Z世代のリアルレビュー(第一回)
ベトナム&スリランカを訪れてわかった、旅行で便利な配車アプリを国別に紹介
日々エンタメ×テクノロジーについて発信するリアルサウンドテック編集部。腕利きの執筆陣による読み物も好評ですが、一方で若年層の読者も多い媒体として、参考にしているのは現役大学生たちの声。今回から立ち上がった新連載「Z世代のリアルレビュー」では、編集部にインターンスタッフとして勤務する現役大学生ライターの視点から、毎週さまざまなトピックをお届け。第一週は先日ベトナムとスリランカから帰ってきたばかりの星野がお送りします。
海外ではバスや電車などの公共交通機関が発達していなかったり、安全面が心配だったりすることもあるでしょう。そんなときに頼りになるのが、スマホでタクシーやトゥクトゥク(三輪車)を呼ぶことができる配車アプリです。日本ではあまり浸透していませんが、海外ではメジャーなアプリとして知られています。そこで今回は、私が夏休みにベトナムとスリランカを訪れた経験から、国別に使える配車アプリやそれぞれの特徴などを紹介します。
〈配車アプリの使い方〉
基本的に、どのアプリも以下のような使い方です。
(1)アプリを開いて乗車地点と行き先を入力する。
(2)乗車地点周辺にいる手配可能な車が表示されるので、車種を選んで手配する。(このとき、すでに所要時間や料金が表示される)
(3)ドライバーが乗車地点に到着したら、ナンバーと運転手の名前を確認し車に乗る。
〈配車アプリを利用するべき理由〉
(1)ぼったくりに遭う可能性が低い
すでに料金が確定しているため、通常より高い料金を請求されることがありません。値段交渉も必要ないので、ストレスなく移動することができます。
(2)行き先を簡単に伝えられる
乗車位置や行き先を、マップから簡単に入力することができます。そのため、現地の言葉が話せなくても安心です。
(3)クレジットカードが使える
クレジットカードで支払うことができるため、旅先で常に現金を持ち歩く必要がなくなります。
(4)安全性が高い
ほとんどのアプリには緊急サポートボタンがあり、危険を感じた場合にはすぐに通報することができます。
~ベトナムで配車アプリを使ってみた~
アプリを紹介する前に、ベトナムの交通事情について軽く触れておきます。みなさんご存知の通り、ベトナムは多くの市民がバイクを利用する“バイク王国”として有名です。なんと、国民のバイク所持率は8割を超えており、最もポピュラーな交通手段といえます。実際に私がベトナムを訪れた際も、ひっきりなしに通り過ぎる大量のバイクに圧倒され、信号を渡るのに一苦労しました。その他の交通手段としては、車・バス・鉄道・自転車などが挙げられます。2021年に、ハノイでベトナム初の都市鉄道の2A号線が開業し、少しずつ鉄道での移動もできるようになってきました。
〈使ったアプリ〉
■Grab
◎乗り物の種類:バイク・車
◎支払い方法:クレジットカード・デビットカード・現金・Grab Pay
◎フードデリバリー:あり
絶対にダウンロードしておきたいのが、東南アジアでNo.1の配車アプリ「Grab」です。マレーシアを拠点にサービスを開始し、現在では東南アジア8か国に展開しています。呼べる乗り物の種類は3つありますが、バイクを呼んだ場合はドライバーの後ろに乗って目的地まで連れて行ってもらう形になります。バイクは車よりも安く利用できるので、1人で乗車する場合におすすめです。
東南アジアあるあるなのですが、おつりを全額もらえないことがあります。そのため、現金で支払う場合は、細かいお金を持っておくようにしましょう。
Grabの大きな特徴は「Experience」というページから、観光ツアーや料理教室などのイベントを予約できることです。私が訪れたハノイでは、その他にもベトナムの民族衣装・アオザイのレンタルやマッサージの予約などができました。当日予約できるものも多くあるので、思い立ったらすぐ予約することができます。
また、Grabでは常時〇%OFFなどのプロモーションがされているため、慣れればお得に使いこなすことができそうです。
~スリランカで配車アプリを使ってみた~
続いて、スリランカの交通事情を紹介します。スリランカ国内の移動で主に使われている交通手段は、バス・電車・車・スリーウィラー(トゥクトゥク)の4つです。その中でも、私が一番利用したのがスリーウィラー(トゥクトゥク)です。スリランカではもともと、三輪車という意味の"スリーウィラー"という呼び方が使われていたのですが、現在はトゥクトゥクと呼ばれることも多くなってきています。バスや電車は運賃が安く非常に便利なのですが、基本的に扉が付いていないため、ローカル感が強い乗り物だと認識しておいた方がよさそうです。
〈使ったアプリ〉
■Uber
◎乗り物の種類:バイク・トゥクトゥク・車
◎支払い方法:クレジットカード・デビットカード・現金
◎フードデリバリー:あり
スリランカ滞在中に最も利用したといっても過言ではないのが「Uber」です。世界最大手の配車アプリ・Uberは、世界中の10,000の都市で利用することができます。また、表示設定を日本語にすることができるのも使いやすいポイントです。
スリランカもベトナム同様、おつりを全額もらえないことがあります。また、すでにクレジットカードで支払っているのに、「支払われていない」と言う悪質なドライバーもおり、実際に私も被害にあったので注意してください。
Uberは配車とフードデリバリーの2つのみに特化しており、シンプルで使いやすいのが特徴です。全世界でサービスを展開しているので、海外旅行が好きな方はとりあえずダウンロードしておくことをおすすめします。
■Pick Me
◎乗り物の種類:バイク・トゥクトゥク・車
◎支払い方法:クレジットカード・デビットカード・現金
◎フードデリバリー:あり
スリランカ発の配車アプリ「Pick Me」は、観光客から地元の人まで幅広く利用されています。こちらはスリランカ国内でのみ利用することができ、利用にはスリランカの電話番号が必要です。スリランカのSIMカードを購入して電話番号を取得すれば、旅行者でも利用することができます。Pick Meを使う場合、主要都市のコロンボ以外だと台数が少なくなるため、注意してください。
Pick Meの特徴は、スリランカで最も浸透していることです。私が宿泊していたホテルのオーナーは「Pick Meの方がドライバー数が多い」と言っていました。雨が降ったあとや夕方はドライバーを見つけるのが非常に難しいので、UberとPick Meの両方を使って探すのがおすすめです。(私は普段から2つのアプリを見比べて、安い方に乗っていました)
~最後に~
私は今回の記事で紹介した配車アプリを使うことで、異国の地であってもスムーズに移動することができました。また、ドライバーによっては「どこから来たの?」と気さくに話しかけてくれることもあり、楽しい時間を過ごせました。移動で困ったエピソードは、ドライバーが目的地までの地図の見方が分からず、私がGoogleマップを見ながら「レフト! ライト!」と、道案内をしなければならなかったことです。「車に乗ってしまえば、後はドライバーが目的地まで連れて行ってくれる」という日本の常識が覆される良い経験となりました。それと同時に、地図を読むという行為も教養を必要とするということを実感し、教育水準は国によって未だ大きな差があると分かりました。
海外旅行に行く際、アプリなど使わずにハプニングすら楽しむというのも面白いのですが、安全に移動するという点ではこれらのアプリは必須だと思います。ベトナムとスリランカを訪れてみた身としては、スマホと健康な身体さえあればどの国でも生きていけるのではないかと感じました。
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