ぶいすぽっ!神成きゅぴ&夜乃くろむの“共通項”とはーー芯の強さと、才能を感じさせる歌
幼い振る舞いと、内側に秘める芯の強さを持つ新人・夜乃くろむ
そんな神成きゅぴのデビューから約3年後に加入した新人が、夜乃(やの)くろむである。2023年11月21日にSNSに初投稿、24日にYouTubeで初配信をしており、ちょうどデビューして半年ほどが経過したばかりの新人VTuber~バーチャルタレントである。
薄い藍色の長髪に、大きくキラキラと輝く瞳、手袋・ブーツは小さいベルトがいくつも施され、黒い薄手のシャツはボロボロでノースリーブ。ビジュアルを担当したイラストレーター・カンザリンの嗜好が「これでもか!」と詰め込まれたルックスは、デビューする前から大きな反響を呼んだ。
それと同じくらいに反響を呼んだのは、彼女のパーソナリティ・バイオグラフィ・デビューまでのエピソードだ。
配信を見てもらえれば分かるが、あまりにも甘すぎる彼女の声やトーンに「幼すぎる!」「子供みたい」という反応がリスナーや同僚からも相次いでいる。たしかに、笑い声は「キャハッ!キャハッ!」と聞こえて、まるで赤ちゃんのようである。
オーディションを受けて順調に試験を進めてデビューを飾った彼女だが、じつはプロジェクト内で初めて「条件付き合格」を告げられた人物だ。その条件とは、「『VALORANT』『Apex Legends』のランクを半年以内にダイヤモンド以上にする」というもの。
同作をどちらもプレイしている人であれば分かるかと思うが、そもそもゲーム性やプレイ感覚が大きく異なるふたつのタイトルで、多少ゲーム経験があったとはいえ「半年以内にランクをダイヤモンド以上にする」というのは、かなり高いハードルだ。それでもやり遂げたあたりに、まだまだ隠れたセンスがあるのかもと想像させられてしまう。
「すこし恥ずかしい話なんですけど、家があまり裕福ではなくて、バイトを3つ掛け持ちする生活をしていました。自分の時間もあまりなく、学生の頃からずっとそういう生活をしてきていた」
「ぶいすぽっ!の皆さんを初めて知ったとき、何よりも先に羨ましいと思った。同じ女の子なのにこんな人たちがいるんだと衝撃をうけた。ゲーム配信も今では仕事になるんだよって話を家族の中でしたとき、『ゲームが好きなんだし、やったらいいじゃん?』と何気なく言われたことがすごく響いて、オーディションに応募させていただいた」
デビュー配信でたどたどしく、しかし丁寧な言葉選びで語った彼女のバックグラウンドに心動かされたぶいすぽっ!ファンは多かっただろう。その後の配信でぶいすぽっ!の面接時を振り返り、このように話してもいる。
「意外と、物怖じしないことは重要かもね。面接のとき『最後に聞きたいことはありますか?』って言われるじゃん? 自分は『質問はないですけど、自分を採ったほうが良いと思います』って言った。なんでですか?と言われたので、『自分が素晴らしい人間だから!』って返した」
いひひ、と笑いながら話す彼女は、幼さすら感じられる声色、デビュー時からは多少ラフになった言葉選びで、このような含蓄のある言葉も残している。
「自分に自信がもてないって、本当に痛いほどよく分かるんだけどさ。自分の良いところなんて自分にしかわかんねぇし、もっと己のことを知っていきたいよね。自分でも自分のことを知らない人っていっぱいいる。でも、お前のことはお前が一番わかってんじゃね? じゃなかったら誰が分かるの? って感じじゃない?」
「みんな自分のことしか考えてないんだから、自分の良いところを見つけれるのも自分だし、自分を愛することができるのも結局自分しかいねーんだよ。だからLove Myself、自分を愛するだよ!」