『キングオブコント2024』優勝本命芸人は? 要注目5組のYouTubeチャンネルから分析

コットン

 3組目は、いまやテレビで見ない日はないほどの人気を誇るコンビ・コットン。女性役を得意とし、あの脚本家・三谷幸喜が認めるほどの高い演技力が持ち味のきょんと、芸人界でも自他共に認める「稀代の陽キャ」である西村、個性抜群の2人が織りなすドラマ型のコントは細部までこだわったストーリーと、登場人物のリアリティさによって、まるで一本の長編映画を見た時のような充実感がある。

 YouTubeチャンネル「コットンシアター」では、2人の人間性をより深く知ることができる。特に「コットンのラジオパレード」(通称:ラジパレ)というトーク企画では日常にあった出来事から出演番組や共演者との裏話まで実に100本以上の動画がアップされている。なかでも反響が高かったのが、『ラヴィット』(TBS)で共演中のSnow Manの宮舘涼太と西村が食事に行った話だ。店に入り、個室で宮舘と相まみえた瞬間の優雅な雰囲気を「王様に謁見した下僕」と例えるなど、普段なかなか知ることができないトップアイドルのプライベートな話を抜群のトーク力を展開させていた。ラジパレを聴けば、なぜコットンがここまでの人気を誇るのかその一端を知ることができるだろう。

コットンのラジオパレード#139「舘様とお酒を交わした夜」【2024.3.9】【Snow Man】

ロングコートダディ

 4組目は、M-1グランプリとキングオブコントで2度ずつ決勝進出を果たしているコンビ・ロングコートダディ。2021年の効率は死ぬほど悪いが異常に筋力がある軽作業員「井上さん」、2022年の料理番組の収録で料理人がセットの看板に頭をぶつけて帽子を落とし続ける「料理頂上決戦」など、堂前透が生み出す兎の独特な雰囲気を活かしたネタは一度見たら忘れらない中毒性がある。

 彼らのYouTubeチャンネルは2つあり、主にネタ動画をアップする「ロングコートダディゾーン」と完全に「ゲーム」に特化したチャンネル「ロングコートダディ和尚のゲーム念仏」の2つ運営しており、ゲーム念仏では彼らの新たな一面を覗かせていた。

 ゲームが大好きな2人がゆるくトークをしながら話題作を実況プレイするチャンネルなのだが、ささいなコメントの一つひとつがとんでもなく面白い。最新回では、Nintendo Switchなどで発売されている『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』をプレイしており、興奮のあまり瓦屋根を「瓦礫屋(がれきや)」と読み間違える天然な兎と、兎をなだめつつ絶妙にツッコミを入れる堂前のコンビネーションを味わうことができる。決勝でもどこまでもマイペースな2人の世界観を存分に見せつけてほしい。

ドラえもん物語…アフレコ…うっ…【ドラえもんのどら焼き屋さん物語念仏#1】

ダンビラムーチョ

 最後に紹介するのは、ロングコートダディと同じくM-1グランプリとダブルで決勝進出となるコンビ・ダンビラムーチョ。主に歌ネタを得意としており、耳をつんざくようなハイトーンボイスの持ち主である大原優一と、腹に響く低音ボイスの持ち主の原田フニャオのハーモニーの相性は聴き心地抜群。M-1グランプリ2022で見せた森山直太朗の名曲「生きとし生ける物へ」を歌い合うネタは敗退こそしたものの、その衝撃は未だにお笑いファンの間で語り継がれるほど。

 YouTubeチャンネル「ダンビラムーチョ」では、共に高校野球出身経験者という経歴を活かし数々の野球あるあるを投稿している。特に大原が演じる「エグいことを言う監督」は絶品で、なにか気に入らない行動をされるとすぐに選手をスタメンから外す嫌な監督を怪演している。

 決勝では歌で来るのか、野球で来るのか、はたまた全く違うダンビラムーチョを見せてくれるのか、楽しみでならない。

修学旅行中に少しはしゃいだだけなのにエグい事を言う監督

 「歴代最高」と言っても過言ではないメンバーが揃ったキングオブコント2024。お笑い界の歴史に新たな1ページが刻まれる決戦の日を、いちお笑いファンとして心して迎えたい。

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