東野幸治がYouTubeで1対1のトークバトル 芸人に俳優…漫画家まで登場するジャンルレスな対談
『ワイドナショー』(フジテレビ)や『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)など、MCとして見ない日はないほどの活躍を見せているベテラン東野幸治が撮影から編集までを自らが行っているチャンネルをご存知だろうか。
その名は「東野vs」。若手からベテランまで様々な芸人を呼び出し、場合によっては赴き、1対1のトークバトルを繰り広げていく。チャンネル名の由来は南海キャンディーズの山里亮太と年に1回行っているライブ「東野幸治vs山里亮太」にちなんで、山里が名付けたもの。記念すべき1本目のトーク相手も山里となっている。
そこで「50歳のときに若手社員に動画を送ってボロカス言われるのが辛いから、10年計画で編集を覚えたい」と立ち上げの理由を明かしていたのだが、齢50とは思えないほどの圧倒的なバイタリティは恐怖としか言いようがない。
前述した通り、大勢の芸能人を回すMCとしてのイメージが強い東野だが、彼の凄さが最も引き出されるのは1対1のトーク。人の深層心理に土足で踏み込むその芸風は「白い悪魔」と呼ばれている。
その恐ろしさはこのチャンネルでも存分に発揮されており、ウエストランド井口浩之ゲスト回では、相方の河本太タクシー噛みつき事件直後ということもあり終始申し訳なさそうな態度を取る井口に、(ショック受けてるみたいに)「ちょっと芝居してんねやろ?」「お前全然反省してへんけどはしゃがれへんからちょっとずっともじもじしてる感じに落とし込んでねんやろ?」「お前が悲しみ漫談みたいになってるから」と全てを見透かし井口の本音を全て引き出していた。
次のトーク相手は基本的に前の相手に数珠繫ぎ形式で紹介してもらう『笑っていいとも!』(フジテレビ)のテレフォンショッキングのようなスタイルを踏襲しており、3人に電話して繋がらなければまた一番手の山里に戻っていくというルールなのだが、たとえばゆってぃ→ラランド・サーヤなど、まったく予想していない意外な相手に繋がっていくのが本当に面白い。
芸人だけでなく、タレントの結、漫画『映像研には手を出すな』の原作者・大童澄瞳、ラップグループchelmicoのMamikoなど、ジャンルレスな相手に繋がることもあり、もはや誰が来てもおかしくはない。このライブ感とワクワク感を味わえるのはテレフォンショッキングなきいま、東野vsだけだろう。
前述した通りチャンネル運営に関わる全てを東野一人で行っているのだが、特筆すべきは投稿されているほとんどの動画は東野の「車内」から撮影されているという点だ。いっさい本人は映らず、助手席や後部座席に相手のみが映し出されている「主観トーク」は、いかに見栄えが良く、派手にするかが競われているYouTubeにおいて、逆に新しさを生んでいる。
なかでも最も衝撃的だったのが、1年前に投稿された『東野vs根建(囲碁将棋)』だ。
サムネイムの時点で違和感に気づくだろうか。終始「縦画面」になっているのだ。概要欄にも「失敗した!画面が変になりました。めちゃくちゃ見にくいです。皆さんすいません。根建君すいません。2度目の話なのに初めて聞いたっぽい感じにするのは違うので撮り直ししませんでした。それぞれ工夫してみてください。」とあるが、完全なるミス。24分にも渡って横向きの根建太一が映し出されるという異常映像が仕上がっていた。そして、それをいっさい修正することなくそのまま公開するという大胆さ、これぞ「東野幸治」と言わんばかりの恐ろしい動画だった。
「vs」シリーズ以外にも共に昼食を楽しむ「ランチ」など、動画の幅がどんどん広がっている。今最もストロングスタイルで、最も伸びしろのあるチャンネル『東野vs』。10年後の姿が楽しみで仕方がない。
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