ぶいすぽっ!ならではの魅力が盛りだくさん 初の単独オフラインイベント現地レポート
ぶいすぽっ!人気の秘訣は“ゆるく結びつきあう連帯感”?
本イベントが醸し出していたムードを一言であらわすと、“ゆるくのどかな雰囲気”だったといえる。
こうした雰囲気が生まれた理由として、開催地が茨城県・金江津小学校スタジオだったことは大きいだろう。この会場は田畑や山林に囲まれた場所にあり、誤解を恐れずにいえばイベント参加者たちは田舎の空気のなかで楽しむことになった。
日中の陽が昇った11時ごろはまだしも、イベント終了時刻が近づくにつれすっかり日が落ちてしまい、辺りは真っ暗。気温もかなり下がっており、思わず「寒い」とこぼしてしまうほど。
とはいえ、前回の神田明神に引き続き屋外でおこなわれたぶいすぽっ!オフラインイベント。展示場やイベントホールとは少し趣の異なる会場では育まれる空気も違ううえに、会期中の6日間は記録的な暖かさを計測したこともあって、本イベントはほんわかとした暖かな空気感が自然と生まれていたように感じる。
くわえて本イベントは事前にチケット購入が必要だったこともあり、会場にいるのはもちろんぶいすぽっ!ファンのリスナーたち。会場付近の売り場で購入したグッズや持参したグッズなど、イベント参加者のほとんどが思い思いのグッズを身につけており、参加者はかなりの熱気を感じた。
そんなムードをイベントの外側へと知らせ、楽しげな雰囲気を伝えていたのが初日から最終日まで行なわれていた定点カメラでの配信である。
カメラに手を振ってアピールする者、購入したグッズを見せる者、あるいは一発芸のようなアドリブを見せる者など、配信には多くのファンが映り込んでいた。
さらに、現地の来場者と配信を視聴するリスナー同士の交流を生む接点となっていたことも面白い。会期2日目からは定点カメラが合計3箇所に増設され、コメント欄が見れるようにモニターも配置、会場参加者と配信視聴者でのコミュニケーションが可能となったのだ。それだけでなく、ぶいすぽっ!メンバーらが定点カメラ配信を覗いてコメントを送ることもしばしばあり、彼女らに向けてグッズをアピールする場としても大いに盛り上がった。
空澄セナは「定点カメラ良いね。今後のリアイベでもずっと実装して欲しい。暇な時間があればずっと見ていた」と後日の雑談配信で語っており、ほかのメンバーたちからもかなり支持されていた。おそらく当初想定されていなかった盛り上がりであり、本イベントの盛り上げに一役買った意外なピースであっただろう。
ぶいすぽっ!メンバーといえば、配信中に配信用ボイスチャットへほかのメンバーが参加する光景ががままみられる。
間違えて入ってしまったとしても、即座に抜けるなどして配信の邪魔にならないようにすることがほとんどであるが、その点、ぶいすぽっ!のメンバーはわりあいカジュアルかつ大らかに対応する。『Apex Legends』『VALORANT』『Minecraft』などのボイスチャットを使っての配信中にポロンと入り、ゲームには参加することなく会話に混ざってワイワイと盛りあがっていくのだ。
目が覚めたばかりのメンバーがボイスチャットに入り、普段の配信とはまた違った声で会話しはじめたり、ボイスチャットに入って一切声をあげないメンバーもいる。「なぜボイスチャットに入ったのか?」と問われて、「なんか人がたくさんいるから来た」と返事をするメンバーもいるほどだ。
こうしたぶいすぽっ!メンバー間の文化について、「配信をしているメンバーの邪魔になってしまうのではないか」と、あまりいい顔をしない視聴者がいても不思議ではない。
しかし、現在のぶいすぽっ!リスナーからは、そういった不満の声はほとんど上がっていないように感じられる。むしろ「あ、○○さんも来たんだ!」と、和気あいあいとしたムードでおしゃべりを楽しみながらゲームをする彼女らを見て楽しむ層が、ファンの大多数を占めているのではないだろうか。
それはまるで同じグループに属するゲーマー同士が休みの日になんとなくボイスチャットに集まる、そんなどこのコミュニティにもあるような雰囲気と近く、ゲームを楽しむリスナーにとって馴染みのある光景/空気だ。
そんな“ゆるく結びつきあう連帯感”を感じさせつつ、大会や企画に臨む際の「ここぞ」という瞬間では集中し、好成績を収めたり、時には本気でぶつかり合う姿を見せてくれる。“ゆるくてのどかなイメージ/雰囲気”から“一致協力してスクラムを組む”。このオンオフの切り替えにこそ、彼女らぶいすぽっ!の人気・魅力の秘訣が詰まっている。
そして、本イベントは会場ののどかな雰囲気、運動競技での団結、リスナー同士が交流できる定点カメラなど、視聴者にもスポットを当てる構成でぶいすぽっ!らしさを「体感できるイベント」としてうまく作り上げられていたのだ。
演者と参加リスナーとが集まり、お互いに結びつきあってゆるく楽しめるオフラインイベントならではの魅力が詰まった本イベントは大成功だったといえるだろう。そして、そんなぶいすぽっ!の次なるイベント『ぶいすぽっ!年末カウントダウン2023』が年末年始に開催される。場所は東京・秋葉原ということで、こちらもまた注目を集めるはずだ。
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