2023年もっとも活躍したTikTokクリエイター・ケンティー健人が語る“バズの秘訣” 「最初の5秒がとても大事」
バズった要因は“自撮り”? ごく普通の見た目が武器に
ーー最初にバズった動画はなんでしょうか?
ケンティー:2021年の10月6日に投稿した、「198円のおでんをチュウハイでキメる動画」です。内容は、おでんセットを鍋に入れて食べるというものです。このころはフォロワーが14万人ぐらいだったんですが、動画の再生数もまだ安定していませんでした。そんななか、この動画が海外の視聴者さんを中心に爆発的に再生されたんです。
@kenty_cook 198円のおでんを酎ハイでキメる動画🍻#tiktokレシピ ♬ Lone Rider - Stephan Sechi
ーー2024年1月7日時点で、約450万回再生もされているんですね。なぜこの動画は、ここまでバズったのでしょうか?
ケンティー:“自撮り”を取り入れるようにしたんです。それまでは、料理をしている手元しか映していなかったんですけど、食材を投入したり食べたり飲んだりしている“自分”も写すようにしました。自撮りは、当時海外の方や料理クリエイターのバヤシさんくらいしか取り入れていなかったので、僕も挑戦してみたらバズったんです。
ーーなぜ自撮りをするとバズるのでしょうか?
ケンティー:たとえば料理しか映していない動画を見たとして、視聴者からするとその料理に興味が湧かなかったらスルーしてしまいますよね。でも料理をつくっている人が出てくることによって興味を持つ対象が増えるので、たくさんの人が見てくれたのではないかと思いました。
食べたらどんなリアクションになるのか、表情からも動画を楽しむことができます。しかも僕はプロのシェフでもなければ、派手なインフルエンサーでもありません。ごく普通の一般人だからこそ、親近感を持ってくれたのではないでしょうか。
海外層を意識し「見るだけでわかる」動画づくりへシフト
ーー「198円のおでんをチュウハイでキメる動画」で海外層にバズり、一気にフォロワーが増えたそうですね。
ケンティー:そうですね。そこから海外の視聴者層を意識するようになりました。たとえばテロップをつけなかったりなど、動画づくりも工夫するようになりました。
ーーなぜテロップをつけないのでしょうか?
ケンティー:最初は、レシピを全部記載していたんです。でも海外の方も見てくださるようになってからは、できるだけ“見ただけでわかる”動画づくりを意識するようになったんです。基本的に見れば手順などはわかるような動画になっているので、必然的にテロップの必要性もなくなりました。
テキストを入れると文字を目で追ってしまうし、日本語や英語で記載してもほかの言語圏の方には結局伝わらないので、映像だけで完結する動画にしています。
ーー海外のターゲット層を、しっかりと意識されているんですね。
@kenty_cook Pork wrapped rice ball 🍙🐖#food ♬ Stay with Me cover by Chris - Chris Andrian Yang
ケンティー:国籍関係なく動画を楽しめるのは、TikTokの魅力ですよね。たとえばこの「肉巻きおにぎり」の動画も、たくさんの海外の視聴者さんに見てもらうことができました。日本では割と定番のメニューだと思うのですが、海外の方にとっては少し珍しかったのではないかと思います。内容はとてもシンプルなんですけど、肉巻きおにぎりの目新しさが、バズったきっかけなのではないでしょうか。
また、僕の動画では調味料もできるだけ身近にあるものだけで完結するような料理にしています。塩、胡椒、コチュジャン、砂糖、酒など、ひと目でわかるようなものを使っています。
ーー徹底して、“見るだけでわかる”をコンセプトに動画を制作しているのですね。視聴者の方に、レシピや分量を聞かれたりはしないのでしょうか?
ケンティー:聞かれたときは、コメント欄で返信をしています。
ーーそうなんですね。視聴者の方とは、主にコメント欄で交流をとっているのでしょうか?
ケンティー:視聴者の方とは、コメント欄とTikTok LIVEで交流しています。視聴者の方のコメントから動画のアイデアが生まれるときもあるんですよ。
@kenty_cook @user58498816124407 への返信 残り汁で和風カレーうどん🤤Udon#tiktokfood ♬ Lone Rider - Stephan Sechi
たとえば「残り汁で和風カレーうどんUdon」という動画があるんですけど、これは以前おでんの動画を投稿したときに、「おでんのあとは雑炊しましたか?」というコメントから生まれた動画なんです。これには僕も「なるほど……!」と感じました。