多様な方法で入力できるコントローラーがプレイを補助 肢体不自由児向けゲームイベント『パラeスポーツ・フェスタ』レポート

「ゲームをきっかけに世界を広げてほしい」

©SEGA

 今回は、本イベントの参加者に話を聞くことができた。外付けコントローラーを足元に2つ置いてリズムゲームをプレイするなど、テクニカルなプレイを見せていた先天性ミオパチーを持つ11歳の児童は、「いろいろゲームができて楽しかった」と語ったが、一方で、「『ぷよぷよ』で連鎖が出せなかった」「階段積みがあまり上手くできなかった」と悔しさも吐露した。いつも家で『ぷよぷよ』をする際は連鎖ができるものの、今回は大勢の参加者がいるために本来の力が発揮できなかったとのことだ。

 また、パリスター・キリアン症候群のため、物を持つのが苦手だったり、物に触れることに抵抗があったりなどの症状を持つ5歳児の母親は、参加理由として「いろいろなものに触れるきっかけとして参加しました」と回答。プレイする様子を見て「リズムゲームをプレイしているとき、ボタンを押すことにより、そのアクションが画面に反映されていることをとても楽しんでいました」と振り返る。自分が触れることで何かしらの反応があることに驚きと面白さを覚えており、その様子を見て「今回ゲームに触れたことをきっかけに自分の世界を広げてほしいですね」と目を細めた。

 もちろん、ハンディキャップがあることにより、プレイが難しいジャンルのゲームは存在する。ただ、肢体不自由の人が気軽にゲームをプレイできる環境が、確実に整備されていると感じた。また、いつもと違う環境で緊張する体験や、うまくいかず悔しいといった体験のように「こどもにとって当たり前」の経験を味わえたこともイベントならではだったのではないかと思う。本イベントが、参加者の今後の世界を広げる一つのきっかけになることを期待したい。

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