーEX」を出され、トレーナーカード「カスミ」を使われて3枚エネルギーをつけられると文字どおり手も足も出ない。

 このように課金している人が強くなる構図はあるが、SNSではそういったデッキに対抗するためのデッキレシピを公開している人が多い。デッキ枚数も20枚のため、無課金でも集めることは容易だ。なかにはレアリティが低く、集めやすいカードで組んでいながら強いデッキレシピを紹介する人もいる。

 課金している人と10戦やれば当然負け越すが、一発勝負であればパワーカード不在のデッキでも善戦できるところが面白い。勝てるデッキの情報を手軽にゲットできるところも、初心者からすればありがたいところだ。

 またSNSで言えば、レア度の高いパックの選び方も出回っている。いわゆる“サーチ”だ。実際にSNSで「いいね」を集めていたサーチ法を数回試したが、ほぼほぼレアカードはなし。そんなウワサ話に心躍りながらパックを選ぶこともどこか懐かしさを感じる。パックを開封するときの振動や指でなぞる感覚など、さらにワクワクさせてくれる演出も見事だ。

 ほかにも、バトルだけではなく“コレクション”という観点でも楽しむことができる。大前提としてポケモンはかわいい。そんなポケモンを対戦のためではなく、愛でるために集めたくなる。ポケポケではポケモンカードの世界に飛び込んだ気持ちになれるイラストが描かれた 「イマーシブカード」というものがあり、ポケモンの日常を覗き見するような感覚に浸れる。強さだけを競うのではなく、コレクションを楽しみたい人にも配慮された設計だ。

 遊びどころが多く、ガチ勢からライト層まで広く楽しめるデザインができている『ポケポケ』。筆者同様に「ガチ勢にボコボコにされるのは怖いけど 、『ポケポケ』をやりたい」と考える人は一定数いると思うが、現状はランクマッチ等の緊張感あるバトルも少ないため、安心してポケポケの世界に飛び込んでほしい。

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