なぜVTuberのプロモーション案件はウケるのか “個性と愛”が紡いだ事例に見る成功の秘訣
愛を語っていたら大バズり 周央サンゴと志摩スペイン村
他にも様々なプロモーション配信がバーチャルタレントを通して行なわれている。ファッション、健康、ゲーム作品、そしてもちろん、白雪のように「自分の好きなもの」についてもだ。
こういった話題でもっとも規模感が大きいといえば、白雪と同じく配信の話題として名前をあげ、良い点・悪い点をあげてリスナーの興味・関心を惹いた、周央サンゴと三重県「志摩スペイン村」の大型コラボレーション企画であろう。
コラボレーションにつながった経緯は、周央サンゴが志摩スペイン村について配信で触れ、それが一気にバズったこと。当時VTuberについて明るくなかったという志摩スペイン村側もそこからすぐにリサーチを始め、のちにANYCOLOR社へ広報大使就任をオファーしたのだ。
周央サンゴはにじさんじDNAの“正統後継者”か カオスと偏愛から産まれるバイラル性
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている…
話し上手な周央サンゴが志摩スペイン村の隠れた魅力について語り、そのプレゼンを楽しんだリスナーが現地に訪れる。互いの魅力を引き出しあうコラボレーション企画でありながら、大々的なプロモーション企画にもなっているという奇跡的なバランスをなした企画であり、そのインパクトは抜群。
今年は彼女に加えて壱百満天原サロメも加わり、執筆段階の2024年2月後半にはさらに内容も濃くなって2度目のコラボイベントを開催中である。
コロナ禍も明け、レジャー・エンターテイメント施設からのPRも徐々にだが増えてくるはず。ショート動画で一気に知名度をあげたあおぎり高校の面々にも、スキー場のプロモーションがお仕事として舞い込み、普段の彼女たちらしい「外ロケ撮影動画」を提供している。
あおぎり高校の例を見てしまうと、「これならば顔出ししているYouTuberと遜色ないのでは?」と思う人もいるだろう。確かにVTuber~バーチャルタレントには、“アニメーション的ビジュアル"は必須であり、人によっては何よりも重要視する部分ではある。
だが、いまではそういった認識から更に前に進み、「顔を出すことなく本人だとわかればオッケー」「本人の実在感がにじみでてくる感覚」というものがキーになりつつある。そう、プロモーション配信にはVTuber~バーチャルタレントのフロントライン(最前線)がうっすらと見えてくるのだ。普段の彼・彼女らとは違った魅力(本人性)がにじみ出てくる場所と捉え、ファンにとっても注目に値する場所になりはじめている。
何より本人が元々プロモーション対象を大好きであろうが、実際のところは馴染みがなかろうが、その状態からどのようなリアクションや理解・評価をしていくのか、単発の配信だったり、中長期のアンバサダー就任であったり、その形態はまちまちである。そこから生まれるちょっとした変化や普段とは違う姿をファンは楽しみ、配信に耳を傾け、新しい扉を開いてくれそうなプロダクトと出会うのだ。
周央サンゴはにじさんじDNAの“正統後継者”か カオスと偏愛から産まれるバイラル性
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