VRゲームの“わずかな例外”がここに 妥協なしの大作『Asgard’s Wrath 2』先行レビュー

一切の妥協のない、本気のオープンワールド大作がここに

 「Atonの神殿」を終えると、その先に待っているのはエジプトの広大な砂漠を舞台としたオープンワールドエリアである。それも、サブクエストもあれば収集要素も豊富に用意されており、メインクエストでは訪れることのないエリアもしっかりと存在する。例えば、メインクエストのマーカーへと向かっていくなかで、周りを見渡して「あっちにも何かあるのでは」と思って向かってみると洞窟を発見し、そこにいる強敵を倒すことで通常よりも価値のある報酬を手に入れることができるといった感じである。つまり、メインクエストを進めても良いし、サブクエストに勤しんでも良いし、特に目的もなく探索をしても十分に楽しむことができる。そのプレイフィールは完全に一般的なオープンワールドRPGと同様であり、それがVRで楽しむことができるというだけなのだ。

 正直なところ、現代においてVRゲームを遊ぶというのは、わずかな例外を除いて、どこか一般的な家庭用ゲーム機/PCゲームと比較してなにかを妥協するところがある。その「なにか」というのは、たとえばボリュームであったり、メカニクスであったり、プレイの快適さであったりするわけだが、『Asgard’s Wrath 2』は間違いなく「わずかな例外」であり、今回のプレビューで遊んだ範囲において、なにかしらの妥協を感じる場面はほとんどなかった(本作にはスキルツリー、アイテムクラフト、さらには『DARK SOULS』のようなプレイヤーがその存在をマップに残すことができるオンライン機能まで搭載されている)。これがスタンドアロンで動いているという事実には、ただただ驚くほかない。

 本編とは別にいつでもアクセスできる「未踏の亀裂」も、そうした妥協のなさを象徴するコンテンツと言えるだろう。仕組みとしては『Bloodborne』の「聖杯ダンジョン」をローグライト的にアレンジしたようなものとなっており、コンテンツを始めるたびにランダム生成されるダンジョンに挑むことができる。最後の部屋には強敵が待ち構えており、それを倒すことができれば特別な報酬を得られるというわけだ。筆者も挑戦したのだが、ダンジョンパートはなんとか突破したものの、最後に待ち受ける強敵が本当に強く、汗だくになりながら必死で挑んだものの見事に敗北して帰ってきてしまった。正直なところ、これだけでも普通に単体のVRゲームとして売れるレベルのクオリティであり、その妥協のなさにあらためて驚かされる(なんとリーダーボード機能や非同期オンラインプレイまで用意されている)。

 今回のプレビューはあくまで最序盤をプレイしたインプレッションをまとめたものだが、本作にはまだまだたくさんのコンテンツが用意されている。たとえば、今回のプレイではアブラクサスという戦士のみを操作していたのだが、ゲームを進めていくことで他のキャラクターを操作したり、仲間とともに冒険をしたり、剣や斧以外の武器を操ったり、動物に乗ってオープンワールドを移動したり、さらには釣りを楽しむことまでできるという。ここまで書いた内容も、あくまでほんの一部でしかないのだろう。

 「Meta Quest 3」の購入特典ということで、これからきっと多くのプレイヤーが本作をプレイすることが予想されるが、まさに『Asgard’s Wrath 2』はVRゲームの入り口として相応しい、というかこれを基準にするとちょっと困ってしまうくらいの大作であることを予感させる期待の作品であることは間違いないだろう。

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