『フリースタイル日本統一』#19ーー「大谷 SHO-TIME」に「打ち返す村上さん」野球ネタの応酬に

フリースタイル日本統一 #19

CIMA、やられたらやり返す “熱韻スタイル”と圧倒的な実力差を見せつけた3連戦

 なんとここから、CIMAが3戦3勝。“あとひとり”と気軽には言えない余談を許さぬ状況や、彼が掲げる“熱韻スタイル”、あるいはラップの節々から滲み出る堂々たる“俺イズム”の力強さに圧倒される。むしろ、KANDAIが4連勝せず、適当なところで敗退し、適当なところでCIMAを出させておけば、この緊急事態も避けられたのか……なんて思わされてしまうほど。3連戦の結果は、KANDAIが0-5、楓も0-5、ベテランの歩歩ですら1-4と、まったく歯が立たない状況だ。やられたらやり返す。この言葉の恐ろしさを、CIMAは本当の意味で教えてくれる。

 せっかくなので、全3戦のパンチラインを抜粋してみた。KANDAI戦では対戦後、彼がフリースタイルバトルを始めたきっかけが自身であると明かされたが、だからこそKANDAIもCIMAのキャラクターを意識し、ラップでのワード選びも寄せすぎたのかもしれない。〈俺の名前で盛り上げてんねん 余裕で俺ほら腰掛けてんねん〉や〈ほら俺という品種を知って 自分を見つめ直してる〉と、自身の胸中をCIMAに悟られる。ラストバースの〈早く出せ 東海 俺のバイブス パンチライン to the場外 ショータイムに変わるぜ まるで大谷 SHO-TIME〉は、完全に特大ホームランだった。

 続く楓戦では、彼が前述の〈大谷 SHO-TIME〉を拾って、〈元は最初は暗がりだ 大谷 は? 打ち返す村上さん〉と、“野球ネタ”で上手く刺す見事な場面もあった。が、〈でもこんなガキンチョ置いといてオイラに群がりな 兵庫もあるけど関西にはアメ村があります〉と、CIMAも“村上さん”のライムですぐさま切り返し。〈俺は養殖ちゃう 天然 また暗天 俺が晴れちゃう 昇る湯けむり 爪痕 噛み跡のグレムリン〉など、ボースティングでのライムの落とし所も秀逸。いわゆる、声に出して気持ちがいい日本語もまた、CIMAの武器である。

 最後の歩歩戦は終始、コミカルな映像となったが、彼のラストバースが終わった後、〈お遊戯会 終わった? 俺はHIDADDYと遊戯の愛 好きだぜヘットバンカー 興味ない 俺ネットラッパー〉と、嘲笑いから鉄板の韻踏合組合ネタで勝利を決定づける。歩歩のラップが利用され、あっさりと料理される展開。KANDAIが大きく流れを引き寄せていたぶん、その反動も大きかったようで、TEAM東海のベンチはほぼお通夜状態の雰囲気だ。

 次回、降臨するは呂布カルマ。“CIMA劇場”に、自らの手でピリオドを打てるか。

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