花粉症対策にも? ダイソンの空気清浄機『Dyson Purifier Big+Quiet』の実力

 今年25周年を迎えるダイソンが、新しい空気清浄機『Dyson Purifier Big+Quiet』を発表した。直販サイトでの価格は10万7800円、直販限定モデルの『Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde』は12万6500円で販売中。

 ダイソンの空気清浄機といえば、穴の空いたオーバル型のデザインを想像しないだろうか? あれも近未来的なデザインが目を引くが、空気のパワフルさを考えれば今モデルの形状もかなり理にかなったものとなっている。

100平米の空間を浄化、それも静かに

製品発表会にはダイソンのエンジニアと、アーティストの寺岡呼人氏が登壇。

 今回の筒状デザインは2019年に登場したパーソナル空気清浄機『Dyson Pure Cool Me』を踏襲している。言ってしまえば『Dyson Pure Cool Me』を巨大化させたものが今モデルだ。もちろん、簡単な話ではない。

 エンジニアいわく、従来の空気清浄機には3つの課題があると語る。フィルターの性能、気流の弱さ、騒音の問題だ。

 『Dyson Purifier Big+Quiet』の特徴は、10m先までも空気を送風できるパワフルさにある。10mという距離はこれまでのアプローチでは実現できなかったとのこと。遠くまで空気を届けられないと、新鮮な空気が部屋の隅々まで行き渡らないのだ。

 空気は本体下部から吸気され、上部の丸いユニットから送風される。噴流を曲面に沿わせるコアンダ効果を利用しつつ、円錐型の曲面が気流を合流させ、まっすぐな風をより遠くへ送り出す仕組みだ。これにより、従来モデルの倍以上の風量を実現した。

 風を送り出す心臓部となるのが、白い回転羽根のモーター部分。高速回転すると騒音も大きくなるが、気流を整えるラビリンスシールを周囲に配置することで風による騒音を低減。さらにモーター自身もガッチリ固定するのではなくソフトに固定することで、物理的にも振動を抑えている。

 モーターには音響抵抗スクリーンを配置し、広帯域のヘルムホルツ空洞を作り出している。ヘルムホルツ空洞とは干渉を利用して音を打ち消す技術のことで、いわばノイズキャンセリングのようなもの。人が耳障りに感じる帯域を減衰しているわけだが、こうした技術の積み重ねにより風量最大時であっても、音量を42.7dbまで抑えることに成功したという。

 吸気するメッシュ部分にはH13規格の高性能HEPAフィルターを配置。459回も折りたたむことでフィルター性能を大きく向上させた。フィルターの寿命も向上し、5年使えるとしている。HEPAフィルターの奥には匂いを除去する活性炭フィルターが配置されている。

 革新的な気流制御、徹底的な騒音の低減、そして高性能のフィルター。これらを備えたのが『Dyson Purifier Big+Quiet』というわけだ。エンジニアが語る3つの課題を見事に解決している。

 その空気のパワフルさを示すデモンストレーションが行われた。『Dyson Purifier Big+Quiet』から送風される風にシャボン玉を乗せてみると…。

 こんなに遠くまで届く。シャボン玉が割れることもなく、優しい風が吹いていることの証左にもなるだろう。

存在感を示すモダンな外観

 改めて『Dyson Purifier Big+Quiet』のデザインを見てみよう。寸法は高さ830mm、奥行き415mm、幅434mm。こうして店舗に置いてあると違和感はないが、6〜8畳のワンルームに置くにしては存在感がありすぎる印象だ。

 寺岡呼人氏が本製品をプライベートスタジオで試用した感想として「わずかに騒音はするけれど不快な周波数ではない。エアコンや除湿機の騒音と比較しても気にはならない。寝室に置くのも良いのでは」と語っていた。写真を見る限り、スタジオほど広さがあればサイズ感もちょうど良いように思える。

前面部分にはマグネットで固定できるリモコンが付いている。
わずかに曲面してるおかげで、本体の円柱部分にジャストフィットしてくれるようだ。デザインもシンプル。スマホアプリとも接続する。

 

 送風部分の天面には、空気質の状況を示すディスプレイが表示されている。空気質は常時モニタリングされており、オートモードであれば常に最適化されたパワーで運転してくれる。

 側面には対応する化学物質が描かれていた。上からベンゼン、二酸化窒素、アンモニア、酢酸、アセトアルデヒド、PM1〜10までの微粒子、揮発性有機化合物。

 こちらは直販限定モデルの『Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde』。落ち着いたカラーが非常にカッコよく、佇まいにも高級感がある。こちらのモデルはホルムアルデヒドの検知・除去に対応しており、色だけでなく空気清浄能力としても一段上となる。活性炭フィルターでは捉えきれないホルムアルデヒドを捕らえるため、酸化分解触媒フィルターを搭載している。

家の居心地を良くするために、空気から見直してみるのもアリ

 花粉、黄砂、インフルエンザ、そして世界的な感染症への対策など、空気質に対する敏感さは年々増している。寺岡呼人氏も「誰しもいまは空気に敏感になっているけれど、この空気清浄機があれば家に人が来ても安心できる」と語っていた。

 個人的にもかなり欲しいと思った製品だが、やはり大きさが気になるところ。送風能力の高さはサーキュレーターとしての役割も兼ねてくれそうだし、部屋に置いてある植物にとっても風が届くのは良い影響だ。良い風は良い生活を与えてくれる。

 25年間、空気の流れをデザインし続けたダイソン。その成果ともいえる『Dyson Purifier Big+Quiet』。ワンサイズ小さいモデル(なおかつ『Dyson Pure Cool Me』よりも大きいモデル)が出てくれれば最高なのだが、どうだろうか?

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