“王子さま系男子”の中で光った個性 那須川天心の弟・龍心が『今日好き』で見せた“高校生としての一面”

最後に選ぶのは、まう、それともゆうか?ーー追う、追われる両方の立場

 とはいえ、やはり成長途中な17歳であることに変わりはない。『卒業編2024 in セブ島』5話終了時点で、りゅうじんの恋は思うようにはいかず。現状は、第一印象から気になっていた年下のまう(小國舞羽)を追いかけると同時に、ダンサーとして活躍する年上のゆうか(赤木優香)から追われる展開に。

 初日夜に楽しんだホームパーティの買い出し時、りゅうじんはスーパーで購入したスナック菓子でぱんぱんの袋に加えて、全員分のケーキが入った箱を持ち、ゆうかには重い荷物を渡さずに「だいじょぶです〜」と照れ隠しをしていた。面白くて、男らしい人がタイプだというゆうかには、間違いなく好印象に映ったはずである。が、3日目夜のBBQでは、わざわざ隣に近寄ってきてくれたゆうかと、網の上で焼き掛けの肉を放置し、一人でふらっと席に座りジュースに夢中な場面も。こうした自由奔放さも、周囲に流されない実力者たる証と読み替えるのは、さすがにポジティブが過ぎるか。

 一方、気になるまうと2日目夜に2ショットとなった際には、2023年末の『RIZIN45』での試合を経て、まだ鼻の骨が折れていること、触ると骨が当たる音がするという裏話を明かす。自身の向き合う格闘技に対して「怪我は多いけど、それ以上に楽しい」と総括したが、まうの苦笑いにはわかりやすくこう書いてあった。想像しただけで痛い、と。

 自身にも闘う場所があるゆうかにとっては、こうした顔をしかめてしまうエピソードも、尊敬を育む材料となったと思われる。が、まうの“好きな人遍歴”は、『男子高生ミスターコン2023』グランプリのはなみち(植野花道)に、この旅で出会ったバオ(Bao)。りゅうじんとは対極にいる、いわゆる“王子さま系男子”たちである。ここまで来ると、格闘家の肩書きが恋愛において足を引っ張るとまでは書かないし、もはや相性頼みの話になってしまうが、自身の得意分野でのトークが、相手に刺さるのか、刺さらないのか。“痛み”関連の話は聞く人を選ぶだけに、そのあたりを見極める力も、今後は養っていきたいところである。

 本稿の総括として、揺るがぬ自信と優しい人柄があれば、まだまだ伸び代のある恋愛偏差値だって、力技でどうにかできてしまうのか? このあたりが、りゅうじんの恋を追いかける上での注目ポイントだとまとめておきたい。

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