“継続メンバー制度”に“カリスマ的な卒業生”…番組開始8年目『今日好き』はなぜ人気を保っているか?

『今日好き』はなぜ人気を保っているか?

② 高校生離れしたビジュ&圧倒的な個性ーー旅に参加するのは、“カリスマ高校生たち”

 誰かからプレゼントを贈られたとして、外箱の見栄えがよくとも、中身がつまらなければ意味がない。が、『今日好き』はその点においても安心である。旅に参加するのは、どのシーズンを見渡しても、圧倒的なビジュアルとキャラクターを備えたカリスマ高校生たちなのだから。

 詳細は後述するが、ティーンの憧れ、かつ次世代スターの登竜門となっている『今日好き』。運命の恋人、そして“今日好きブランド”を求めて、全国屈指のモデルやインフルエンサーが集うわけである。筆者はたびたび、カップル成立メンバーに取材をする機会をいただくのだが、毎回のように「彼らは本当に高校生なのか? 自分たちの頃とは“垢抜けの次元”が違いすぎて、大人っぽく見えてしまう」と魂を抜かれてしまっている。

 また、持ち前のコミュ力でムードメーカーとなるメンバーや、押しの強さですべてを解決しようとするギャル、好きになった人の幸せを願う、MBTI診断でいえば“仲介者”的な存在までーー数日間の短い時間でも伝わる、各々の個性もまた心惹かれる理由のひとつである。

 一人ひとりの“キャラ立ち”は、さながらドラマや漫画のよう。だからこそ、シーズンごとに新たなメンバーを迎えても、旅が終わる頃には全員の名前を空で言えるようになってしまうのではないだろうか。先日の「今日好き 公開オーディション」でも感じたが、こんなに毎度、魅力的な高校生を集められるなんて。番組のキャスティング担当に、賛辞を届けたいばかりだ。

<筆者が選んだ推しシーズン>

 『蜜柑編』(2022年1〜2月放送)。参加メンバーのキャラ立ちが番組屈指。第一声が「燃えるような恋をしにきました!」のたいよう(白間太陽)を筆頭に、ティーンに絶大な人気を誇るゆな(みとゆな)、『今日好き』が生んだ“歩くプリクラ”ことるる(実熊瑠琉)、番組の伝説となる“お肉事件”を巻き起こしたまやと(中里真哉斗)ら、“キャラ渋滞”と思われても仕方ないほど、個性豊かなメンバーが勢揃い。

③ 意外とここも大事なポイント?ーーコンパクトな視聴時間と“起承転結”

 人におすすめされたドラマや映画ーー誰しも、最初はとっつきづらいものである。だが『今日好き』だと話は変わってくる。オンエアは、1話ごとに約50分。かつ、1シーズンおおよそ5話完結。ドラマほど話数も多くなく、映画とは違い各話の終わりに休憩を挟みながらの視聴もできるのだ。さらにいえば、メンバーが新シーズンのたびに入れ替わるので、基本的にはどこから観ても内容を掴みやすい。このあたりの視聴ハードルの低さもあり、その観やすさゆえに夜更かしして次のシーズンを……と、翌朝に眠い目をこすったのは筆者だけじゃないはず。

 また、最終的にカップル成立か否かという、物語の“起承転結”が明確なのも大きなポイント。単純に、誰が誰と結ばれるのかは言わずもがな。それまでの過程だって気になるものだし、時には確実だと思われた恋が切ない結果に終わったり、成立カップル0組で幕を閉じたりすることも。人の心が関わる、いわば水物のため、本来の時間が持つ以上にドラマ性を纏っているのかも? また詳細は後述するが、ここまで記したような単発での観やすさもありながら、同時に継続メンバーが登場する“シリーズ物”としての側面も、人気の理由として大きく活きているのだと思う。

<筆者が選んだ推しシーズン>

 『フーコック島編』(2023年4〜5月放送)。参加した9名のうち、継続メンバーは1名のみ。ほとんどが新規組なため、前知識いらずでフレッシュな恋を楽しめる。2023年度初回ということで、ここから最新シーズンまで、数日間の夜鍋で一気観会を開催するのもあり?

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