連載:エンタメトップランナーの楽屋(第十回)
Mrs. GREEN APPLEが見せた快進撃の裏側、そして海外進出続くJ-POPの未来を考える FIREBUG 佐藤詳悟×ライブプロデューサー大田高彰対談
「自由に表現するという素晴らしさ」 ミセスが若年層に刺さる理由
佐藤:日本のアーティストは海外から見ると独特だから英語力が上がってコミュニケーションがもっと取れれば、もっと新しいものだと受け入れられるのかなと。
大田:もはやあとは言葉の壁だけかもしれない。
佐藤:令和生まれの子たちは日本だけではきついので、必然的に海外に行かざるを得ないと思います。
大田:昔はX JAPAN 、LUNA SEAやL'Arc-en-Cielなどのヴィジュアル系バンドが世界に進出し、、続いてPUFFY、Perfume、BABYMETAL、ONE OK RCOKといったアーティストが次々に海外に進出していました。でもいま起きているのは、それとは別の流れに見える。J-POPにとってやっと本当のグローバル化が始まったと思っています。
ただ音源、動画やデータだけではなく、人間が動く「ライブ」としてのコンテンツ拡大は改めて始まったばかりですから、人脈などはまだまだ開拓中ですね。もっと日本のアーティストには色々な選択肢やルートがあっていいはずなんです。だからいまは投資が必要だと思っています。
佐藤:20年後くらいが楽しみじゃないですか?
大田:いま感じている目に見えない垣根が無くなって、色々なことがもっとナチュラルになっているでしょうね。いまの子にはもう「アメリカンドリーム」が通じなくなってきてますし、どんどん「海外がすごい」という考えも薄くなっていくはず。
佐藤:逆に日本国内だとなにが人気に繋がっていると感じます? ミセスは音楽以外にもメイクなど色々な見せ方をしていますが。
大田:これは長らく考えていて、結果自分自身では気づけなかったのですが、様々なアンケートやヒアリングで聞いたことが実に面白くて「好きなことで自由に表現をしていることが素晴らしい、そして羨ましい」という思いが今の若い年代にあることなんです。これで自分も考え方が変わりましたね。
恐らくいまの若い層の根源にあるのは「好きなように生きたい」ということなのかもしれないと思っています。だとしたら、いまこの時代を作っているアーティスト達ももっと色々なことを自由にやった方がいいと思いますし、それがもしかしたら、昨年のミセスの躍進の要因にもなっているのかもしれませんね。
佐藤:なるほど。今年はまた一緒に新しいことを形にできたらいいね。
大田:ぜひ認知を広めるメディアを含めた施策とかもやっていきましょう。
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