松浦勝人氏、エイベックス“最初のオフィス”公開 思い出の2DKに自虐「こんな会社入らん」

 エイベックスの松浦勝人会長が、同社最初のオフィスとして利用していた東京都町田市に建つマンションの一室をYouTubeの動画で紹介した。

 2024年2月28日、公式YouTubeチャンネルに公開した「松浦勝人の原点で始まりの場所に行ってきた」と題した動画で松浦氏は、同月24日に行われた、エイベックスがトップパートナー契約を結ぶJリーグプロサッカークラブ「FC町田ゼルビア」のホーム開幕戦を観戦するべく、町田GIONスタジアムへと向かった。町田といえば、同社創業の地。そこで試合の前に、市内に3か所あるオフィスが入居していた建物を巡ることとなった。

 思い出の場所は新しいほうから順番に見て回った。いまでは幼稚園になっていた3番目の旧オフィス、20人ほどが働いていたという2番目の旧オフィスに訪れ、最後には、いまから約36年前、1988年4月11日にエイベックスが誕生した「スカイパレス町田 603号室」へとやってきた。現在は空室のようで、松浦氏はドアを開けて「ここです、最初のエイベックス。見てください、家です」と案内した。間取りは和室含む2DK。後に港区南青山に本社ビルを構える上場企業が入っていたとは思えない生活感あふれる空間だ。

 当時展開していたのは、輸入レコードの卸販売業。松浦氏によれば、自身含む3名の創業メンバーがこの住戸に集い、オフィス用のデスクを設置して日々の業務に勤しんでいたという。松浦氏はフローリングの一室を指し「俺の机はここにあって、パソコンもあって」「カチャカチャレコード聴いて」と在りし日を懐かしんだ。同じ部屋では一人のメンバーが経理の仕事を行い、和室ではもう一人が営業をかけていたそうだ。

 こうした2つの作業部屋を見渡せるキッチンの前に立ち松浦氏は「(当時は青山に)ビルが建つとは夢にも思いませんよ。それどころか『大丈夫ここ?』って思ってたよ」としみじみと振り返る。ここに入居していたのは、1988年か89年ごろまでとのことで、1993年5月には南青山に本社機能を移転している。松浦氏は「5年後に青山に移るから。5年町田にいたけど、その間ゼロから始まって(創業5年で)70億円ぐらいまでいった」と誇らしげに述懐した。

 そして改めて、会社のオフィスらしからぬこの“はじまりの場所”を「こんなとこの会社だったら就職する? ここに来て入る? 入らんのよ、誰も(笑)」と自虐した松浦氏。カメラマンが新卒の面接は行っていたのかと尋ねると、「新卒なんか来るわけないだろ! こんなところに」とツッコみを入れていた。

 この小さなマンションの一室で、後に音楽で日本中を熱狂させ、一つの時代を創ったエンタメ企業が産声を上げたと考えると感慨深い。コメント欄には「小さな部屋から大きな会社に! 松浦会長すごいですね」「最初の場所、ほんと友達が住んでる普通の部屋とかいったかんじ」「小さい会社から大きい会社に変化していく過程や、どん底から這い上がっていくような大どんでん返し系の話が大好きなので、今回こういう話を聞けて良かったです」などの声が寄せられていた。

関連記事